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ラベル(4.基礎訓練および摂食訓練)が付いた投稿を表示しています

K-point 刺激

K-point 刺激 嚥下 偽性(仮性)球麻痺患者に対して嚥下反射を誘発したり、開口を促したりすることができる。 主な対象者 重症偽性球麻痺(仮性球麻痺)で食塊を口に入れても嚥下が誘発されない場合。咬反射のために開口不可で食塊を口に入れることができない、口腔ケアができない場合。 具体的な方法 嚥下を誘発する場合は、図のK-point(★印)を湿らせた綿棒や凍らせた綿棒(アイスマッサージ棒)、スプーンや舌圧子で軽く刺激(さわる程度)する。有効な場合は、咀嚼様運動に続いて嚥下(空嚥下)が誘発される。食品を口に入れても嚥下してくれない患者の場合は丸飲みしてもよい食品を口に入れた後に K-point 刺激をすると、引き続いて嚥下が起こる。咬反射のために開口してくれない場合、Kpoint 刺激をしている間は開口が促されるために、口腔ケアができる。 注意点 左右差がある場合は、有効なほうを刺激する。刺激により粘膜を傷つけないようにする。 日本摂食・ 嚥下 リハビリテーション学会 より参照。

メンデルソン手技

メンデルソン手技( Mendelsohn* maneuver ) 意義 舌骨喉頭挙上の運動範囲の拡大と、挙上持続時間の延長を目的とする。メンデルソン手技を用いた場合に残留と誤 嚥が減少したと報告され、代償法として有用と考えられる。また、メンデルソン手技を用いて訓練した後に嚥下機能 が改善し、持続効果もあるという報告があり、リハビリテーション機能訓練としても有用であると考えられる。 主な対象者 機能的原因(特に球麻痺)、器質的原因。舌骨喉頭挙上不全、咽頭収縮不全等により咽頭残留があり、誤嚥する危 険性がある場合。 具体的な方法 舌骨喉頭挙上( hyolaryngeal elevation )と咽頭収縮( pharyngeal contraction )がピークに達した時点で嚥下を一時 停止するように指示し(嚥下したとき、のどぼとけが最も高い位置に保つように指示する)、この状態を数秒間保っ た後、力を抜いて嚥下前の状態に戻すように指示する。はじめは訓練者が手を添えて喉頭挙上を介助するのもよい。 表面筋電図( surface electromyography )を用いたバイオフィードバックを利用することもできる。 注意点など メンデルソン手技の欠点は、患者にやり方を指導するのが難しいというということである。のどぼとけがいちばん 上に上がったときに、のどの筋肉に力を入れ、のどを絞めるようにして数秒間その状態を保つように指導する方法も ある。メンデルソン手技を正しく行うと、咽頭期嚥下時間の延長によって嚥下性無呼吸時間( apneic phase of the swallow )が長くなるという面がある。無呼吸時間の延長は、呼吸器疾患の患者や、重度の嚥下と呼吸の協調不全患 者には禁忌である。 日本摂食・ 嚥下 リハビリテーション学会 より参照。

バイオフィードバック

バイオフィードバック( Biofeedback ) 意義 通常は意識しない生体の現象を、工学的機器などにより、主に視覚や聴覚で感知できるようにすることで、フィー ドバックの情報として提示し、その現象をコントロールしようとする行為。 摂食・嚥下リハビリテーションの分野で は、 嚥下内視鏡を用いて、喉頭運動を目視しながら声門閉鎖とそのタイミングを訓練する方法 表面筋電図を用い て喉頭挙上筋群の筋活動を視覚あるいは聴覚で感知できるようにして喉頭挙上を強化する方法 圧センサーを用い て舌圧をモニター、視覚化して舌の筋力強化訓練を行う方法 などがある。 主な対象者 認知機能に問題のない摂食・嚥下障害、喉頭閉鎖障害、喉頭挙上障害、舌運動障害などに施行した報告がある。 具体的な方法・注意点など 目的とする生体現象による。 日本摂食・ 嚥下 リハビリテーション学会 より参照。

軟口蓋挙上装置

軟口蓋挙上装置( Palatal Lift Prosthesis : PLP ) 意義 軟口蓋挙上装置は、軟口蓋の運動障害による鼻腔閉鎖不全が認められる患者に対して用いられる装置であり、床の 口蓋部後縁より軟口蓋挙上子を延長して作製する。 軟口蓋挙上子により機械的に軟口蓋を挙上させて、構音時、嚥下 時の鼻咽腔の閉鎖を図る。本装置の目的は構音機能の回復にあると考えられてきたが、最近では、挙上子の形態を工 夫することによって嚥下機能の改善も同時に図れることが報告されている。 ただし、発音時とは異なる嚥下時の軟口 蓋運動を妨げないように、装置を調整することが必要な場合もある。 本装置の装着は即時的効果をもつ。 その長期装 着による効果も報告されており、軟口蓋挙上子の刺激が知覚を賦活する可能性もある。 日本摂食・ 嚥下 リハビリテーション学会 より参照。

