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易疲労性(いひろうせい)とは

易疲労性(いひろうせい)とは 脳梗塞や脳出血などで脳が損傷されると、疲れやすくなる方が多いです。 その症状のことを易疲労性(いひろうせい)と言います。 なぜ脳が損傷される疲れやすくなかというと、脳の神経は、新しい行動を学習するときは活発に働きますが、いったん学習して、脳の中で神経回路ができてしまえば、最初のように活発でなくても省エネモードで行動を起こすことができるようになります。 脳梗塞や脳出血などで脳が損傷されてしまうと、その作り上げた回路が寸断されて、使えなくなってしまうのです。 そのため、以前は余力を残し8割の力でできたことが、全力以上の力を出さなくては、同じことができなくなってしまいます。 常に全力で頑張っていては、やはり疲れやすくなるのは当然のことです。 対応としては、疲労しすぎてしまう前に、早めに疲労のサインに気づいて、こまめに休憩をとったり、本人の好きなことを行いリフレッシュできるようにする等、工夫すると良いでしょう。

NIHSS

NIHSSとは NIHSSとは、脳卒中の重症度を評価するスケールです。 National institute of Health Storoke Scaleの略でNIHSSです。1989年ごろから臨床現場でよく用いられています。 脳梗塞の治療法の1つであるrt-PA静脈注射中は、1時間までは15分毎に、投与開始から7時間までは30分毎、24時間までは1時間毎にこのNIHSSを行うことが管理指針で定められています。 NIHSSの評価方法 NIHSSの評価方法は、1a~1cと(2)~(11)までの合計13の項目をチェックして点数を計算して行きます。 最高は42点で、点数が高いほど重症度が大きくなります。 1aは、意識水準です。0点が完全覚醒で、1点が簡単な刺激で覚醒する、2点が繰り返して刺激したり強い刺激で覚醒する、3点が強い刺激に対しても完全に無反応、となっています。 1bは、意識障害の評価です。今は何月ですか?あなたは今何歳ですか?といった質問に正確に答えられるかどうかをみます。 0点が両方正解、1点がどちらか片方のみ正解、2点が両方不正解となっています。 1cは意識障害の評価で、開眼閉眼の指示や手を握る開くの指示に従えるかどうかを見ます。 同じく2つともできれば0点、どちらか片方だけできれば1点、両方ともできなければ2点です。 (2)は、注視がどのくらいできるかです。 0点が正常、1が部分的注視麻痺、2点が完全注視麻痺です。 (3)は、視野を評価します。 0点が視野の欠損なし、1点が部分的半盲、2点が完全半盲、3点が両側性半盲です。 (4)は、顔面の麻痺のチェックです。 0点が正常、1点が軽度の麻痺、2点が部分的麻痺、3点が完全麻痺の4段階で判定します。 (5)は、上肢の運動で、座位で90度、仰臥位(仰向けに寝る)で45度の挙上ができるかどうかを見ます。 0点の45度を10秒保持可能、1点が45度を保持できるが10秒以内に下垂してしまう場合、2点が45度の挙上や保持ができない場合、3点が重力に抗して動かない場合、4点が全く動かないと5段階で判定します。 (6)は、下肢の運動で、仰臥位で下肢を30度挙上させます。 0点の30度を5秒間保持可能、1点が30度を保持できるが5秒以内に下垂してしまう...

