補足運動野を含む前頭葉内側面損傷における超皮質性運動失語の特徴

補足運動野を含む前頭葉内側面損傷における超皮質性運動失語の特徴

補足運動野を含む前頭葉内側面損傷の超皮質性運動失語は、左前大脳動脈領域の脳梗塞として起こることが多いと言われています。
発症初期の無言に続いて小声の発話がみられるようになりますが、発話は乏しく、努力性で時間がかかります。
失語症を特徴づける錯語、呼称障害、失文法、理解障害などの症状は目立たないと言われています。
書字能力は限られていますが、読みにおいては障害が目立たない場合も少なくありません。
補足運動野に限局した小病巣では、発話の開始にほぼ限られた障害を引き起こしますが、予後は比較的良好と言われています。
左前大脳動脈領域の脳梗塞では、下肢に強い片麻痺が特徴的であり、上肢では近位の麻痺がより明らかであり、右手に把握反射がみられます。また、失禁を伴うこともあります。
脳梁損傷の範囲が広いと、左手の失行、失書をはじめとする脳梁離断症状も加わると言われています。