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新版K式発達検査の数値・結果の解釈の仕方について

医学的診断のための補助的手段として、客観的数値を用いて発達を評価する場合や、療育手帳など数値を基準として等級の決定を行う行政的手段に使用される場合には、K式で算出される数値は発達指数(DQ)ですが、知能指数(IQ)と同等と考えられ、知能検査と同等の扱われ方をされます。

一方でK式の特徴として、数値以外の面での子どもの理解も重視とされています。

検査項目の合否だけでなく、その内容を吟味し、検査場面を通して子どもの認知能力・対人社会性・性格傾向などを把握し実際の家庭での様子を想定しながら検査の結果を解釈していくことが大切です。

また、疾患の有無や生育歴、親子関係、家庭環境などを含めた包括的なアセスメントを行い、発達状況の見立てだけでなく保護者の養育能力や環境などを考慮した相談・助言を行うことで、子どもの発達の援助の一助となるよう支援していくことが重要です。

新版K式検査の信頼性などのデータについて

新版K式検査の00か月から69歳までの年齢別の男女総合における全領域DQの平均は93.63108.36、標準偏差は8.8921.93です。また全領域の奇遇折半得点相関は0.6470.913、スピアマン・ブラウンの補正を施した奇遇折半信頼性係数は0.7860.955です。

妥当性に関して嶋津らは、「実際に妥当性を求める手順は単純ではない。とくに発達検査の場合には、その定義が同語反復になりかねない。K式の場合、各検査項目は通過率曲線という見地で選ばれており、妥当性は主としてこの手続きに依存している」としています。

通過率曲線とは、検査項目ごとに、生活年齢を横座標、通過率を縦座標とする点を記入し、折れ線でつないだグラフのことです。検査用紙上では、50%通過年齢の属する年齢級に各検査項目を配当しています。無作為選択の被検者集団において、生活年齢の平均値と発達年齢の平均値が一致するように検査を作成する方法は、妥当性に関連しているといえます。

また妥当性において、「問題は、検査項目が発達の広い側面を十分代表できるように網羅的に選ばれているかどうかに関係する」とあり、「臨床的使用経験を積み重ねることによって、足りない面を補うという方向で、今後とも努力するものと考えている」としています。

新版K式発達検査2001(K式)の適用年齢と対象として想定する疾患について

新版K式発達検査2001K式)の適用年齢

新生児から成人までを検査対象としていますが、実際にK式が使用されているのは、主として乳幼児です。検査用紙は全6枚のうち6歳半までで4枚を使用しており、就学前の時期に精度が高く設定されています。

1980年に公表された「新版K式発達検査」の後に公刊された「増補版(新版K式発達検査1983)」において対象年齢が1314歳まで拡張しましたが、この検査を利用してきた精神運動発達に問題のある子どもたちが成人になり、一貫した発達評価・理解の必要性から、2001年版の改訂の際にさらに拡張し、成人にも適用できる検査となりました。

新版K式発達検査2001K式)の対象として想定する疾患について

特殊疾患の診断用として作成されたものではなく、検査結果のみから疾患についての断定的な解釈はできません。

しかしながら、発達年齢(DA)と発達指数(DQ)が定量的に得られ、検査中の子どもの反応も含めた検査結果から、身体障害・知的障害・発達障害などの臨床的問題についての情報を得ることができます。

新版K 式発達検査2001(K 式)と関連するほかの検査との使い分け

発達の遅れが疑われる場合、子どもに直接施行する検査として、K式のほかに田中ビネーⅤ、ウェクスラー式検査(WPPSI‒Ⅲ、WISC‒Ⅳ)などがあります。
K式は発達検査であり、田中ビネーⅤ、ウェクスラー式検査は知能検査です。

発達検査では発達指数(DQ)が、知能検査では知能指数(intelligencequotientIQ)が算出されます。発達検査は、姿勢・運動面をはじめ、適応面、社会面などの行動発達のさまざまな側面を含む点で、知能検査との違いについて指摘されています。

またK式は検査用具や検査項目が子どもにとって馴染みのあるものが多く、施行順序も定められていません。

そのため、姿勢・運動面や情緒・社会面および言語面など発達的に未分化な乳幼児に対しては、子どもの状態や興味、理解に合わせて検査を実施できるK式が適当であると考えられます。

