1回拍出量(stroke volume:SV)

1回拍出量 (stroke volume:SV)

1回拍出量は、1心拍で駆出される血液の量です。
代表的な検査に左室駆出率(left ventricularejection fraction:LVEF)があります。
左室駆出率は、1回の心収縮により左室より拍出される血液量(1回拍出量)の左室拡張末期容積に対する割合です。
この指標は、心収縮能と前負荷、後負荷により規定されますが、後二者が一定という仮定のもとで、心収縮能の指標としてよく使用されます。
基準値は0.6~0.7(60~70%)です。
0.5以下(50%以下)であれば心収縮能の低下例とされます。
検査方法は左室造影法、心エコー図、心プール法を用いて算出されます。

アンダーソン改定基準 (土肥による)

アンダーソン改定基準 (土肥による)

Ⅰ運動を行わないほうがよい場合
 ・安静時脈拍数120/分以上
 ・拡張期血圧120mmHg以上
  ・収縮期血圧200mmHg以上
 ・労作狭心症を現在有するもの
  ・新鮮心筋梗塞1ヶ月以内のもの
 ・うっ血性心不全の所見の明らかなもの
  ・心房細動以外の著しい不整脈
 ・運動前、安静時にすでに動悸、息切れのあるもの

Ⅱ途中で運動を中止する場合
 ・中等度の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛などの出現
 ・脈狛数が140/台を超えたとき
 ・不整脈(期外収縮〉が1分間10回以上出現
 ・頻脈性不整脈
 ・徐脈の出現
 ・収縮期血圧40mmHg以上 または拡張期血圧が20mmHg以上上昇したとき

Ⅲ運動を一時中止し、回復を待って再開する場合
 ・脈拍数が運動前の30%以上増加したとき。ただし2分間の安静で10%以下にもどらぬ場合は中止するか、極めて軽労作のものにきりかえる
 ・脈拍数が120/分を越えたとき
 ・1分閲に10回以下の不整脈(期外収縮)出現
 ・軽い動悸、息切れの出現

けいれん発作の対応

けいれん発作の対応

1.けいれん発作に対する基本処置
・安全の確保
・呼吸管理
・バイタルサインの確認
・発作症状の観察
運動症状:強直性発作、間代性発作、ミオクローヌス、自動症、運動停止など意識障害の有無
(けいれん重積への移行の予防)

2.発作後の対応
・意識障害の回復の確認
・神経症状(麻痺,失語)の観察
・前兆(知覚症状)
・部分発作の有無の確認

3.緊急対応が必要な場合
・けいれん重積(ジアゼパム・フェニトイン・ミダゾラム投与、人工呼吸管理)
・神経症状の進行性悪化(緊急画像検査、臨床検査、外科的対応)

重症心身障害児の嚥下障害への対応

重症心身障害児の嚥下障害への対応


頸部緊張からの反り返りや後屈は誤嚥の重大な要因となっているため、筋緊張を和らげる姿勢は嚥下に有利です。

しかし、誤嚥を防止する最適な姿勢は小児例では個々の症例でかなり異なります。
VFで誤嚥しにくい姿勢、誤嚥の程度を把握しておくことが可能です。

日常的な肺炎予防として、口腔ケアは成人同様に大切な対策です。
特に経口摂取が中止されると口腔の汚染は急激に悪化するため口腔ケアの必要性が高くなります。

嚥下機能訓練は成人では保存的治療の中心ですが、重症児では筋緊張亢進や姿勢保持の問題、さらに年齢とともに悪化する病状から効果は乏しく積極的な適応とはなりません。
誤嚥量の増加、肺炎発症で保存的な治療が限界となると、経口摂取を中止し経管栄養に切り替えることになります。

しかし、経鼻からの栄養チューブ留置は咽頭の刺激が胃食道逆流からの嘔吐の誘発につながるため、胃瘻からの経管栄養が最善と言われています。
唾液の流れ込みや肺炎による呼吸障害が増悪し、特に気管内挿管された時には気管切開術が考慮されます。

