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全失語の症状

全失語の症状

全失語は、言語の表出、理解および復唱が同程度に重度に障害された状態です。
発話はまったくみられず無言の状態であるか、強く働きかけたときにみられる意味不明の発話(発声)であることが多いです。
ときに、子音―母音(CV)からなる1種類の音節の繰り返し、または数音節の繰り返しからなる無意味再帰性発話を示す例などがあります。
このようなCV再帰性発話はプロソデイーをもって続けて流暢に発せられ、相手とあたかも会話をかわしているようにみえる場合があります。
実在語の再帰性発話を発する場合もありますが、その頻度はブローカ失語より少ないでうす。
理解障害は重度ですが、急性期の全失語から理解障害が回復してブローカ失語に移行することはしばしばあります。
症例および診察時期によつては、どちらとすべきか迷うことが少なくありませんが、単語レベルで明らかな理解障害がある時、全失語とするのが適当と考えられています。
全失語の患者は、言語性の応答が不可能であるばかりでなく、指示に従って行為を行うことが難しい場合が少なくありません。
このような場合、「はい」、「いいえ」で答える問題を、「頷く」―「首を振る」のような動作で行うと、「あなたは○○さんですか」のような質問に正答できることを見いだせる場合があります。
復唱も重度に障害されていますが、数音節程度の復唱は可能な場合があり、また復唱が他の側面よりは回復してくる場合もあります。
全失語は、その診断時期や基準によっても異なりますが、予後が悪いとする報告と、発話、理解のいずれかまたは両者の改善により他の失語型に移行するという報告があります。
一般的には理解障害が改善しやすく、ブロー力失語に移行することが多いと考えられていますが、ウェルニッケ失語に移行する場合も報告されています。

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