適用年齢は、田中ビネーⅤは2歳以上であり、WPPSI‒Ⅲは26か月以上、WISC‒Ⅳは5歳以上となっています。

K式は0歳から可能であるため、2歳未満の子どもにはK式を選択することになります。

一方でK式の姿勢・運動領域において36か月以上の項目は存在せず、第45葉(314歳)はビネー式の検査に共通している部分も多くあります。

そのため、314歳におけるK式の言語・社会領域の発達指数(DQ)と、ビネー式の知能指数(IQ)は類似した数値が得られる可能性が高いとの言及もあり、使用場所や目的、状況により検査を選択する必要があります。

新版K式発達検査2001(K式)の概要について

新版K式発達検査2001K式)は、乳幼児の発達の遅れや偏りなどを理解するために、保健、医療、福祉、教育など幅広い分野で利用されています。
市町村の保健センターや療育施設などの発達相談を行っている機関では、子どもの発達の評価や支援の手がかりを得るためにK式が用いられることが多いです。
低出生体重児に対しては発達のフォローアップのために病院などでもK式が施行されています。また、療育手帳の判定や就学相談などで利用される場合もあります。

新版K式発達検査2001K式)では子どもの全体的な発達の状況を捉えることができます。「姿勢・運動」、「認知・適応」、「言語・社会」の3つの領域からなっており、それぞれの領域と全領域の発達年齢(developmentalageDA)および発達指数(developmentalquotientDQ)が算出されます。

子どもの発達への知識と経験を前提とし、標準化された手続きと用具を用いたうえで、検査では子どもが緊張せずに課題に取り組めるような雰囲気を作り、子どもの日常的な反応を見ていきます。

0歳児では検査する際の施行順序が決まっていますが、1歳以上の子どもに行う検査項目の施行順序は特に定められていません。

被検者の生活年齢よりも下の年齢区分の容易な項目から始めたり、動作性の検査項目を適宜実施したりすることで、子どもが検査に興味をもち、注意が持続するように施行順序を工夫します。

検査用紙上の各行すべてについて、通過(+)する項目から不通過(-)の項目へ移行する領域を決定します。    

思春期の発達障害児の必要な支援について

小学校から中学校への生活の変化は大変大きく、中学入学後すぐに「課題が出ていないと高校に行けない」とプレッシャーをかけられます。
学習困難や集中の持続の困難を持ち合わせる発達障害児は、心身をすり減らして課題に向き合おうとするがなし得なかったり、「どうせできやしない」と無気力になったりします。
周囲が対応に困惑しがちな時期ですが、本人自身もかなり苦しんでいます。

このような時期は、周囲の大人が安定した態度で関わること、そして関わる大人が必要に応じて役割分担をして対応することが必要です。

   定的な自己像の確立に向けて

失敗体験を積み重ねてきた発達障害児は、思春期になると自分ができていない部分を過剰な程に意識したり、周囲の反応を被害的に捉えやすかったりします。周りがいろいろ助言しても、頑固さが著しく聞き入れにくい状態にあります。「普通」であることを欲し、「普通」でない自分を否定します。
中には、非行グループに自身の存在価値を見出す発達障害児もいます。

このように固定観念がより強まっている時期には、何とかいろいろな場所を体験させたり複数の大人が関わる中で、多様な価値観があって良いことを伝えていきたいところです。すなわち自分なりのやり方やペースがあって良いのである。

小中学校は、多様な子ども達に同じやり方を求めるのだから、個性的な発達障害児には大変苦しい時期です。しかし高校は、本人に合った居場所を選択することができます。その先の専門学校や大学、就職となると尚更自分の興味あることに打ち込みやすいです。
その先をイメージしながら、義務教育最後の3年間、何とか自分なりにやって行こうと思えるように関わっていくと良いでしょう。

また、課題やノート提出については、本人の負担が周囲の負担と同様ではないのであれば、「合理的配慮」を学校にお願いすることもできます。

合理的配慮の具体例は、文部科学省のHP等に示されています。
ノート提出をコピーで代用する、課題の量を調節する、タブレット学習を取り入れる、試験の時間を長くする等、さまざまな対応が可能です。国立特別支援教育総合研究所が運営している「インクルDB(インクルーシブ教育システム構築支援データベース)」2)というウェブサイトの中で、文部科学省の事業における合理的配慮の実_践例を検索することができます。

②親の関わり方への助言

思春期になると、親にできることは随分限られてきます。担任と本人の状態についてしっかりと共有し、理解ある対応をお願いすることくらいになるかもしれません。声のかけ方も、学童期よりもさらに工夫が必要になります。スマートフォンに束縛されての夜更かしやネット依存等、あまりに通常の生活から逸脱するようなことがあれば修正は必要ですが、親が言うことで激しい衝突を繰り返すのであれば、第三者に介入してもらうと良いでしょう。担任や部活の顧問、塾や習い事の先生、療育のスタッフ等、子どもと関わる大人がそれぞれ役割分担をして対応していけると良いです。