しかし、気管切開術のみでは唾液の気管流入を完全に防止することはできず、結果として頻回の気管内吸引を要する生活が続きます。
さらに、喉頭挙上の制限、気管カニューレのカフによる食道の狭窄など嚥下機能の低下だけでなく、気管カニューレ留置に伴うトラブルなど負の要因が増えます。
術前に家族への十分な説明が必須であり、気管切開術ではなく、誤嚥防止術を検討する必要があります。

小児では行われる誤嚥防止術は喉頭気管分離術および気管食道吻合術が第一選択とされています。
手術適応決定のためには、肺炎の反復、高度誤嚥の確認、発声喪失に対する家族の同意、手術の生命予後への改善、小児科医の手術への希望、術後のフォロー体制の確立をする必要があります。
手術療法の時期や方法は、主治医である小児科医との綿密な連携のもとに決定ことが大切です。
小児の術後の特徴として気管軟骨の軟化・胸郭変性や肥満からの気管孔・気管狭窄、また呼吸器が必要となる症例など術後も気管カニューレが留置される症例があります。
気管カニューレと気管壁との慢性的接触は致死的な気管腕頭動脈瘻のリスクとなるため、最適な気管カニューレの選択に加え、定期的な気管内の観察、気管カニューレの留置位置と血管の確認のためのCT検査はリスク回避に有用です。

重症心身障害児 嚥下障害の特徴

重症心身障害児 嚥下障害の特徴

重症児の死因のトップである肺炎は嚥下障害による慢性誤嚥が主因です。
そのため、気道管理による肺炎防止の早急な対応が必要とされます。
重症児の嚥下障害は胸郭変形や胃食道逆流症が加わることによる呼吸障害との悪循環を形成し、成長とともに重症化の経過をたどるとされています。
その誘因としては重症児の多くでみられる筋緊張亢進があげられます。
筋緊張亢進は頸部では、咽喉頭、気管までの構造異常とその結果として上気道狭窄の原因となります。
さらに胸郭変形と胃食道逆流症を悪化させ、肺炎を難治性のものにします。
加えて、重症児の特徴としては、咽頭での多量の唾液貯留と気管内流入がみられるにもかかわらず、咳嗽反射が弱く、咳込みを伴わない不顕性誤嚥が60~70%の高頻度にみられます。

脳性麻痺 分類と臨床症状

脳性麻痺 分類と臨床症状

脳性麻庫は運動麻庫の病型によって以下のように分類される。
ただし、病型分類は、時代や著者によって若干違うことがある。
また、この病型がいつもはっきりと分かれ、るとは限らず、患者によっては、痙直性麻庫と不随意型麻庫のパターンを併せ持っている場合もある。

①痙直型
錐体路障害による伸張反射系機能究進の一つの徴候です。痙直性(spasticity)とは、
臨床的には関節の他動運動に際し、はじめ抵抗を呈するが、ある時点で急に力が抜ける(折りたたみナイフ現象)感じとして捉えられる。関節レベ/レで考えると、共同筋と拮抗筋が常に一定の筋力不均衡を持ちながら収縮しているで、姿勢の異常から進行して関節の変形・拘縮を生じやすい。このため整形外科的手術にいたることが最も多い。麻四肢の局在によって、片麻痺、両麻痺、三肢麻庫、四肢麻痺と分けられている。しかし、これらの呼び方も麻痺の相対的な程度による分類なので、左痙直性片麻庫でも、右にも痙直性麻痺が認められたり、痙直性両麻庫といっても、相対的に両下肢よりは程度が軽いものの上肢にも痙直性麻痺が見られることが多い。

②アテトーゼ型(不随意型)
両側基底核視床障害などにより生じる。体幹および四肢(とくに上肢)の共同筋・桔抗筋に不随意な収縮力の変動がおこるために、大きなねじれるような動きが起こる。頚椎にも過度の前屈や後屈や偏屈、回旋運動がおきるために、二次障害として頚椎症が発症する。

