間質性肺炎(interstitial pneumonia:IP)

間質性肺炎interstitial pneumoniaIP)は、原因の明らかなものと原因不明のもの(特発性)に分けられる。
前者には膠原病に伴うIP、薬剤性や放射線によるIP、吸入物質(抗原)によるじん肺や過敏性肺炎などが含まれるが、ステロイドを中心とした治療によりマネージメントが比較的容易であることから、臨床上問題となるのは原因不明の特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumoniasIIPs)であることが多い。

間質性肺炎の分類
1。原因不明のもの
・特発性間質性肺炎

2。原因の明らかなもの
・膠原病
・職業性・環境要因による暴露
・塵肺症
・過敏性肺炎
・ガス
・薬剤性肺炎
・放射線肺炎
・感染症

間質性肺炎とは
肺の問質には、肺胞隔壁、小葉間隔壁、胸膜を形成する小葉辺縁部の結合織、気管支血管周囲などの領域が含まれる。間質性肺炎は、このような肺の間質にリンパ球を主体とした細胞浸潤を伴う炎症が生じた病態でである。病理組織学的には肺胞性肺炎とは異なり、細胞外基質(コラーゲンなど)の沈着による間質の肥厚から構造改変をきたし、肺線維症(pulmonary fibrosisPF)と呼ばれる変化を生じる。
一般的には早期に間質性肺炎、病状が進行すると肺線維症が生じると考えられる一方、炎症初期であっても線維化の変化は生じていると理解される。
したがって間質性肺炎と肺線維症は連続した一連の病態をあらわす用語であり、臨床的にはいずれの病態が前面に出ているかによって名称が使い分けられている。

一般的にリモデリングをきたした肺線維症病変は治療抵抗性と考えられており、早期診断と早期治療が重要であるといえる。

発性間質性肺炎の臨床病理学的疾患名
特発性肺線維症(IPF)
非特異性間質性肺炎(NSIP)
特発性器質化肺炎(COP)
急性問質性肺炎(AIP)
剥離性間質性肺炎(DIP)
呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患(RB-ILD)
リンパ球性間質性肺炎(LIP)