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Showing posts with the label 6.口腔ケア

機能的口腔ケアの訓練法について言語聴覚士が解説

機能的口腔ケアは、摂食嚥下リハビリテーションの間接訓練(食物を用いずに行う訓練)に相当します。口腔ケア時に行えるものとして、口腔周囲のマッサージや口唇・舌・頬の運動訓練などがあります。 間接訓練には、自分の力で動かして運動する方法(自動運動)と、自分では行わず介助者が行う方法(他動運動)があり、患者の状態に合わせて選択します。 これらの訓練内容をふだんの口腔ケアのなかに組み込むことで、口腔ケアの効果をさらに高めることができます。 今回は主に、口唇・舌・頬の運動訓練を紹介していきたいと思います。 口唇・舌・頬の運動訓練 口唇・舌・頬の運動訓練は、口腔器官の筋力・拘縮・感覚などの低下を予防し、主に食べ物を咀嚼し飲み込みやすい食塊(飲み込みに適した 1 つのかたまり)にする(準備期)、舌によって咽頭へ送り込む(口腔期)という 2 つの機能向上を目的として行われます。 1.       口唇の運動訓練 他動運動の場合、第 1 指と第 2 指で上唇を軽くつまんで伸ばす、収縮と伸展運動を繰り返します。下唇に対しても同じように行います。指示に従える場合は、同様の動きを自動運動として行ってもらいます。 2.       舌の運動訓練 他動運動の場合、まずは湿ったガーゼで舌の前方を包むようにしっかりと保持し、前方、上方、左右の側方への運動を行います。自動運動ができる場合は、舌を突き出す、挙上する、左右への側方運動を行ってもらいます。 視覚的フィードバックができる場合は、鏡などを用いて動きを見てもらいながら行うと効果的です。 また、抵抗運動が可能ならば、ブラシの背などを使って負荷をかけて行うのもよいでしょう。 3.       頬の運動訓練 頬全体は手のひらで円を描くように、ゆっくりとストレッチをかけながらマッサージを行います。ガーゼを巻いた指や歯ブラシの背、スポンジブラシやくるリーナブラシなどを用いて、内側から頬の筋肉を伸ばす運動を行います。 4.       運動訓練前後の注意点 これらの運動は、...

在宅口腔ケアの重要性について解説

在宅療養者や病院・施設に入院・入所している多くの高齢者は、ADL(日常生活動作)の低下や障害のために、口腔清掃状態が悪化し、口腔機能が低下している方が多い。 口腔ケアは単に口腔清掃(器質的口腔ケア)をするのみではなく、口腔機能の維持・回復(機能的口腔ケア)をも提供するもので、口腔疾患のみならずさまざまな全身疾患を予防しQOLの維持につながります。 「食事を美味しく食べる」という人間としての根源的要求を叶えるためにも、生活環境、介護度、疾病の有無、残存歯の有無などを問わず、すべての療養者に口腔ケアは提供されなければなりません。 口腔ケア実施者について 在宅の現場では口腔ケアにかかわる職種は多く、医師、歯科医師、歯科衛生士、訪問看護師、訪問薬剤師、訪問管理栄養士、介護職、リハビリ職、介護支援専門員、などが挙げられます。 療養者本人、療養者を支える家族を加え、絶えず新しい情報を交換・共有しながら、身体の状態に応じた正しい口腔ケアを多職種で協働して提供することが大切です。 口腔ケアの実際 口腔清掃(器質的口腔ケア)について 口腔内の食物残渣、感染源となるデンタルプラーク(細菌)は含嗽やブラッシングなどで除去しなくてはなりません。 可能な範囲で療養者本人(セルフケア)に行ってもらいますが、ADLの低下、手技不良のため、除去しきれず残留していることも少なくありません。 そのため、家族や介護職によるブラッシングの介助は必須となります。 定期的に歯科医、歯科衛生士が専門的な口腔ケアを行い、介助者は適切な清掃法の指導を受けながら日常の口腔清掃を継続実施することが求められます。 口腔機能回復(機能的口腔ケア)について 口腔機能の低下は、低栄養、脱水、誤嚥、窒息、食べる楽しみの喪失などを引き起こしADL、QOLに多大な影響を及ぼします。 在宅では、反復唾液嚥下テスト(RSST)や改訂水飲みテスト(MWST)などで、口腔機能を評価し、可能であればプランに基づき、食物を用いない間接訓練や食物を用いた直接訓練を行います。 間接訓練には、のどのアイスマッサージや、頭部挙上訓練、唾液腺マッサージ、呼吸(咳嗽)訓練などがあります。 直接訓練は療養者本人の意向を尊重し、体位や食形態を工夫して誤嚥の防止を図りながら安全に行います。 ...