嚥下障害スクリーニングテスト

嚥下障害スクリーニングテスト 嚥下スクリーニングテストは以下と通りです。 質問紙法 嚥下誘発テスト(swallowing provocation test:SPT) 水飲みテスト 反復唾液嚥下テスト(repetitive saliva swallowing test:RSST) 改訂水飲みテスト(modified water swallowing test:MWST) 反復唾液嚥下テスト RSST 反復唾液嚥下テスト:RSST は被検者の喉頭隆起および舌骨に第2指と第3指の指腹を軽くあて、随意的に空嚥下運動を繰り返させるもので、3回/30秒未満を異常とします。 改定水飲みテスト MWST 改訂水飲みテスト:MWST は冷水3mLを口腔前庭に注いで嚥下を命じ、可能なら追加して2回嚥下をさせます。 最大3回実施し、最も悪い嚥下活動を評価し、3点(嚥下あり、呼吸良好、むせるand/or湿性榎声)以下を異常とします。 いずれもベッドサイドにおいて短時間で行え、比較的安全性が高いです。 また、摂食の可否を判定するために、唾液や液体の嚥下評価のみでは不十分であるため、2001年には段階的フ一ドテスト(food test:FT)が考案され、少量の、難易度の異なる食材を直接嚥下させ、その時点における至適食材を判定する方法もよく用いられています。 最大3回実施し、最も悪い嚥下活動を評価し、3点(嚥下あり、呼吸変化はないが、むせあるいは湿性嗅声や口腔内残留を伴う)以下を異常とすることはMWSTと同様です。 MWSTとFTの判定のための観察項目は、嚥下の有無、呼吸変化の有無、むせの有無、湿性榎声の有無、追加嚥下の可否となっています。 注意点としては、FTでは約2割、MWSTでは4割以上で不顕性誤嚥を見落とす可能性があるため、これらの検査で異常がなかったからといって、摂食・嚥下に問題がないとは言い切れないことに注意が必要となります。

日本版modified Rankin Scale (mRS) 判定基準書

日本版modified Rankin Scale (mRS) 判定基準書 modified Rankin Scale まったく症候がない 症候はあっても明らかな障害はない: 日常の勤めや活動は行える 軽度の障害: 発症以前の活動がすべて行えるわけではないが、自分の身の 回りのことは介助なしに行える 中等度の障害: 何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える 中等度から重度の障害: 歩行や身体的要求には介助が必要である 重度の障害: 寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りを必要とする 死亡 食事・栄養 (N) 症候なし。 時にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活・日常生活に支障ない。 食物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。 食事・栄養摂取に何らかの介助を要する。 補助的な非経口的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする。 全面的に非経口的栄養摂取に依存している。 呼吸 (R) 症候なし。 肺活量の低下などの所見はあるが、社会生活・日常生活に支障ない。 呼吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。 呼吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの日常生活動作で息切れが生じる。 喀痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。 気管切開あるいは継続的な換気補助装置使用が必要。

誤嚥(ごえん)とは何か

誤嚥(ごえん)とは何か 誤嚥とは声門・声帯よりも下に食べ物や唾液、あるいは逆流したものなどが入ってしまう状態のことをいいます。 誤嚥した後に咳の反射が起こるものを顕性誤嚥といい、誤嚥してもムセが起こらないものを不顕性誤嚥といいます。 夜間就寝中などに唾液を誤嚥してしまうことをマイクロアスピレーション(micro aspiration)と呼びますが、これも不顕性誤嚥です。 不顕性誤嚥には、誤嚥してもムセが起こらないもの、夜間のうちに唾液を誤嚥してしまうものを含めて不顕性誤嚥と表現するので、注意が必要です。

脳卒中後の疼痛(痛み)

脳卒中後の疼痛について 脳卒中後の痛みは14~43%に生じるといわれています。 中枢性脳卒中後疼痛(Central post-stroke pain;CPSP)と肩手症候群(shoulder-hand syn- drome)がよく知られていますが、変形性関節症筋骨格系の痛みや疼痛性のスパズム、深部静脈血栓症等が原因であることもあります。 以上の症状が単独でみられることもあります、複数重なっていることもあります。 中枢性脳卒中後疼痛 中枢性脳卒中後疼痛では、疼痛が増強する因子として、運動70%、冷却48%、温暖22%、接触44%、情動19%、その他15%と報告されており、疼痛が減弱する因子としては、運動19%、冷却7%、温暖30%、安静37%との報告があります。 以上のことから個々において様々な病態を取り、対応の仕方も個々で異なると推測されます。 このように、中枢性脳卒中後疼痛は複雑な病態を呈する側面があります。 中枢性脳卒中後疼痛は、視床痛とよばれることが多いです。 視床に病変がある脳卒中において生じることが多いためですが、実際は、視床だけでなく、感覚野への求心路における障害、spino-thalamo-cortical tractsでの障害で生じ、CPSPとよぶようになっています。 CPSPは脳卒中発症後しばらくたってから生じ、数週間~数カ月後にみられることが多いと言われています。 痛みの範囲としては、脳卒中による障害の領域が主体ですが、ときに、その痛みの分布には差が出るともいわれています。 自発痛はburning 47~59%、 aching 30~41%との報告があります。 感覚障害は異常感覚だけでなく、感覚低下、痛覚過敏、低感覚刺激でも誘発されるallodynia等がみられます。 肩手症候群はCRPS(complex regional pain syndrome)type Iのひとつとされています。 肩手症候群 肩手症候群は、脳卒中患者の12.5~23%に生じ、重度な片麻痺における肩の痛みとともに、手の疼痛や腫脹、血管運動障害、関節拘縮上肢機能の低下を引き起こします。 肩手症候群の分類 肩手症候群の病期は、3期に分類されています。 第1期は、発症後0~3カ月間で、...

