認知症・MCI・健常者の分類

認知症・MCI・健常者の分類



従来の認知症と健常者という二群ではなく、認知症、MCI および健常者の三群に分類する心理検査があらわれてきました。

2006 年に始まった国際的プロジェクト「アルツハイマー病神経画像戦略」(ADNI)では、MMSECDR、論理的記憶(Logical Memory)および高齢者用うつ尺度短縮版(GDS-S)の4 つの検査を組み合わせたテストバッテリーを使用して分類しています。

まず、高齢者用うつ尺度短縮版(GDS-S)6 点以上の者はうつ状態の可能性があるので分類の対象から除外します。

GDS-S 5 点以下のものについて、3 つの心理検査を行います。
MMSECDR、論理的記憶(Logical Memory)の3 つです。
論理的記憶というのはウェクスラー記憶検査法―改訂版(WMS-R)の中の遅延再生課題の一題目の課題です。

これら3 つの心理検査の得点によって、軽度アルツハイマー病、健忘型MCI 及び健常者に分類します。

MMSE CDR 論理的記憶の得点による軽度アルツハイマー病、健忘性MCI及び健常者の分類


健常者:24 30
健忘性MCI24 30
軽度アルツハイマー病20 26

CDR

健常者:0
健忘性MCI0.5
軽度アルツハイマー病0.5 点,1

論理的記憶(WMS-Rの中の遅延再生課題


教育年数16 年以上
健常者:9 点以上
健忘性MCI8 点以下
軽度アルツハイマー病8 点以下

教育年数8 15
健常者:5 点以上
健忘性MCI4 点以下
軽度アルツハイマー病4 点以下

教育年数0 7
健常者:3 点以上
健忘性MCI2 点以下
軽度アルツハイマー病2 点以下