スキップしてメイン コンテンツに移動

思春期の発達障害児の必要な支援について

小学校から中学校への生活の変化は大変大きく、中学入学後すぐに「課題が出ていないと高校に行けない」とプレッシャーをかけられます。
学習困難や集中の持続の困難を持ち合わせる発達障害児は、心身をすり減らして課題に向き合おうとするがなし得なかったり、「どうせできやしない」と無気力になったりします。
周囲が対応に困惑しがちな時期ですが、本人自身もかなり苦しんでいます。

このような時期は、周囲の大人が安定した態度で関わること、そして関わる大人が必要に応じて役割分担をして対応することが必要です。

①   定的な自己像の確立に向けて

失敗体験を積み重ねてきた発達障害児は、思春期になると自分ができていない部分を過剰な程に意識したり、周囲の反応を被害的に捉えやすかったりします。周りがいろいろ助言しても、頑固さが著しく聞き入れにくい状態にあります。「普通」であることを欲し、「普通」でない自分を否定します。
中には、非行グループに自身の存在価値を見出す発達障害児もいます。

このように固定観念がより強まっている時期には、何とかいろいろな場所を体験させたり複数の大人が関わる中で、多様な価値観があって良いことを伝えていきたいところです。すなわち自分なりのやり方やペースがあって良いのである。

小中学校は、多様な子ども達に同じやり方を求めるのだから、個性的な発達障害児には大変苦しい時期です。しかし高校は、本人に合った居場所を選択することができます。その先の専門学校や大学、就職となると尚更自分の興味あることに打ち込みやすいです。
その先をイメージしながら、義務教育最後の3年間、何とか自分なりにやって行こうと思えるように関わっていくと良いでしょう。

また、課題やノート提出については、本人の負担が周囲の負担と同様ではないのであれば、「合理的配慮」を学校にお願いすることもできます。

合理的配慮の具体例は、文部科学省のHP等に示されています。
ノート提出をコピーで代用する、課題の量を調節する、タブレット学習を取り入れる、試験の時間を長くする等、さまざまな対応が可能です。国立特別支援教育総合研究所が運営している「インクルDB(インクルーシブ教育システム構築支援データベース)」2)というウェブサイトの中で、文部科学省の事業における合理的配慮の実_践例を検索することができます。

②親の関わり方への助言

思春期になると、親にできることは随分限られてきます。担任と本人の状態についてしっかりと共有し、理解ある対応をお願いすることくらいになるかもしれません。声のかけ方も、学童期よりもさらに工夫が必要になります。スマートフォンに束縛されての夜更かしやネット依存等、あまりに通常の生活から逸脱するようなことがあれば修正は必要ですが、親が言うことで激しい衝突を繰り返すのであれば、第三者に介入してもらうと良いでしょう。担任や部活の顧問、塾や習い事の先生、療育のスタッフ等、子どもと関わる大人がそれぞれ役割分担をして対応していけると良いです。

コメント

このブログの人気の投稿

BBS TUG 10m歩行テスト

BBS(Berg Balance Scale) 特徴 各項目は、0~4点の5段階の56点満点。 評価項目はすべて日常生活関連動作から構成されている。 カットオフ値 46点以上 病棟内自立判定基準 36点以上 病棟内見守り判定基準 詳しい評価方法はこちら記事を参照して下さい↓ バランス機能評価(Berg Balance Scale/BBS) TUG(Timed Up to Go)テスト 方法 肘掛つきの椅子から立ち上がり、3m歩行し、方向転換後3m歩行して戻り、椅子に座る動作までの一連の流れを測定する。 カットオフ値 13.5秒:転倒予測 20秒:屋外外出可能 30秒以上:日常生活動作に要介助 詳しい評価方法はこちら記事を参照して下さい↓ タイムアップアンドゴーテスト TUG:Timed Up & Go Test 10m歩行テスト 方法 助走路(各3m)を含めた約16m(直線歩行路)を歩行し、定常歩行とみなせる10mの所要時間をストップウォッチにて計測する。 カットオフ 24.6秒:屋内歩行 11.6秒:屋外歩行 詳しい評価方法はこちら記事を参照して下さい↓ 10メートル歩行テスト(10MWT)

標準失語症検査(SLTA)

標準失語症検査(SLTA)とは 標準失語症検査(Standard Language Test of Aphasia :SLTA)は、日本で最もよく用いられている総合的な失語症検査です。 一般的には「SLTA」と呼ばれることが多いです。 開発者は、失語症研究会(現在は日本高次脳機能障害学会)です。 基礎的な研究は1965年に開始され、最終試案は失語症者200人・非失語症者150人のデータをもとに標準化されて、1975年に完成版が出版されました。 標準失語症検査(SLTA)の概要 目的 失語症状の詳細な把握と、失語症に対するリハビリテーション計画立案の指針を得ることを目的としています。 構成 「聴く」、「話す」、「読む」、「書く」、「計算」の5側面、計26項目の下位検査で構成されています。 所要時間 所要時間は失語症のタイプや重症度によりますが、60~120分程度です。場合によっては120分以上かかることもあります。 一定数の誤答が連続した場合や一定の得点に達していない場合には中止基準を設けて、被検者の心理的負担に配慮しています。 特徴 6段階評価 :大部分の検査項目において反応時間やヒント後の反応に基づく6段階評価が採用されており、症状を詳細に把握することができます。わずかな変化を知ることができ、この情報をリハビリテーションに生かすことができます。正誤2段階の評価に換算して大まかな成績を表示することもできます。 普及度の高さ :日本で最も一般的な失語症検査であり、多くの臨床家が本検査に精通しています。転院時にも他施設との情報共有がしやすく、本検査の反復使用によって経時的変化がわかります。 刺激の統一 :SLTAでは、できる限り同一の単語や文を刺激に用いています。被検者内でモダリティ間(「命令に従う」課題を口頭で聴覚呈示する場合と文字で視覚呈示する場合等)、漢字・仮名間(同じ「読解」課題で単語を漢字表記する場合と仮名表記の場合等)の成績比較をすることができます。 「話す」側面の充実 :動詞の表出をみる「動作説明」や4コマまんがを用いた「まんがの説明」等独創的な検査項目があります。 記録用紙 下段は項目ごとの6段階評価の結果の記入欄、上段は正答率(完全正答の段階6および不完全正答の段階5)を折れ...

柳原40点法

柳原40点法 ベル麻痺、 Hunt 症候群、一側性の脳血管障害などは、顔面の左右どちらか一方に症状が発生します。 麻痺側の動きを健側と比較し肉眼的に評価することは、 顔面神経麻痺の診断として最も簡便かつ重要です。 柳原 40 点法では麻痺の程度を肉眼的に評価するため、 顔面表情筋をいくつかの項目に分けて、各々の障害程度をスコア化し、最後に集計する方法で評価を行います。柳原 40 点法では顔面の表情 10 項の顔面運動に対し評価します。 明らかな左右差を認めない場合 4 点、減弱している場合 2 点、適度に低下している場合 0 点の 3 段階評価で採点し、合計点数を記録します。 40 点満点で 10 点以上を不全麻痺、 8 点以下を完全麻痺、あるいは 20 点以上を軽症、 18 ~ 10 点を中等症、 8 点以下を重症とする。 また、 36 点以上で中等度以上の病的共同運動のないものを治癒と判定しています。 http://imd-www.naist.jp/research/pdf/2011_nishida.pdf より参照。