脳損傷後に起こる神経科学的変化

脳損傷後に起こる神経科学的変化  研究によると細胞は壊死(細胞のホメオスタシスと生存能力の比較的急速で、無秩序な消失)とアポトーシス(エネルギー依存性で遺伝的に制御されている、より遷延し秩序だった細胞破壊の過程)によって死滅することが示唆されています。  脳損傷の急性期の壊死においては、大量の神経伝達物質、特にグルタミン酸のような興奮性の神経伝達物質が放出されます。これらの神経伝達物質は神経細胞膜の受容体と結合し、シナプス後のイオンチャネルを活性化させます。特にイオン化した過剰な量のカルシウムがこのようにして、さらに細胞膜の電位により活性化されたチャネル通って、細胞内に入ることができ、細胞内のホスホリパーゼを活性化させます。このため、もし細胞内の酵素が除去可能な量を超えれば細胞膜を傷害あるいは破壊する可能性があるアラキドン酸の代謝とフリーラジカルの賛成が増加する結果となります。興奮性アミノ酸とフリーラジカルを含む細胞内の内容物の放出は隣接した細胞の傷害を惹起する炎症の誘因となる可能性があります。これらの過程は脳損傷後の後数分から数時間にわたって起こるでしょう。  対称的に、アポトーシスを経た神経細胞の変成は通常、周囲の細胞の傷害を引き起こしません。壊死は一般的に虚血領域の中心に起こるのに対し、アポトーシスはペナンブラ(penumbra)においてより多く見られる傾向があります。しかし、虚血障害の領域におけるこれらの過程には重複があります。壊死に陥った神経細胞からの中毒性化学物質の放出により他の細胞がアポトーシスになる場合があります。急性期以後の神経学的な変化は様々な神経伝達物質とその受容体の量と代謝の変化に関係しています。 *参考 リハビリテーションシークレット(メディカル・サイエンス・インターナショナル)

小脳症状とは?障害部位と症状を端的に解説!

小脳症状とは 小脳症状とは、言語障害(音量の不安定さ、音程の不安定さ、構音の不正確さ、リズム不正、爆発的発声explosive、緩徐、スラーslurred、断綴性scanningなど)、立位障害(バランス障害)、歩行障害(体幹動揺、歩幅が不安定かつスタンスが広い、ストライドの不安定さ、歩行リズムの不規則化など)などをさします。 古小脳が障害された場合 古小脳が障害された場合には前庭神経に関連した症状がみられる事が多く、姿勢障害、バランス障害、歩行障害、眼球運動障害、浮遊感がみられます。 急性障害である場合にはめまい、嘔吐、眼振などがみられます。 基本的に筋緊張は低下します。 旧小脳が障害された場合 旧小脳が障害された場合には深部覚の統合がうまくいかなくなるため、歩行障害、構音障害が生じます。 新小脳が障害された場合 新小脳が障害された場合には四肢機能の円滑さが障害されるため、測定障害、企図振戦、運動分解、運動の速度低下、速度の不安定さ、構音障害(小脳性言語と呼ばれる)、嚥下障害などが生じます。

