マイオフェイシャルリリース 筋膜の横断面リリース


マイオフェイシャルリリース 筋膜の横断面リリース

筋膜のつながりは頭尾側方向が優位ではあるが,横断面(腹背側方向)のつながりも重要である。特に,以下の5つのリリースは重要であり,これらの領域をリリースすることは,その周囲の垂直方向のストレスをリリースするためにも重要となる。


①骨盤隔膜リリース
一方の手を仙骨に当て,他方の手を骨盤上に置く。上下の手の距離が近づくようにリリースし,沈み込みや動きを感じたら逆らわずについていく。

②横隔膜リリース
一方の手の中指を剣状突起に合わせて手全体を下位の肋骨縁上に置く。他方の手を相対する位置で,遠位指節関節を棘突起に当てるように置いてリリースする。


③胸郭入ロリリース
一方の手は母指と示指を両鎖骨に添え,手掌全体を胸骨に置く。他方の手はC7・Tl・T2を被うように置く。鎖骨,胸骨,C1・2,第1・2肋骨などその周囲に付く筋群をリリースする。

④舌骨部リリース
一方の手は示指及び中指で舌骨を柔らかくつかむ。他方の手は中指の遠位指節関節がC7に当たるように棘突起に沿わせる。頚全体が,静かに伸びる感じになれば良い。

⑤後頭穎(こうとうえい)リリース
治療者の第2から4指の指先で環椎を支える。治療者の指腹から指先を支点として,頭部がベッドと平行になるようにバランスをとる。後頭下の組織が指先の圧力でリラックスし始めるに従い,患者の頭部が治療者の手掌の方に落下し始める。その間,治療者は指先をしっかりと立てて,腹側への圧を維持し続ける。最終的に組織がリラックスすると,環椎に対して後頭骨が背側へ滑ることで,環椎が浮き上がり頚部が伸張してくるような感覚が感じられる。引き続き,両側の指あるいは手掌全体で頭部を包み込んだまま,穏やかに頭側へ自然に伸張しても良い。これらにより,環椎後頭関節周囲の可動性を増すだけでなく,頸静脈孔周囲の組織をリリースすることで,舌咽神経や迷走神経,副神経などの機能を正常化し,副神経が支配する僧帽筋や胸鎖乳突筋の機能を改善する。なお,実施前に椎骨動脈テストなどのプレテストを実施するのが望ましい。





顎関節症の理学療法Ⅱ

竹井 仁

HiTosHi TAKEI, RPT, MS
School of Physical Therapy, Tokyo Metropolitan University of Health Sciences: 7-2-10 Hi,gashiogu, Arakawa-ku, Tokyo
I16-8551, Japan. +81-3-3819-1211
Rigakuryoho Kagaku 15(2): 49-54, 2000. Received Feb. 29, 2000.

より抜粋。
うーん勉強になります。









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