努力嚥下

努力嚥下、エフォートフルスワロー( Effortful swallow 、 Hard swallow ) 意義 力を入れて飲み込むことにより、舌根部の後退運動を強め、喉頭蓋谷への残留を減少させる。 主な対象者 舌根後退運動が低下し、食物が喉頭蓋谷に残留する患者。 具体的方法 舌に力を入れ口蓋に強く押しつけながら嚥下する。嚥下に関するすべての筋肉に力を入れて絞り込むように飲み込 む。実際に食塊を用いる場合は、食塊を上後方へ送り込むことを意識させる。 注意点など 血圧上昇など。 日本摂食・ 嚥下 リハビリテーション学会 より参照。

電気刺激療法

電気刺激療法( Electrical stimulation therapy ) 意義 リハビリテーションにおける電気刺激療法には、治療的電気刺激( therapeutic electrical stimulation; TES )と機能 的電気刺激( functional electrical stimulation; FES )とがある。前者は、廃用筋の改善、脱神経筋萎縮の予防、痙縮の 抑制や鎮痛などの目的で行う方法。後者は、麻痺をした筋肉や末梢神経を電気的に制御して機能的な動きを生み出す 方法である。摂食・嚥下リハビリテーションでは、治療的電気刺激として表面電極で経皮的に舌骨周囲筋群などを刺 激し、筋収縮を得ながら一定の嚥下訓練を行う方法が報告されている 1 、 2 ) 。機能的電気刺激については、嚥下時の喉 頭挙上運動の再建が研究されているが、いまだ臨床応用はされていない。 対象者 脳損傷による咽頭期嚥下障害など。 施行方法・注意点 通常の経皮的電気刺激では、表在筋が刺激されやすく、深部筋は刺激されにくい。したがって、比較的深部にある 舌骨周囲筋群のみを刺激することは困難で、表在筋である広頸筋も同時により強く刺激される。また、喉頭下制筋群 は喉頭挙上筋群より表在性なので、より刺激されやすく、刺激時には喉頭挙上が制限される 3 ) 、などの性質がある。 これらのほか、使用する刺激装置の特性などを熟知して使用する。 日本摂食・ 嚥下 リハビリテーション学会 より参照。

嚥下反射促通手技

( 前頸部皮膚用手刺激による) 嚥下反射促通手技 意義 前頸部を軽擦することにより、嚥下反射の惹起を促す。直接訓練の際、嚥下反射惹起に時間を要する場合に用いる。 主な対象者 嚥下反射惹起性が低下している場合。認知症、嚥下失行等により送り込み運動が停止する場合。 具体的方法 患者に飲み込むよう指示し、甲状軟骨部から下顎下面にかけて指で上下に摩擦刺激を繰り返す。 注意点 頸部を伸展させないこと、またあまり強く皮膚を押さないことに注意する。

舌接触補助床

舌接触補助床( Palatal Augmentation Prosthesis : PAP ) 切除や運動障害を原因とした著しい舌の機能低下により舌と硬・軟口蓋の接触が得られない患者に対して用いる 「上顎義歯の口蓋部を肥厚させた形態の装置」、または「口蓋部分を覆う装置」。上顎に歯の欠損がある義歯装着者に 対しては、義歯の床を舌機能低下に応じて肥厚させて作製し、上顎に歯の欠損がない患者に対しては、口蓋部分を被 䋱䋮 䋲䋮㩷 䋳䋮 653 覆する床を舌機能低下に応じて肥厚させて作製する。口蓋の形態を変えることで舌の機能低下を補い、摂食・嚥下障 害や構音(発音)障害の改善を促す。摂食・嚥下障害に対する効果としては、頭頸部癌術後患者において PAP を装着 することにより、食塊の送り込みを容易にする効果や、嚥下効率の改善に効果があることが文献的に示され、 VF 所 見として、食塊の口腔通過時間の短縮や咽頭通過時間の短縮が報告されている。また、舌と PAP の接触が得られる ことにより、舌運動を賦活化させ、アンカー機能により舌根後方運動が増強されることも報告されている。

