【ワレンベルグ症候群】球麻痺によっておこる代表的な嚥下障害

【ワレンベルグ症候群】球麻痺によっておこる代表的な嚥下障害

球麻痺の代表的なワレンベルグ症候群は延髄外側症候群とも呼ばれ、後下小脳動脈や椎骨動脈の閉塞によって起こります。その原因疾患は脳梗塞だけではなく解離性椎骨動脈瘤などがあり、急性期の訓練は慎重に行うべきと言われています。
ワレンベルグ症候群の発症時の症状としては、発症時は急激なめまいと嘔気、嘔吐を訴え、嚥下障害、発声障害、小脳症状、同側顔面および反対側の四肢体幹の温痛覚消失(触覚が保たれるので感覚解離と呼ばれる)などの症状がみられます。
嚥下障害は2、3週間で急激に回復する例と何ヵ月も回復しない場合があります。 遷延例ではバルーン法による訓練が有効です。
ワレンベルグ症候群では嚥下機能に左右差が出ます。
一般に食塊は健側を通過することが多いですが、患側を通過する場合や急性期と慢性期で変化する場合のあることが判ってきました。
さらに口腔から下咽頭へ送り込まれる際に咽頭収縮の左右差(健側のみ収縮する)により患側へ送り込まれることがあり、これが病態をより複雑にしています。
これらの知見は訓練を計画する際に重要な情報となります。
嚥下造影(videofluoroscopic examination of swallowing:VF)や嚥下内視鏡(videoenndoscopic examination of swallowing :VE)検査で病態を把握して訓練を進める必要があります。
リハで回復しない場合は、手術が必要となります。