口腔ケアの際の開口法と開口保持方法

口腔ケアの際の開口法と開口保持方法 口腔ケアの際に開口していただけない患者様、利用者様がいます。 口腔ケアを行わせて頂く場合、開口して頂けず、苦労することがしばしばあります。 そのような場合、まずは、歯牙欠損部がないか確認し、口腔ケア用具が挿入できる場合は、そこから汚れを除去するようにします。難しい場合は下記の手技を用います。 開口手技 ・下顎押し下げ法 左右の下顎口腔前庭に指を入れ、ゆっくりと開口方向に力を入れ ます。過剰な力では痛みが出るので注意しましょう。 http://www.peg.or.jp/lecture/rehabilitation/image/03_fig03.jpgより ・K-point手技 おもに嚥下反射を誘発するために用いますが、開口を促すことができるため、開口困難な場合に利用することができます。効果がある場合は、軽く触れるだけで開口してくれます。.強く圧迫すると粘膜を傷つける原因となるため注意しましょう。 K-point刺激の方法こちら↓ http://www.st-medica.com/2012/02/k-point.html 動画はこちら↓ 開口保持 ・バイトブロック バイトブロックは歯や粘膜を傷つけやすい道具です。ほかの手技ではどうしようもない場合に、最終手段として使用しましょう。 専門の開口器がない場合はガーゼやゴム管を用いて自作してもよいでしょう。ただし、自作の場合は、バイトブロックが外れて飲み込んでしまった等のようなことがないように、細心の注意を払って使用してください。 使用時は、かならず動揺のない歯でかませましょう。 バイトブロックの挿入・撤去は、かならず開口させてから行い、無理に引っ張ったりねじったりしないようにしましょう。

口腔ケアの定義と目的

口腔ケアの定義と目的 口腔ケアの定義 口腔ケアという用語には、広義の意味と狭義の意味とがあります。広義には、口腔のもっているあらゆる働き(咀嚼、嚥下、発音、呼吸など)を介護することを意味します。狭義では、口腔衛生の維持・向上を主眼に置く一連の口腔清掃を中心とした口腔ケアを指します。介護予防における口腔ケアにおいては、リハビリテーションの観点からも、口腔の機能を増進、賦活化することを目的とした、口腔機能の向上に重点が置かれることになります。 口腔ケアの目的 口腔ケアの目的は以下の通りです。 う蝕や歯周病を予防する 認知機能の低下予防を図る 口臭を取り除き、不快感をなくす 誤嚥性肺炎を予防する 全身的な感染症を予防する 気分を爽快にし、食欲を増進する 口唇、舌、頬、咽頭の刺激やマッサージによって、摂食・嚥下訓練の一助となる 発音、構音に関与する口唇、舌、軟口蓋のリハビリテーションとなる 唾液の分泌を促進して自浄作用を促し、口腔の乾燥を防ぐ 味覚を保つ 健康的な口元は、対人関係をスムーズにする 日常生活にメリハリをつける 敏感な口腔を刺激し、全身の緊張をほぐす 歯磨きによる上肢、手指のリハビリテーションを促す このように数多くの目的があり、口腔ケアが重要な事に気付かされます。 皆さん、口腔ケアの正しい知識を学び、患者様、利用者様に貢献しましょう!