③失調型
深部感覚、平衡感覚の障害であり、自立歩行ができても不安定で転倒しやすい。
視床障害によるものが多い。

④強直型
錐体外路系の障害によるとされる。
共同筋・桔抗筋の収縮伸張に抵抗する筋の収縮が持続するため、他動的運動に対する抵抗が続く。

⑤混合型
異なる病型が混合しているものをさすが、痙直型とアテトーゼ型の混合が最も多い。

脳性麻痺は、てんかん、精神発達遅滞、感覚障害(視覚、感覚など)、認知障害、摂食嚥下障害、言語障害などを合併していることが多く、それらが相互に日常生活に影響を及ぼしている。

脳性麻庫 定義

脳性麻庫 定義

厚生労働省の定義によれば、脳性麻痺とは、「受胎から新生児期(生後4週間未満)の間に生じたのうの非進行性病変に基づく、永続的な、しかし変化しゆる運動及び姿勢の異常である。その症状は2歳までに出現する。進行性疾患や一過性運動障害または正常化するであろうと思われる運動発達遅滞は除外する。」とされている。
簡単に言うと、新生児期までの脳の障害によって起こる運動障害の総称である。
厳密には、後天性の脳性運動麻痺や遺伝子・染色体レベルの疾患を除外した狭義の定義である。
しかし、臨床的には、脳性麻痺という言葉は、これらの除外疾患まで含んだより包括的な解釈も持って使われている。生後1ヶ月移行に生じた急性脳症や溺水、窒息などによる低酸素脳症、外傷による脳損傷も含まれることになる。

梨状窩の形状と誤嚥

梨状窩の形状と誤嚥

梨状窩の幅が広いと、嚥下反射の遅れや嚥下後の咽頭残留があっても、梨状窩に食塊が貯留で
きるスペースがあるため、気道への流入を防ぐのに有利と言われています。

梨状窩の形状に個人差がある原因としては、一つは、生来の個体差が挙げられます。
咽喉頭粘膜、特に披裂部の腫脹が大きく影響していると思われます。

内視鏡で梨状窩の形状を観察することは,誤嚥の危険性を予測する上で有用であると言われています。

脳性麻痺 タイプ

脳性麻痺 タイプ

痙性脳性麻痺
・脳性麻痺患者の7~8割は痙性脳性麻痺。

・痙性両側麻痺:両脚とも罹患している場合をいう。臀部と脚部の筋肉が硬直して脚が内側に屈曲し膝部で交差するために歩行困難になることがある(鋏状脚)。

・痙性半側麻痺:身体の片側のみが影響を受け、しばしば脚よりも腕の症状が重いことがある。

・最も重症の脳性麻痺は、四肢と体幹が影響を受けている痙性四肢麻痺で、しばしば口や舌を司る筋肉にも障害される。

・痙性四肢麻痺を持つ子供は、精神遅延やその他の問題も現れる。


アテトーゼ型脳性麻痺
・脳性麻痺患者の10~20%はアテトーゼ型脳性麻痺。

・筋緊張の変動という特徴があり、動きの不制御を伴うことがある。

・座る、または歩くなど、身体の動きを制御することが困難となる。

・顔面および舌の筋肉にも影響が出ることがあり、その場合には吸引、嚥下、発話に障害が現れる。


運動失調性脳性麻痺
・脳性麻痺患者の5~10%は運動失調性脳性麻痺。

・身体のバランスや協調に影響が出る。

・歩調が不安定であり、字を書くなど、正確な協調を必要とする動きが困難となる


http://www.christopherreeve.org/site/c.niKTL3PMLtF/b.4636961/k.3611/33075246154063530202__Cerebral_Palsy.htmより参照

重症心身障害

重症心身障害

・重症心身障害とは、脳性麻痺などの脳障害が原因となり、重度の身体障害および重度の知的障害が重複している状態で、大島の分類の区分14に該当します。

大島の分類

・脳障害の発生時期は受胎から18歳までと規定されています。

・重症心身障害児(者)においては、全身いたるところに合併症がみられやすいと言われています。

・呼吸器疾患は最も多い合併症で、肺炎が大半を占めています。

・神経疾患ではてんかんが多く、消化器疾患ではイレウスや胃食道逆流症が主体です。

・全身性疾患ではインフルエンザ・水痘などの感染症が多い。

・泌尿器疾患では尿路結石や尿路感染症が多い。




ニコチン置換(代替)療法

ニコチン置換(代替)療法

禁煙と同時に使用を開始し、ニコチン製剤を使用したら喫煙しないよう注意します。

ニコチンガムを使用する場合は、ガムをゆっくり噛む、頬と歯茎の間にしばらく置くなどの噛み方や、口腔粘膜からニコチンが吸収されることを指導することが必要です。

口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が妨げられるので、コーヒー、ジュース、炭酸飲料などはガムを使用する15分前くらいから噛んでいる最中は避けるように指導します。

