COPDの臨床所見

COPDの臨床所見

  • 患者の多くは喫煙者であり、労作性の呼吸困難と慢性の咳嗽、喀痰が主症状です。
  • COPDに典型的な身体所見は重症になるまで出現しないことが多いです。
  • 視診上、口すぼめ呼吸、ビア樽状の胸郭(barrel chest)と称される胸郭前後径の増大、時に胸郭の奇異性運動(Hoover's sign)を認めます。
  • 打診では肺の過膨脹のため鼓音を示し、触診では胸郭の拡張運動域が全体に減少します。
  • 聴診では、しばしば呼吸音が減弱し、呼気延長を認め、強制呼出時の喘鳴を認めることもあります。
  • 進行すると体重減少や食欲不振も問題となり予後不良の因子となります。
  • 高二酸化炭素血症を伴う場合、朝方の頭痛を訴えます。
  • 右心不全の悪化により呼吸困難がさらに増悪したり、全身のむくみや夜間の頻尿などが観察されますが、肺性心を伴う患者で急激に体重が増加する場合は、右心不全の悪化を考えます。
  • 心理的抑うつ状態や不安などの精神的な症状もみられることが多いです。

MRC息切れスケール

  • Grade 0 息切れを感じない
  • Grade 1 強い労作で息切れを感じる
  • Grade 2 平地を急ぎ足で移動する、または緩やかな坂を歩いて登るときに息切れを感じる
  • Grade 3 平地歩行でも同年齢の人より歩くのが遅い、または自分のペースで平地歩行していても息継ぎのため休む
  • Grade 4 約100ヤード(91.4m)歩行したあと息継ぎのため休む、または数分間、平地歩行したあと息継ぎのため休む
  • Grade 5 息切れがひどくて外出ができない、または衣服の着脱でも息切れがする