脳卒中と膝装具

脳卒中と膝装具 脳卒中に対して単独で適応する事は少なく、短下肢装具と組み合わせて使用する場合があります。 起立歩行時に膝過伸展(反張膝)がみられる場合や不安定膝、膝屈曲拘縮時に適応となります。 反張膝に対しては軽度屈曲位(10~15。)に保持し対応します。 屈曲拘縮に対しては膝装具にダイヤルロック、ファンロック、ターンバックルを用いて矯正する場合もあります。 膝装具には、スウェーデン式、TKS、SK式、HRC膝装具などがあります。 反張膝、屈曲拘縮は下肢三頭筋やハムストリングスの痙縮の影響により歩行時に増強する場合が多いので金属支柱付き短下肢装具か長下肢装具で対応したほうが良いです。

脳卒中に対する長下肢装具

脳卒中に対する長下肢装具 長下肢装具は膝関節と足関節の二関節をコントロールし、麻痺による膝折れや反張膝、膝屈曲拘縮など、短下肢装具ではコントロールできない重度の下肢機能障害に対して用いられます。 片麻痺患者への長下肢装具処方の目的として、石神らは、①重度の弛緩性麻痺、②重度の深部感覚障害、③半側空間無視、④支持性の低下、⑤関節の変形・拘縮をあげ、代償機能のみでなく、促通効果や治療用装具としての重要性を述べています。 長下肢装具を必要とする症例は、装具の着脱や、立位・歩行時に介助を要する場合が多いため実用性は低いですが訓練用としての利用価値は大きいと思われます。 膝の安定性、支持性が増せば短下肢装具へ移行することを考慮しておきます。 近年は、発症後早期より長下肢装具を治療用装具として起立・歩行訓練に用いた報告も多くみられます。 膝角度は完全伸展位よりも軽度屈曲位(20°前後)にすると患肢のクリアーもよく、股関節に屈曲モーメントを与え、股伸展筋の促通にも効果的と言われています。 膝関節に屈曲拘縮がある症例に対しては、長下肢装具にターンバックルやダイヤルロックを付け、拘縮の矯正に用いる場合もあります。

脳卒中片麻痺と肩装具

脳卒中片麻痺と肩装具 脳卒中片麻痺においては、弛緩麻痺の場合は特に肩関節の亜脱臼を生じやすいと言われています。 また、麻痺により良肢位保持が困難なためにADLに支障が生じることがあります。 そこで一般的に用いられるのが三角巾です。 しかしこの三角巾ですが、実際に使用してみると意外に装着が難しく、装着の仕方にバラつきが生じ、装着する人により肢位が異なってしまう場合もあります。 そのような際には市販のアームスリングを用いると対応が統一でき良いです。 アームスリングの中にはワンタッチで固定でき、一度肢位を設定すればその後は常に同一肢位で上肢を保持することができるものがあります。

小脳半球症状と小脳虫部症状

小脳半球症状と小脳虫部症状 小脳半球症状 代表的なものは運動失調と呼ばれ、大脳の障害時のような手足の筋力低下や、感覚障害がないにもかかわらず、スピードや力加減がうまくいかないためにスムーズな動きをすることができず、日常生活動作が不器用になってしまう(測定異常、共同運動障害、反復拮抗運動不能、筋緊張低下、無力、企図振戦)。 これらは大脳の場合と異なり、例えば右の小脳半球の障害によって右の上下肢に障害が現れ、起立時や歩行時に障害側に倒れやすくなってします症状が現れる。 さらに発声筋の協調運動障害も起こるため、緩慢でリズムが悪く、とぎれとぎれで抑揚の不自然な発語になる(構音障害)。 その他、障害側を向いたときに顕著になる水平性眼振も特徴的である。 小脳虫部症状 体幹失調と呼ばれ、立位や座位などの姿勢保持が困難になり、歩くときに両足を開いて酔っ払いのようによろめきながら歩行する(開脚歩行)のが特徴となる。 その他、構音障害や頭部の振戦がみられる症状がある。

