頸部突出法

頸部突出法

下顎骨(舌骨)喉頭連結術(いわゆる棚橋法)術後患者において、下顎を前突させることにより連結された喉頭を前方に引き出し、食塊の送り込みに合わせて食道入口部を意図的に開く方法。本来中枢制御により行われる咽頭期嚥下の運動を随意的(意図的)に発動させ遂行させるものである。

主な対象者
棚橋法術後患者が対象であるが、一部の球麻痺患者の輪状咽頭嚥下障害に対しても有効なことがある。

具体的な方法
頸部を前屈した位置から、食塊の咽頭への送り込みのタイミングに合わせて顎を前方に突き出す。棚橋法の術後のように下顎と舌骨、甲状軟骨が手術でつながっていて、輪状咽頭筋が切断されている場合には、下顎の前方への動きで食道入口部が開き、食塊の通過が可能となる。ちょうど「鵜」がものを飲み込むときのようにみえるので、藤島は「鵜呑み法」とも呼んでいる。下顎の突出を促す方法として頬杖をつく方法もある。

注意点など
本法は基本的に棚橋法の術後に行う方法であるが、輪状咽頭筋切断術だけの場合も頸部突出はかなり有効である。
手術を受けていない症例では無効であるが、時にこの方法で食道入口部が開く場合がある。実施する場合は VF など
で評価して行うことを推奨する。



日本摂食・嚥下リハビリテーション学会より参照。




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