肺拡散能検査

肺拡散能検査


空気中の酸素は換気によって肺胞に到達し、酸素分圧較差に従って拡散により肺毛細血管内に移動し、赤血球中のヘモグロビンに結合します。
肺拡散能は、肺胞腔内から肺毛細血管内への酸素取り込み能力の指標です。
測定方法としては、酸素のかわりに一酸化炭素(CO)拡散能力であるDLcoを測定する方法(Fosterの一回呼吸法)が広く用いられています。
肺拡散能検査にはCO分析器やヘリウム濃度分析が必要であり、通常のスパイロメトリーのみでは測定することはできません。

肺拡散能の規定因子としては、肺胞毛細管膜の障害、肺胞ガス交換面積、肺毛細血管血流量、血液中ヘモグロビン濃度が挙げられます。
間質性肺炎や放射線肺臓炎などはDLcoが低下する代表的疾患です。
進行した肺気腫では肺胞ガス交換面積の低下に伴いDLcoが低下しますが、特に肺胞気量(VA)との比DLco/VAが著明に低下します。
肺塞栓や肺高血圧症でも毛細血管血流量低下によりDLcoが低値となります。
VAは残気量と吸気量から求めるため、ガス希釈法による機能的残気量(FRC)測定を組み合わせて行います。