脳出血と高血圧

脳出血と高血圧 脳出血は脳の血管が破綻して、脳の中に出血を起こすことにより、半身の麻痺や言葉の障害などを起こす病気である。 脳出血の8割以上は高血圧が原因で、血圧が高いことにより脳の中の細い血管がもろくなり、脳出血が起こりやすくなる。 脳出血の発症を予防するためには、定期的に健康診断などを受けてもらい、高血圧がないかをチェックすることが大切である。 高血圧がある場合には、塩分制限・カロリー制限を中心とした食事療法や、有酸素運動を中心とした運動療法により、至適血圧を目指す必要がある。 最初から収縮期血圧が160~180mmHgを超える場合、多くの危険因子を合併している場合や、食事療法や運動療法で血圧管が不十分な場合には、降圧薬の内服を開始して至適血圧を目指すことになる。 至適血圧に管理することで、多くの脳出血を未然に防ぐことが可能となる。 至適血圧は下記を参照下さい

脳血管障害急性期の経口摂取開始基準

脳血管障害急性期の経口摂取開始基準 1.意識障害がJapan Coma Scaleで1桁である。 2.重篤な心肺合併症や消化器合併症がなく、全身状態が安定している。脱水・栄養障害については補正しておくことが望ましい。 3.脳血管障害の進行がない。 4.飲水試験(3mL)で嚥下反射を認める。 5.十分な咳(随意性または反射性)ができる。 6.著しい舌運動・咽頭運動の低下がない。 7.口腔内が清潔で湿潤している。

脳の可塑性

脳の可塑性 脳卒中後の機能回復で臨床的に重要なのはネットワークレベルでの可塑性です。 この可塑性は中枢神経の解剖学的および機能的再構築により生じ、中枢神経の機能を制御して障害や生理学的要求に応じて変化します。 脳可塑性には、①もともと存在していたが抑制されていた経路の顕在化(unmasking)、②残存する軸索から側芽形成をして新しいシナプスができる(sprouting)の2つがあげられ、将来的には、③移植(transplantation)により神経の損傷を改善することが可能かもしれません。 脳可塑性は神経回路の再構築により体部位に対応する感覚運動領域の再発現に関係している脳の再マップ化、あるいはニューロン可塑性として出現します。 短期間で発現する変化は機能的にはたらいていない経路の顕在化による機能回復であり、長期間を要する変化はシナプスの形、数、サイズ、タイプの変化を伴う神経再生や側芽によるプロセスです。 マップ可塑性に関して、活動、行動、技術獲得に応じて大脳皮質に体部位発現を引き起こすことが報告されており、ニューロン可塑性は、シナプス抑制が解除され、神経ネットワークのすみやかな変化を生じる際に認められます。 ヒトでの脳卒中後のネットワークの再構築は、病変の周囲はもちろん、病変と同側の大脳半球、あるいは病変と反対側の大脳半球でも起こります。 またリハ訓練により上肢の運動機能の改善とともに大脳皮質での神経ネットワークの再構築を生じます。

脳卒中後の神経機能回復機序

脳卒中後の神経機能回復機序 脳卒中により中枢神経に傷害を生じると、神経細胞や神経ネットワークに機能障害を生じます。 脳卒中急性期には神経細胞死を防止するための治療が重要であり、急性期治療の成否はその後の神経機能回復の重要な因子となります。 脳梗塞急性期において脳血流が低下すると、細胞死をもたらす高度虚血領域と、その周囲に細胞死には至らないが機能障害をもたらすペナンブラ領域が生じます。 ペナンブラ領域の神経細胞は、適切な時間内に再灌流させれば機能回復の可能性があり、急性期治療のターゲットとなります。 ペナンブラ領域の早期の再配流は脳卒中発症後にすみやかな機能回復を生じると考えられ、浮腫の軽減や神経保護的治療も細胞内レベルの神経機能回復を促進します。 また脳卒中によって傷害を受けた神経は再生しないといわれてきましたが、成人の中枢神経系にも神経新生がみられ、虚血損傷が幹細胞や前駆細胞の神経新生のトリガーとなり、穎粒細胞層あるいは損傷を受けた海馬CA1領域や線条体に移動し、神経結合の再構築を生じて機能回復をもたらす可能性も示唆されています。 また動物実験レベルですはありますが、幹細胞移植により炎症を抑制し、新脈管形成、再髄鞘化、軸索の可塑性を起こすことによりニューロンを新生することが示されており、内因性神経幹細胞が脳卒中後の新たな治療ターゲットになる可能性が示唆されています。

