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PACE 失語症訓練


PACE 失語症訓練

PACE(Promoting Aphasics Communicative Effectiveness)は、失語症言語訓練法の一つであり、1985年、DavisとWilcox(米)によって考案されました。

PACEの原則
①臨床家と患者はメッセージの受け手と送り手として対等な立場で情報伝達を行う。
②新しい情報の交換により治療関係が成立する。
③患者はメッセージの伝達手段を自由に選択できる。
④患者が伝達できたメッセージに基づき臨床家はフィードバックをする。

実施方法
具体的な実施方法は次の通りです。()はPACEの原則の適用部分を示しています。

・机上に伏せて積まれたカード(原則①)を治療者と患者が交互に引いて(原則③)相 手にその内容を伝える。

・伝達手段は、発語、書字、会話での自然なジェスチャー、パントマイム、表情、描画、ポインティングなど何を用いてもよく、その選択は患者に任される(原則②)。机 上には紙と鉛筆を常備する。

・カードの内容は患者の言語症状の特徴にあわせて調整する。線画の絵カードが主であるが、症例によって、文字カードや写真なども利用する。基本的には物品の絵カードから始め、動作絵、物語へと移行する。

・患者の伝達行為に対して、治療者は、必ず、何らかの応答を返す。もし、一回の伝達で情報が伝わらなければ、治療者は、自然な会話に近い形で、推測したり、質問したりして、次の伝達を促す。患者の伝達行為の厳密さや正確さを要求しない(原則④)。

PACEの評価
5 最初の施行でメッセージを伝えることができた。
4 情報の受け手(治療士)から、最初の施行では良くわからなかった旨伝えられ、2回目の施行でメッセージを伝えることができた。
3 治療士がいろいろな質問をしたり、ジェスチャー・書字などでの説明を求めたりした結果、メッセージを伝えることができた。
2 治療士が繰り返しを求めたり、いろいろな質問をした結果、メッセージの一部を伝えることができた。
1 いろいろな試みをしたが、メッセージが伝わらなかった。
U 評価不能

実施に関しての詳細
伝達手段の自由な選択に関して
・治療者は、患者が使用可能な伝達手段を、自分が情報の送り手となった時に、全て患者にモデル提示します。伝達手段を選択するのは、患者自身であり、治療者が指示したり、強制したりしてはいけません。
・患者が有効な伝達手段を使用できない時は、患者にとって適切と思われる伝達方法を模倣させるようにします。

治療者と患者の役割交代に関して
患者が情報の受け手となった場合は、患者が治療者に対し、質問や要求といった言語行為を経験する良いチャンスです。従って治療者は少しずつ、間合いを取って情報を伝達するよう心がけます。

伝達内容の充足性に対するフィードバックに関して
・患者の伝達内容が曖昧なときの、患者への質問や確認は、原則として患者と同じ伝達様式を用いるようにします。そして、その後、内容を推測して尋ね返します。内容の最終確認は発語が望ましいとされています。
・治療者が情報の送り手となった場合、患者が情報の内容を受け取ったかどうかは、患者の表情や、うなずきで判断します。
※読解、音読の保たれている患者には、文字を提示して最終確認を行います。
・情報を伝達できても、さらに正確さを求める患者に対しては、復唱や呼称を行ってもよいとされていますが、多くの時間を割かないようにします。
・治療者と患者が、互いの伝達方法に慣れて不十分な伝達でも内容を推測してしまわないよう、短時間、別の治療者と交代し、それを見学します。

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