易疲労性(いひろうせい)とは

易疲労性(いひろうせい)とは

脳梗塞や脳出血などで脳が損傷されると、疲れやすくなる方が多いです。
その症状のことを易疲労性(いひろうせい)と言います。
なぜ脳が損傷される疲れやすくなかというと、脳の神経は、新しい行動を学習するときは活発に働きますが、いったん学習して、脳の中で神経回路ができてしまえば、最初のように活発でなくても省エネモードで行動を起こすことができるようになります。
脳梗塞や脳出血などで脳が損傷されてしまうと、その作り上げた回路が寸断されて、使えなくなってしまうのです。
そのため、以前は余力を残し8割の力でできたことが、全力以上の力を出さなくては、同じことができなくなってしまいます。
常に全力で頑張っていては、やはり疲れやすくなるのは当然のことです。
対応としては、疲労しすぎてしまう前に、早めに疲労のサインに気づいて、こまめに休憩をとったり、本人の好きなことを行いリフレッシュできるようにする等、工夫すると良いでしょう。

錯語(失語症の症状)

錯語(失語症の症状)

喚語障害の一つで、目標とする語が推定出来る程度の音の誤り、あるいは語の誤りの総称です。

音韻性錯語

例えば、「りんご」と言おうとしたのにもかかわらず「にんご」と音の一部を誤った場合を音韻性錯語あるいは、字性錯語と言います。

語性錯語

例えば、「ねこ」と言おうとしたのにもかかわらず「いぬ」や「とけい」など別に実在する日本語に誤った場合を語性錯語と言います。 「ねこ」を「いぬ」と意味関連性のある言葉と誤った語性錯語を[意味性錯語]といいます。 また、「ねこ」を「とけい」と全く違ったカテゴリーと誤ったものを[無関連錯語]といいます。

注意したい点

ここで注意したいのが、音韻性錯語です。音韻性錯語の名称からは、その誤りの性質が音韻の選択にあることを示唆していますが、実際は発話された結果から判断せざるを得ないため、音韻選択の時点では正しく選択できたものの、構音プログラムの段階での音の置換や付加、省略など発語失行による音の誤りが生じても区別することが難しいことです。
音韻性錯語と発語失行の特徴は下記を参考下さい。

失読失書 alexia with agraphia

失読失書 alexia with agraphia

失読と失書が1つの病巣(主に左角回病巣)によって同時に生じたものをいいます。
失読失書での、読みは、音読と理解の両方が障害されます。
日本語では、仮名、漢字ともに読みが障害されます。
漢字の読みが比較的良好な症例も報告されていますが、多数例でみると仮名と漢字の読みに差がないという批判があります。
なぞり読みの効果はありません。
書字障害の程度は、失読と平行するとも言われていますが、症例によっていずれかが強く現れる場合や、回復の程度が異なる場合があります。
失書は、左右の手に現れます。 日本語では、漢字では、想起困難と錯書がみられ、仮名では、個々の文字が書けない場合と、仮名を多用するが文字選択の誤り(錯書)が明らかな場合の両者が起こります。
また、経過とともに仮名書字が可能となる傾向がみられます。
字形態の崩れは少ないといわれています。 写字能力については、今日では写字能力は保存されている点がむしろ特徴と考えられています。 患者は文字を認知した上で、自分の字体による書き下しが可能であり、正しい筆順で流暢に書き写すことができます。
失読失書は、多少なりとも呼称障害あるいは喚語困難を伴います。
また、流暢性失語を伴う場合や、流暢性失語が改善して失読失書が明らかとなる場合があります。
病巣が前方へ伸展すると失語性要因が加わりますが、縁上回方向では伝導失語、側頭葉上部方向ではウェルニッケ失語が加わる傾向があります。
そのほかに、失書に失算、手指失認、左右失認が加わって、いわゆるゲルストマン症候群を構成する場合がありますが、失読はこの症候群には含まれていません。
病巣は、左半球の角回付近と考えられ、中大脳動脈の分枝である角回動脈領域の梗塞で起こることが多いといわれています。
角回の損傷であっても失読失書が必発とは限りません。なお、側頭葉後部ないしは後下部病巣による失読失書も報告されています。