咳・強制呼出手技またはハッフィング

咳・強制呼出手技またはハッフィング( Coughing 、 Forced expiration or Huffing ) 咽頭貯留物、喉頭侵入・誤嚥物を排出させる目的で行う。 主な対象者 下咽頭貯留、喉頭侵入、誤嚥が疑われる患者。 具体的方法 できるだけ深く吸気を行わせた後、強い咳をするよう指示する。十分息を吸い込まずに咳をしてしまう場合は、再 度深く吸気を行わせてから強い咳をさせる。強制呼出手技(ハッフィング)の場合は、深く吸気を行わせてからでき るだけ強く最後まで呼気を出させる。このとき、頭部が気管よりも低くなるよう前傾姿勢をとらせ重力が利用できる ようにすると、排出効果が高まる。 注意点 あまり激しく行うと、嘔吐が誘発されることがある。 日本摂食・ 嚥下 リハビリテーション学会 より参照。

頸部突出法

頸部突出法 下顎骨(舌骨)喉頭連結術(いわゆる棚橋法)術後患者において、下顎を前突させることにより連結された喉頭を 前方に引き出し、食塊の送り込みに合わせて食道入口部を意図的に開く方法。本来中枢制御により行われる咽頭期嚥 下の運動を随意的(意図的)に発動させ遂行させるものである。 主な対象者 棚橋法術後患者が対象であるが、一部の球麻痺患者の輪状咽頭嚥下障害に対しても有効なことがある。 具体的な方法 頸部を前屈した位置から、食塊の咽頭への送り込みのタイミングに合わせて顎を前方に突き出す。棚橋法の術後の ように下顎と舌骨、甲状軟骨が手術でつながっていて、輪状咽頭筋が切断されている場合には、下顎の前方への動き で食道入口部が開き、食塊の通過が可能となる。ちょうど「鵜」がものを飲み込むときのようにみえるので、藤島は 「鵜呑み法」とも呼んでいる。下顎の突出を促す方法として頬杖をつく方法もある。 注意点など 本法は基本的に棚橋法の術後に行う方法であるが、輪状咽頭筋切断術だけの場合も頸部突出はかなり有効である。 手術を受けていない症例では無効であるが、時にこの方法で食道入口部が開く場合がある。実施する場合は VF など で評価して行うことを推奨する。 日本摂食・ 嚥下 リハビリテーション学会 より参照。

息こらえ嚥下

息こらえ嚥下(法)< Supraglottic swallow>(声門閉鎖嚥下法、声門越え嚥下法) 嚥下中の誤嚥を防ぐと同時に、気管に入り込んだ飲食物を喀出する効果がある。嚥下動作前と嚥下動作中に、声帯レベルでの気道閉鎖を確実にするために工夫された手技である。 主な対象者 嚥下中に誤嚥をきたす患者。適応となる嚥下障害は声門閉鎖の遅延または減弱あるいは咽頭期嚥下の遅延を認める症例。 具体的な方法 飲食物を口に入れたら、鼻から大きく息を吸って、しっかり息をこらえて、飲食物を飲み込み、咳払いをする、あるいは口から勢いよく息を吐き出す。意識的に息こらえをすることにより、嚥下動作直前から嚥下動作中に声門を閉鎖する。遅延の間も声門を閉鎖する。 強い息こらえ嚥下法、喉頭閉鎖嚥下法< Super-supraglottic swallow> これは嚥下動作前、嚥下動作中に、喉頭前庭部での閉鎖を確実にするために工夫された手技である。適応となる嚥下障害は、喉頭前庭から仮声帯部の閉鎖の減弱を認める症例である。強く息こらえをすることにより披裂軟骨は前方に傾斜し、嚥下動作直前から嚥下動作中に喉頭前庭から仮声帯部の閉鎖を促進する。 < Pseudo-supraglottic swallow> 基礎訓練として、食物を使わずに「大きく息を吸って空嚥下をし、その後息を吐き出す」方法。 注意点など ポイントは鼻から息を吸い、口から吐き出すこと。飲食物を口に含んだままで息を吸うと、気管に吸い込む危険がある。口腔内に飲食物を保持できない患者は不適応である。 * 名称について:本法は supraglottic laryngectomy 手術後に声門レベルで誤嚥を防止する手技として開発され、Logemann により命名されている。指導法として、「息をこらえる」ように患者に指示することからBreath-hold maneuverとも呼ばれ、本邦では「息こらえ嚥下(法)」と呼ばれることが多い。しかし、息をこらえただけでは声門が閉鎖しない人も多く、本法の目的が声門閉鎖ということであれば、「声門閉鎖嚥下(法)」と呼ぶほうがよいのではないかという意見もある。なお、強い息こらえ嚥下法、喉頭閉鎖嚥下法< Super-supraglottic swallow>も含めて随意的気道防御法(手技)voluntar...