歯周病が全身に及ぼす影響

歯周病が全身に及ぼす影響 これまで歯周病は「口の中だけに限局した病気」と考えられてきました。 しかしながら近年歯周病が全身にもたらす影響、全身が歯周病へあたえる影響についての研究も進み、歯周病と関連があるといわれている以下の症状がわかってきています。 ①糖尿病 歯周病は糖尿病の合併症の一つとして捉えられています。歯周病を合併した患者さんに、抗菌薬を用いた歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られており、歯周病になるリスクが高い反面、歯周病の治療によっては血糖値が改善する可能性があります。 ②心疾患 心疾患は生活習慣病が要因とされていますが、別の因子として歯周病菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。歯周病が重篤であればあるほど、心疾患を発症するリスクが高いと言われています。 これは、歯周病によって歯肉で生産された炎症物質が血流を開して心臓血管にも影響を及ぼすためと考えられています。 ③脳梗塞 歯周病の人はそうでない人の2.8倍なりやすいと言われています。 ④誤嚥性肺炎 唾液中に含まれる細菌が主な原因です。歯周病菌は誤嚥性肺炎の原因になるものが多く、唾液中に含まれる細菌が主な原因です。 ⑤骨粗鬆症 全身的の骨が弱くなると、歯を支える歯周組織にも影響があると考えられており、骨粗鬆症は歯周病を進行させる一因とみられています。 特に閉経後の女性は骨代謝にかかわるホルモンのエストロゲン分泌の低下によって、かかりやすく、広がりやすいと言われています。 また治療薬のビスフォスフォネート製剤(BP系薬剤)を服用中に歯を抜くと、周囲の骨が壊死するなどのトラブルが報告されています。 ⑥関節炎・腎炎 発症する原因となる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌は、口の中に存在する歯周病菌にも多く存在しているため、発症することがあります。 ⑦早期低体重児出産 妊娠中の女性で歯周病の人は、そうでない人に比べて低体重児出産や早産する確率が高いことが報告されています。 歯周病による炎症性物質が、へその緒を通じて胎児に影響するため、早期低体重児出産の確立が高まると考えられています。 妊娠中は、つわりによって口腔清掃が不良になりやすく、またホルモンの...

口腔乾燥症の臨床診断基準

口腔乾燥症の臨床診断基準 0 度(正常) 1 〜 3 度の所見がなく、正常範囲と思われる。 1 度(軽度) 唾液の粘性が亢進している。 2 度(中等度) 唾液中に細かい唾液の泡がみられる。 3 度(重度) 舌の上にほとんど唾液がみられず、乾いている。 口腔乾燥症の臨床診断基準は、口腔乾燥症の簡便で客観的な評価法として、口腔乾燥症の臨床診断基準がよく用いられる。 その他、口腔粘膜上皮の静電容量を測定することで水分量を測定する口腔水分計や、舌背部の湿潤度を測定する唾液湿潤度検査(KISO-WeT®)が良く用いられる。

唾液分泌量の変化による影響

唾液分泌量の変化による影響 全唾液腺は、大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)と小唾液腺の大きく 2 つに分けらる。 大唾液腺は大量に唾液を分泌する役割、小唾液腺は口の中の機能を保つ役割がある。 健康成人の唾液量は1日1〜1.5Lあり、近年、年齢に伴う全唾液分泌量への影響はほとんどないと言われている。 しかし、高齢者の多くが口の乾きを訴える理由はなんなのだろうか。 ひとつには、小唾液腺の実質容量が年齢に伴って減少し、脂肪組織と結合組織が増殖し、腺細胞が縮小するため、小唾液腺からの唾液分泌量が減少するためと言われている。 この変化が小唾液腺の一つである口蓋腺にも起こり、これが高齢者の多くが口の渇きを訴える理由の一つとされている。 また、高齢者の唾液分泌量の減少には、基礎疾患の有病率や唾液腺の障害、服薬薬剤の影響が知られている。 唾液分泌量が減少すると自浄作用が低下し、細菌因子の増加と歯肉組織の脆弱化をもたらす。 このことから唾液分泌量の減少は歯周病のリスクファクターであり、う蝕のリスクが高まるなど、さまざまな口腔内疾患が引き起こされる。 唾液の潤滑作用の低下と唾液タンパクの質的・量的な変化によって口腔内が乾燥すると、口腔粘膜の保護作用を喪失する。 唾液は、口腔内を衛生的・機能的に保つという大きな役割を担っている。

専門家による歯面清掃 PMTC

専門家による歯面清掃  PMTC  ( Professional   Mechanical   Tooth   Cleaning ) PMTC ( Professional   Mechanical   Tooth   Clean . ing の略)と PTC ( Professional   Tooth   Cleaning の略)は、「専門家による歯面清掃」のことであるが、その違いが曖昧のまま用いられています。 PTC は、清掃用具を用いて専門的な歯面清掃を行うことをいい、 PMTC は、スウェーデンのアクセルソン博士が開発したエバブロフィンという特殊な機器を用いた専門的な機械的歯面清掃のことをいいます。 PMTC は、日常の口腔清掃(セルフケア)では清掃できないキーリスク部位(主に隣接面)を、特殊コントラ(往復運動)にプラスチックチップ(エバチップ)を用いて清掃する方法で、平滑面や咬合面は、ラバーカップやブラシ等を用いて清掃します。 術式としては、①プラークの染め出し、②研磨ペーストの注入、③隣接面の清掃・研磨、④頬舌面・咬合面の清掃・研磨、⑤口腔内の洗浄、⑥フッ化物の塗布を手順とする。 日本では、 1992 年にアクセルソン博士の片腕である、ブリギッタ・ニーストレン女史(歯科衛生士)によって紹介され普及しました。