2~3ヵ月でニコチンガムを中止できた後も、常に1個のガムを携帯しておくと安心感につながる利点があります。

ニコチンパッチには高用量、中用量、低用量の3製剤がある。用量の大きいパッチから開始する。

一般に高用量を4週間使用して、次に中用量を2週間、低用量を2週間と漸減していく。

再発しても繰り返し禁煙に挑戦するよう患者を励ますとともに、医師もあきらめないことが肝要です。

ニコチンガムの噛み方は下記を参考にして下さい。
http://www.nicorette-j.com/product/gum_use.html

禁煙を希望する患者を支援するストラテジー

禁煙を希望する患者を支援するストラテジー

Ask
毎回の診察時にすべての喫煙者をシステム的に識別する。
施設規模のシステムで実行し、すべての患者について、診察時ごと喫煙の状況を質問し記録すること。

Advise
すべての喫煙者に禁煙するよう強く説得する。
明確で、強く、各個人に応じた方法で、すべての喫煙者に禁煙するよう説得すること。

Assess
禁煙しようとする意志を確認する。
すべての喫煙者に対し、彼/彼女が今回(例、向こう30日以内)禁煙しようとする意志があるかどうか尋ねること。

Assist
患者の禁煙を助ける。
禁煙計画を立てて患者を援助すること;実践的カウンセリングを行うこと;治療の一部としての社会的支援を行うこと;治療以外の社会的支援を行うこと;治療以外の社会的支援を受けるよう患者を支援すること;特殊な状況を除き、認可されている薬物療法の使用を推奨すること;禁煙補助資料を与えること。

Arrange
フォローアップ・コンタクトを計画する。
直接会うか、電話によるフォローアップ・コンタクトを計画すること。

http://www.internationalcopd.org/documents/Japanese/JRSGuidelinesJapan.pdfより抜粋


ニコチン依存度をチェック FTNDは下記サイトで行えます。
http://www.iryo-search.com/diagnosis/ftnd.html

肺高血圧症と肺性心の評価 COPD

肺高血圧症と肺性心の評価 COPD

COPDなど換気障害を主とする呼吸器疾患では、平均肺動脈圧が20Torr以上を肺高血圧と判断します。

COPDにおける肺高血圧症は中等症までのことが多く、進行も緩徐ですが、COPDの増悪時や、運動負荷、睡眠呼吸障害等に伴い一時的に高度化します。

COPD 禁煙

COPD 禁煙

喫煙は気流制限を引き起こし肺機能低下を促進させるCOPDの主要な危険因子です。
禁煙により肺機能の低下速度が遅延することが示されています。
禁煙はCOPDの発症リスクを減らし、進行を止める唯一の最も効果的で最も費用対効果の高い介入法とされています。
喫煙はニコチン依存という薬物依存の一型とされています。
依存の判定にはfagerstromのニコチン依存度テストがよく用いられます。
臨床医による3分間の短い禁煙アドバイスをするだけでも、継続禁煙率が増加することが報告されています。
禁煙治療は行動科学的アプローチによる行動療法と、薬理学的アプローチによる薬物療法を組み合わせて行われます。