学童期の発達障害児の必要な支援について

学童期は、自由奔放に走り回ることのできた保育園生活から、急に集団で同じ行動を取ることを求められる小学校生活が始まり、子ども自身への負荷が強まっていく時期です。対人関係のトラブルも生じやすくなり、いじめの対象となったり不登校となってしまうこともあります。発達障害児の支援としては、担任はもちろん、必要に応じてスクールカウンセラーや特別支援コーディネーター等も活用しながら、子どもの状態について学校と共有し、適切な支援を求めていくことが必要です。

①自己効力感を育む

周囲と同じ行動が求められる学校生活の中では、発達障害児はどうしても失敗体験を重ねがちです。適度な失敗体験は、体験から学ぶことにつながるとも言えます。しかし、同じ失敗を繰り返し周囲から卑下されたり、失敗体験と成功体験のバランスが著しく悪かったりすると、被害的な捉え方が強まったり、攻撃的になったりすることもあれば、不登校になったり抑うつ的になったりと内へ籠もる形となることも少なくありません。このような子ども達は、「自己効力感」が低くなってしまします。

「自己効力感」とは、わかりやすく言えば「やったらできる」という感覚です。自己効力感が高い人は、さまざまな課題や困難に直面しても遂行しようと課題に向き合うことができます。一方、自己効力感の低い人は、目の前の課題を実際よりも困難に感じてしまい、「どうせ自分なんて…」と課題に向き合うことができません。

学童期は、このような失敗体験を繰り返しやすい発達障害児に、少しずつ自己効力感を育んでいきたい時期です。自己効力感を育むためには、「成功体験を積ませる」ことが最も大切です。それは大きな成功でなくても良いです。

例えば、小学4年生の算数に蹟きが生じ、やる気をなくしている子どもには、小学23年生の課題を与え達成感を持たせる。あるいは、計算問題が20問あるプリントにどうしても向き合えない子どもには、1枚に3問のプリントを複数枚やらせる。子どもにもプライドがあるので、実年齢より低い学年の課題ばかりでは、意欲が生じにくいかもしれない。そのような場合は、どこかにプライドをくすぐる材料も含めたい。例えば、算数は2学年下であっても、本人が好きな社会は少し先取りした知識を教える。歴史上の人物を使って漢字を練習します。好きなキャラクターを用いた教材を用意します。学習でなくても、運動や作業、家の手伝い等でも良い。何かを成し遂げる体験を何とか積ませていきたい時期です。薬物療法も、成功体験を増やす一つの大きなきっかけとなり得る。

②認められる場を作る

保護者に褒められること、認められることは子どもにとってもちろん大切ですが、学童期になってくるとその「価値」は少々下がり、集団で認められることを欲するようになります。

自分が所属する社会集団で認められていないと感じる発達障害児は、反抗的な態度が助長され、さらに認められなくなるという悪循環に陥りやすくなります。または、不登校となり家に籠もりがちな生活となります。

まずは担任に、本人についての理解を得ることは必須です。よく言われるように、「困った子」は「困っている子」なのです。

授業中立ち歩く子どもは、授業がわからなくて困っているかもしれないし、簡単すぎて持て余しているのかもしれません。また、一見周囲を困らせる発達障害児の特性は、違う側面から見ると長所として発揮できる場面もあります。

例えば、授業中につい反応して手も挙げずに発言してしまう子どもは、言い換えると頭の回転が良く、次々何かしら思いついてしまうのです。

このような子どもに、「A君が口をはさむので授業が進まなくて、みんな困っています。」と担任が言えば、A君はクラスメートから「迷惑をかける人」という認識を持ってしまいます。しかし、担任が「A君の発想はおもしろいね」でも、他の子も意見が言いたいから、何か言いたいときには5秒数えて待ってみて」と言うと、A君のポジションは「おもしろい人」になります。

そうは言っても、大勢の子ども達を相手にする学級の中では、うまく行かないことはしばしばあります。そのような場合は、本人が認められる場を学校外に求めても良いと思われます。

本人が興味を持つ分野に関する習いごとでも良いし、放課後等デイサービスも利用しやすいです。そういう場では、本人と同じ興味を持つ同志に巡りやすいというメリットもあります。

 ③親の関わり方への助言

学童期は幼児期とはまた違う意味で育児に疲弊しがちな時期です。宿題や時間割等、親が声をかけなければならない場面が増えます。親の思い通りに動かない子どもに苛立ちも感じやすいです。

