ブローカ失語の病巣

ブローカ失語の病巣

典型的ブローカ失語は、Broca領域 (下前頭回の弁蓋部と三角部)と中心前回下部を含む前頭葉、島前部、側頭葉前部、頭頂葉の一部の皮質と皮質下および側脳室周囲の白質を含む深部病変で起こると言われています。また、ブローカ失語は左中大脳動脈の上半領域の脳梗塞で起こるといわれています。 このような、広範囲の病巣例は、発症当初は全失語の病像を呈し、その後回復して持続性のブローカ失語に移行することが多いといいます。
ブローカ失語の重要な構成要因である非流暢性については、下部ローランド領域 (中心前回、中心後回)皮質および皮質下病変が持続性の非流暢性と関係するとする報告や、側脳室前角外側の白質と側脳室体部外側の自質の両者が損傷された場合に重度の非流暢性を生じるとする報告があります。
被殻出血の場合、出血が前方に伸展して前頭葉白質を広範に損傷する場合にブローカ失語が起こりますが、その頻度は必ずしも高くないようです。
↑Broca領域 シルビウス溝上行枝より三角部、後ろを弁蓋部と言います。