筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型認知症の合併

筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型認知症の合併について


筋萎縮性側索硬化症(amyotrophiclateralsclerosis:ALS)と認知症との合併は近年広く認知されています。

筋萎縮性側索硬化患者は、症前頭側頭葉変性症(frontotemporallobardegeneration:FTLD)、とくに前頭側頭型認知症(frontotemporaldementia:FTD)との合併が典型像であると理解されています。

前頭側頭型認知症は人格行動障害で特徴づけられていますが、発動性低下は前頭葉穹窿部、脱抑制は前頭葉下面や側頭葉の障害との関連が指摘されています。

筋萎縮性側索硬化症と症前頭側頭葉変性症の合併では、書字障害が起こると言われています。前頭側頭型認知症の病型と同様、書字障害の特徴も主要変性部位を反映しているものと言われています。この関係の延長線上に進行性非流暢性失語や意味性認知症があるものと言われています。

また、筋萎縮性側索硬化症と症前頭側頭葉変性症の合併では、病識欠如があると言われています。

2008年に報告されたFTLD-modifiedCDRは、従来のCDRに人格行動障害や言語に関する項目が追加されたもので、FTLDの重症度評価や経過観察に有用であると報告されていて、SPECTにおける前頭側頭葉の取り込み低下と有意な相関があることが示されています。