左半側空間無視のリハビリテーションを進める上でのポイント

左半側空間無視のリハビリテーションを進める上でのポイント ①左側にとらわれずに感情的交流を工夫する ②そのままでは見落としても10個の星印がありますと言えば見落とさない、多くの刺激だと見落とすが1つの刺激だと見落とさないなど、反応の仕方に注目して刺激提示を工夫開発する ③できることの能力評価を正確に行い結果の肯定的再評価に努める ④半側空間無視以外の行動特性を分析する ⑤本人の意欲や関心に結びつく課題を設定し、自己意識化行動の援助をする ⑥環境調整・人的資源の確保・言葉の提供など、いわゆる概念的補装具の開発を行う 消失する無視の回復期間の中央値は9週で、発症2~4週に残存する例では6ヵ月後の完全消失は13%であったという報告がある。

半側空間無視の病巣

半側空間無視の病巣 皮質領域の病巣では、中大脳動脈領域が一般的で、頭頂葉性(側頭・頭頂・後頭葉接合部、角回、縁上回)のものは、多彩な消去現象、視覚的イメージの左半分の無視(知覚的無視)、右側の刺激から離れることが困難、方向性運動低下などの特徴を持ち、病態失認、重度左片麻痺・感覚障害などを伴い予後不良のことが多いです。 後大脳動脈領域の病変では左同名半盲、地誌的失認などを伴うことがあります。 前大脳動脈領域の帯状回や補足運動野など前頭葉病変で生じることがあります。視覚スキャンや視覚定位における左側の運動性の無視、方向性運動低下などの特徴を持ち、予後良好なことが多く、motor impersistenceなどを伴いやすいです。 皮質下病巣では、前脈絡膜叢動脈領域の梗塞で生じることがあり、左片麻痺、感覚障害、記銘力障害などを伴い予後不良の場合もあります。 視床病巣でも生じることがあり一過性のことが多く、皮質下線維の障害などが考えられています。対側性の刺激に注意を固定できない、網様体による注意覚醒障害に伴う無視という特徴を持ちます。 線条体・内包・外包など穿通枝系の障害でも皮質関連線維の損傷により生じることが知られています。 特殊なものとして、テント下の中脳網様体賦活系の損傷や、脳梁損傷によって右手に半側空間無視が生じるといった報告もあります。 責任病巣が多岐に及んでいることが半側空間無視の特徴ともいえます。

小脳性認知情動症候群 (CCAS)

小脳性認知情動症候群 (CCAS) 小脳損傷による高次脳機能障害の先行研究では、右小脳半球損傷例の言語性学習障害や失語など、左小脳半球損傷例の視空間認知機能障害が報告されています。小脳虫部損傷では感情が不安定になるという報告もあります。これらの障害をまとめてSchmahmannらは小脳病変による遂行機能障害、言語障害、感情障害、空間認知障害の4症状を主症状とするCCASという病態概念を提唱しました。 障害の根拠として、脳血流検査やfMRI、PETを用いた研究から小脳機能と対側大脳半球との関係を示唆する報告が多く、また逆に、大脳半球錐体路の障害で対側小脳の血流低下や萎縮を示すcerebro-cerebellar diaschisisも良く知られています。 小脳と大脳皮質間の線維連絡の解剖学的基盤として、前頭前野の46野と淡蒼球内節、小脳虫部の線維連絡が明らかにされています。

慢性疼痛の病態と特徴

慢性疼痛の病態と特徴 ①長期間にわたる、頑固に繰り返される反復性の痛み ②局所よりも全身的な不定愁訴を生みやすい ③疼痛のために、筋緊張・血管攣縮などによる血行動態の障害が、さらに痛みを増強させる悪循環 ④自律神経、内分泌、免疫系のホメオスタシスに悪影響 ⑤不眠、全身倦怠感、気分の日内変動、意欲や集中力の低下などの症状を伴う痛み ⑥社会的活動性が制限され、人生、生活の質が損なわれる ⑦不眠、全身倦怠感、気分の日内変動、意欲や集中力の低下などの症状を伴う ⑧鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬物や、マッサージ、牽引、鍼灸などの理学療法でも改善しないことが多い ⑨慢性疼痛患者は他者から受容、共感されにくい ⑩良好な医師・患者関係が築きにくく、医療不信に陥る