嚥下障害に対する外科的治療

嚥下障害に対する外科的治療

嚥下障害に対しては種々の外科治療法がありますが、いずれも患者に侵襲を与えるため、手術以前に十分なリハビリテーションを行っても改善がないことを確認し、また手術に伴うリスクと予想し得る結果を十分に説明した上で慎重に手術適応を決定するようにします。

術式を選択する際には、誤嚥の有無、輪状咽頭筋弛緩不全の有無、音声機能を残存するか否かがポイントとなります。

誤嚥がなく輪状咽頭筋弛緩不全がある場合は輪状咽頭筋切除術を、誤嚥があり輪状咽頭筋の弛緩不全がなく音声機能を残存させたい場合は喉頭挙上術を、誤嚥と輪状咽頭筋の弛緩不全があり音声機能を残存させたい場合は輪状咽頭筋切除術と喉頭挙上術を、誤嚥が重度で音声機能を犠牲にせざるを得ない場合は喉頭摘出術または喉頭気管分離術を選択します。

喉頭摘出術または喉頭気管分離術を行った場合は、基本的には誤嚥のリスクはなくなりが、音声と引き換えになるため、患者と家族が十分に納得してから手術を実施する必要があります。

その他の嚥下機能の改善を目的とした手術は、喉頭挙上を改善したり嚥下圧を高めたり、嚥下時の抵抗を改善しクリアランスを高めることができるため、何らかの嚥下機能の改善につながることが多いのですが、手術後も誤嚥のリスクは残存するため、術後の間接訓練、直接訓練の継続が重要となります。