具体的な対応の一つ一つは、ペアレントトレーニングの手法等を参考にして頂くとして、もう一つ大切なことは、今その子どもがどのような時期に差し掛かっているのかを客観的に保護者に伝え、保護者自身に見通しを持たせることです。

学童期も中盤に差し掛かってくれば親の言う通りに動かなくて当然であり、子どもを親の所有物ではなく、意思を持った個として認めていかなければいけません。大人の言うことに従順に従う子どもが問題がないかと言えばそうではありません。

この子の得意なところは何なのか、課題は何なのかを冷静に見極めることが大切です。発達障害特性に基づいた対応(声かけよりも視覚的支援見通しを持たせる等)を取り入れると良いでしょう。

ついついできていないところばかりに注目し、否定的な声掛けが増えがちな時期ですが、否定のオンパレードにならないように、保護者にも忍耐が必要です。

注意すること、叱ることが必要な場面もありますが、子どもを認める・評価する関わりも十分持つようにします。そのバランスが大切です。

乳幼児期の発達障害児の必要な支援について

乳幼児期は、人間の基盤を形成する上で非常に大切な時期です。この世の法則が何もわからないままに生まれてきた赤ん坊は、泣くことで不安や空腹不快感を訴えます。泣けば養育者が現れ、抱き上げてもらえる、あるいは空腹を満たしてもらえる等、問題が解決されます。つまり、「泣く」ことは最初のコミュニケーションであり、それが問題解決につながることで、人と人との相互関係の基盤が築かれていくことになります。

母親の方も、子どもの中に情緒的な応答を見出したときに、育児の疲弊が吹き飛ぶような喜びを感じるものです。こうして相互的なコミュニケーションはさらに発展していきます。

一方、自閉スペクトラム症(AutismSpectrumDisorderASD)児では、泣かない赤ん坊であったり、泣き止まそうと抱き上げたり授乳したりしても泣き止んでくれません。視線も合いにくく、応答性が乏しくなります。母親よりもテレビ画面や回転するものに没頭します。自閉スペクトラム症児では情緒的な応答性が乏しく、養育者は子どもとのコミュニケーションの取り方に戸惑い、相互的なコミュニケーションが発展しにくくなります。

つまり、「言葉の遅れ」は、本人が生来持つ言語能力の問題に加え、このような環境的因子にも影響し、負の連鎖を生じているということになります。

このような負の連鎖への介入として、乳幼児期に必要な支援の1つは、「子どもとの関わり方」のサポートです。

人に興味を持ちにくい子どもにどのように関わって行くか、子どもにどのように人との関わり方を体験させていくかについて、発達障害特性を踏まえ対応を考えていくことが大切です。

①物よりも人に興味を向けさせる
子どもが好む要素を用いて、こちらに興味を持たせたり、相互的な応答につなげることを目指します。まず、好きな刺激は何かを考えます。くすぐられること、ゆらゆら揺らされること、回転すること・もの、ジャンプすること等子どもそれぞれの嗜好があります。好きなキャラクターやジャンルも使えます。それを用いて、保護者との双方向的なやり取りを目指します。

34歳以上になれば一緒に作業をするのも良いです。作業の中には、言語的・非言語的コミュニケーションを多く含んでいます。一緒にジャガイモやにんじんを洗って食事の用意をしても良いし、掃除や庭仕事でも良いでしょう。

②声かけには視覚刺激も併用する
「お出かけするよ」と声をかけても、今やっている遊びをやめられないということはよくあります。多くの子どもは聴覚よりも視覚優位です。また、聴覚優位であっても、言葉のみでは幼い子どもはイメージを持ちにくいです。

例えば「お出かけするよ」という言葉をかけながら靴や帽子を見せた方が、子どもはその気になりやすいくなります。行き先の画像をスマートフォンで見せるのも良いでしょう。視覚刺激を有効に使ことが大切です。

③集団で過ごす体験を積む
子どもにとって発達促進的なものは、やはり同年代の子どもからの刺激です。「発達がゆっくりだから」と躊躇せずに、園の理解や協力を得ながら集団生活を体験させていきたいところです。集団生活とは言っても、最初から同年代の子どもと遊べなくても良く、まずは「集団(小集団でも良い)の場で過ごす」ことを目標とします。

その時には、初めから周囲と同じ事ができていなくても良いです。まずはその場にいられることを目標にしましょう。
遊びに関しても同様です。まずは他児のいる中で自分のしたい遊びで遊ぶ、次に大人を介して子どもと一緒に遊ぶ、最後に子ども同士で遊ぶことを目指して行きます。

