失語症の訓練のエビデンス

失語症の訓練のエビデンス

誰が訓練を行うかについては必ずしも専門家(言語聴覚士:ST)である必要はないという報告が多いです。
訓練方法を訓練された非専門家であれば、言語聴覚士同様の訓練効果を提供できるといわれています。
ST資源不足な現状にとって重要な事実です。在宅生活も踏まえ家族指導の重要性もわかります。

発症早期からの訓練の有効性については肯定的な意見が多いです。
BhogalやRobeyの報告を基にIntercollegiate Stroke Wbrking PartyのNational Clinical Guidelines for Stroke2004では週に2~8時間を推奨しています。
訓練をいつまで続けるかという点については実際には人的資源の問題や、病院・地域・家族等訓練を行う場所によっても意見は分かれるところですが、長期にわたり訓練効果があるとする報告は多いです。
特にCI言語療法やコンピュータを用いた補助的訓練は慢性期失語症に対する治療効果を認めており、少なくとも長期にわたり専門的なフォローアップが重要であることは間違いないと思われます。
長期的な視野でみた際に最終的にはコミュニティーベースの訓練、ホームリハが中心になると考えられます。訓練を受けた非専門家でも同様の結果を示していることからも支持されるように、集団訓練含めたコミュニティーベースの訓練や家族介護者指導は積極的に検討すべきです。
家族指導については、患者の会話能力向上を認めており、失語症訓練の補助として有用です。

具体的な訓練手法についてはさまざまな脳卒中リハのガイドラインでも明確には述べられていない場合が多く、ゴールデンスタンダードがないのが現状です。しかし慢性期失語症に対するアプローチでも訓練の有効性を示されています。

一般的に行われている手法としては、「直接刺激法」「刺激促通法」、「機能再編成法」「PACE」などがあります。


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