fagerstrom testは下記サイトで行えます。
http://www.iryo-search.com/diagnosis/ftnd.html

COPD 動脈血ガス分析

COPD 動脈血ガス分析

安静時室内気吸入でPaO2が60Torr以下は呼吸不全と診断され、PaCO2が45Torr以上の場合は二酸化炭素の蓄積ありと判断されます。

パルスオキシメータによるSpO2測定は連続的でかつ非侵襲的ですが、留意点を十分に理解しておくことが必要です。

SGRQ COPD QOL評価

SGRQ COPD QOL評価

SGRQ(St。 George’s Respiratory Questionnaire)は COPD における疾患特異的な健康関連 QOL 評価尺度として開発されました。
症状(咳、呼吸困難、喘鳴)やその症状による社会的影響、心理的影響の経時的変化が評価できるように構成されています。
医療介入による変化の描出能力に優れています。
質問票は 50 項目から成り、Symptom(症状)、Activity(活動)、Impact(衝撃)の 3 つのコンポーネントに分けてそのスコアが計算される。また、その 3 スコアを合計して総スコアを求める
ことが可能である。

• Symptom(症状):咳、痰、喘鳴、呼吸困難といった症状の頻度と程度
• Activity(活動):呼吸困難によって制限される日常生活あるいは呼吸困難を生じさせる日常生活の活動レベル
• Impact(衝撃):COPD により影響を受ける社会活動や心理的な障害など

各コンポーネントのスコアは、すべての項目の重みの合計に対する陽性回答の重みの合計の割合(%)で示されます。
各スコアは 0~100 の範囲で、「0」は障害がない状態、数値が大きいほど障害
が大きいことを示します。

COPD 運動負荷・呼吸筋機能・睡眠時検査

COPD 運動負荷・呼吸筋機能・睡眠時検査

運動負荷試験は重症度の評価、呼吸・循環系などの運動制限因子の解明、治療方針の決定や治療の効果判定、予後の評価において有用です。

COPDは、換気系が制限因子になっていることが多く、重症例では運動時低酸素血症、肺循環障害、酸素輸送能の低下などが加わります。

COPDでは吸気筋力、呼気筋力のいずれも低下しますが、吸気筋力の低下の程度のほうが強いです。

COPD患者では、覚醒時の酸素分圧(PaO2)低下に伴い、睡眠時に動脈血酸素飽和度の低下が著明となる傾向があります。

特にREM睡眠時には低酸素血症の程度が著しいことがあります。

COPD 呼吸機能検査

COPD 呼吸機能検査

COPDは気流制限(air- flow limitation)を有することが診断の必須条件となります。
そのため、スパイログラムによる閉塞性障害の検索が必要となります。
気管支拡張薬投与後における1秒率70%未満を閉塞性障害ありと判定します。
COPDのガス交換機能の低下は、CO肺拡散能(DLco)の減少として把握できます。


気管支拡張薬投与後における1秒率70%未満を閉塞性障害ありと判定します。
病期(重症度)分類には予測1秒量に対する実測1秒量の比率(%FEV1)を用います。

1秒率(FEV1%)=1秒量(FEV1)/ 努力性肺活量(FVC)×100%
%1秒量(%FEV1)=1秒量実測値/1秒量予測値×100%

COPDの気流制限は完全には可逆的ではありません。

その評価のため気管支拡張薬投与前後の肺機能検査が必要です。

薬剤投与量を一定にするため気管支拡張薬の定量吸入器を用い、可逆性の指標として1秒量(FEV1)を用います。

気管支拡張薬投与後の改善率(%変化率)は以下のように求めます。
%変化率=(拡張薬投与後の値-拡張薬投与前の値)/(拡張薬投与前の値)×100
FEV1が12%かつ200mL以上増加すれば可逆性ありと判定します。

健常者の1秒量の変動係数(coefficient of variation)は5%以内と報告されています。

1秒量の標準値は非喫煙健常者の次の回帰式を用いる。
男性 FEV1(L)= 0.036×身長(cm)- 0.028 × 年齢- 1.178
女性 FEV1(L)= 0.022×身長(cm)- 0.022 × 年齢- 0.005

肺気腫の視覚的評価法

肺気腫の視覚的評価法

左右それぞれ上・中・下肺野の計6部位について、
視覚的に各肺野の肺気腫病変の程度を5段階に分類します。

0点:肺気腫病変なし
1点:全肺野の25%未満
2点:全肺野の25%以上50%未満
3点:全肺野の50%以上75%未満
4点:全肺野の75%以上

各肺野の点数を合計(満点:24点)