また、療育的対応が可能な児童発達支援事業所を紹介するのも良いでしょう。専門医療機関の診察は数か月に1度であり、療育スタッフが育児に困惑する母親の日々の支えとなってくれることも多いです。

④人を頼る
「自立させること」が重視されがちですが、「うまく人を頼る能力」も生きていく上では大切です。「手伝って」と言える子どもであれば良いですが、それは容易ではないこともよくあります。
最終的には言葉で伝えられるのが目標ではありますが、段階的にまずは視線で訴える、次にとんとんと背中を叩く等、本人なりのヘルプのサインの出し方を習得できると良いでしょう。


機能的口腔ケアの訓練法について言語聴覚士が解説

機能的口腔ケアは、摂食嚥下リハビリテーションの間接訓練(食物を用いずに行う訓練)に相当します。口腔ケア時に行えるものとして、口腔周囲のマッサージや口唇・舌・頬の運動訓練などがあります。

間接訓練には、自分の力で動かして運動する方法(自動運動)と、自分では行わず介助者が行う方法(他動運動)があり、患者の状態に合わせて選択します。
これらの訓練内容をふだんの口腔ケアのなかに組み込むことで、口腔ケアの効果をさらに高めることができます。

今回は主に、口唇・舌・頬の運動訓練を紹介していきたいと思います。

口唇・舌・頬の運動訓練

口唇・舌・頬の運動訓練は、口腔器官の筋力・拘縮・感覚などの低下を予防し、主に食べ物を咀嚼し飲み込みやすい食塊(飲み込みに適した1つのかたまり)にする(準備期)、舌によって咽頭へ送り込む(口腔期)という2つの機能向上を目的として行われます。

1.      口唇の運動訓練
他動運動の場合、第1指と第2指で上唇を軽くつまんで伸ばす、収縮と伸展運動を繰り返します。下唇に対しても同じように行います。指示に従える場合は、同様の動きを自動運動として行ってもらいます。

2.      舌の運動訓練
他動運動の場合、まずは湿ったガーゼで舌の前方を包むようにしっかりと保持し、前方、上方、左右の側方への運動を行います。自動運動ができる場合は、舌を突き出す、挙上する、左右への側方運動を行ってもらいます。
視覚的フィードバックができる場合は、鏡などを用いて動きを見てもらいながら行うと効果的です。
また、抵抗運動が可能ならば、ブラシの背などを使って負荷をかけて行うのもよいでしょう。

3.      頬の運動訓練
頬全体は手のひらで円を描くように、ゆっくりとストレッチをかけながらマッサージを行います。ガーゼを巻いた指や歯ブラシの背、スポンジブラシやくるリーナブラシなどを用いて、内側から頬の筋肉を伸ばす運動を行います。

4.      運動訓練前後の注意点
これらの運動は、口腔内が乾燥している状態で行うと痛みをともなったり、口腔内の粘膜を傷つけたりするため、口腔内が湿潤していることを確認して行います。
乾燥している場合は、保湿剤などを塗ってから行うとよいでしょう。
また、口腔ケア後は、口腔内への刺激や口腔内が湿潤することによって嚥下反射が誘発されやすくなるため、空嚥下を促す嚥下運動を取り入れるのも1つの方法です。

協調運動訓練

可能であれば口腔ケアはできることは自分でやってもらうことも大切です。
歯ブラシを自分で持ってブラッシングを行うことは、肩から指先までの力加減や協調運動となり、食べるための動作のリハビリにもつながっていきます。
また、ブクブクうがいは、水を口腔内にためてうがいをするために、口唇・舌・頬の運動が必要です。唇の力が不十分だと口から水が流れ出たり、ブクブクしたときに口唇の隙間から水が飛び出たりします。
ブクブクという動きができなければ頬の運動機能の低下、水を含んだだけでむせる場合は舌の運動機能や嚥下機能の低下が考えられます。
明らかに嚥下機能に問題がある場合には危ないため避けますが、意識がしっかりしており、指示動作ができて嚥下機能が保たれている場合、口唇・舌・頬の運動や一連のこれらの動きによる協調運動の訓練として、「口に水を入れる→口に水をためる→ブクブクする→強く吐き出す」とメリハリをつけて意識的に行ってもらうのもよいでしょう。



参考文献

日本摂食嚥下リハビリテーション学会医療検討委員会.訓練法のまとめ(2014 版).日本摂食リハビリテーション学会雑誌.181),201455-89.