純粋失読の症状

純粋失読の症状

純粋失読は、重度の読み(音読と理解の両方)の障害を示しますが、対照的に書字能力はかなり良好に保たれていのが特徴です。
日本語では、個々の文字の読みに障害がみられ、単語や文章でより障害が目立つ特徴があります。
漢字と仮名の読みは同程度に障害されるのが一般的ですが、仮名の読みの障害が目立つ場合もあります。
読めない文字でも、字画をなぞることによって読めることが多く、「なぞり読み」と呼ばれています。
純粋失読は視覚入力における読みの障害であり、この様な運動覚性促通が可能です。
自発的になぞり読みができない場合でも、検者が患者の手を持って筆順に従って動かすと読める場合が少なくありません。
また、閉眼させて手のひらに書いた文字を読める現象もみられます。
なお、数字の読みは比較的良いと言われています。
書字は良好であり、書取りや自発書字が可能ですが、いったん書き終えると自分の字であっても読めません。
日本語では、仮名書字は保たれていますが、漢字の書字は必ずしも良好とはいえず、難しい漢字の想起困難を示す場合があります。
写字は、自発書字や書取りと比べて困難となる点が特徴です。
発症初期の失読が明らかな時期においては、文字を図形を模写するように一画ずつ書き写す傾向があり、漢字で目立ちます。また、写字は右手で行う方がより困難であり、左手では良好という解離を示す場合があります。