口腔バイオフィルム Oral Biofilm

口腔バイオ フィルム O ral  Biofilm バイオフィルム とは、カビや細菌などの微生物が物体の表面に付着して増殖し、分泌物や沈着物とともに表面を覆ってしまう膜のことです。 口腔内 では、清掃不十分な歯面に付着したプラークが肉眼で観察できます。プラークは、唾液由来の糖タンパクが歯面に吸着して薄い被膜(ペリクル)を形成し、そこに細菌が付着、増殖して不溶グルカン(多糖類)を産出して、歯面に強固なバイオフィルムを形成します。この細菌類の集合体がプラークで、基質が 10 ~ 20 %、細菌が 70 ~ 80 %で、ほとんどが細菌からできています。

食育と歯科衛生士

食育と歯科衛生士 「 食育 」とは、様々な経験を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることを言います。 しかし現状は、①食料消費構造の変化(日本型食生活から欧米化した食生活や単独世帯の増加、食の外部化・簡便化が背景にある)、②食習慣の乱れ(朝食の欠食など)、③食生活と健康(過度または無理なダイエット・骨粗懸症・糖尿病など)、④食べ残しや食品の廃棄、⑤食に関する関心の高まりと相反する知識不足などの問題が指摘されています。 そこで、国民が健康な心身を培い豊かな人間性を育めるように、「知育」、「徳育」、「体育」に加えて「食育」(服部幸慮氏提唱)を国民運動として推進するため、●食育の基本理念と方向性を明らかにする、●食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進する等を目的に食育基本法が施行されました( 2005 . 7 . 15 )。  国民病とまで言われる歯科疾患は、裏を返せば国民の全てが歯科受診をするということであり、歯科衛生士は、保健指導や口腔保健教育を通して、全てのライフステージの国民を対象に最も「食育」ができる立場にあります。 『歯科から発信する食下』は、従来の食生活改善指導に、食を選択する能力と健全な食生活を実践することができる人間を育てるという視点を加えた、新たな歯科衛生士の業務分野とも言えます。一己基本法に策定されている「食生活指針」を普及させるために「食事バランスガイド」があります。多いに活用していただきたい。 食育バランスガイドのついての農林水産省のページ↓ http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/

院内感染症と歯科衛生士

院内感染症と歯科衛生士 院内感染症 とは「病院における患者が原疾患とは別に、新たに罹患した感染症、または医療従事者が院内において罹患した感染症」と定義されます。 医療従事者は院内感染の発症を未然に防止( prevention )することと、発生した感染症を拡大させないように制圧または管理( co 皿 trol )する感染制御の責務があります。 欧米における感染対策の基本は、①感染リスクに対応した消毒レベル、②感染経路別の予防対策、③ユニバーサルプレコーションの理解で、日本の感染対策もこれに沿ってすすめられています。 歯科衛生士 は Scaling ・ Brushing 中の唾液・血液の暴露や針刺し事故など職務感染の危険性が高いといえます。しかし、歯科医療機関は個人開業医が殆どで、感染対策は院長のモラルと個々の歯科衛生士の判断に頼らざるをえない場合が多い状況です。今日、患者の感染予防意識も上がりつつあり、適切に提示できる院内感染予防対策は必須です。院長を感染制御対策者とし、実務者として感染制御担当歯科衛生士をスタッフ内で位置づけ、日頃からの情報の共有と認識の統一化・レベル化を図るためのマニュアル作成や勉強会が望まれます。 基本的には①患者のためになっていること、②医療従事者が保護されていること、③環境配備の概念があること、④経済的であることが考慮され、実践に対する評価も行い改善を図っていきます。 管理( control )と予防( prevention )の適切な組み合わせが大切となります。 日衛学誌 JJSDH   Vol , 1   No . 2 ( 2007 )より参照。

歯科衛生ケアプロセス(dental-hygiene-process-of-care)

歯科衛生ケアプロセス( dental-hygiene-process-of-care) 歯科衛生ケアプロセス とは、看護過程をベースにアメリカで理論構築された概念で、「アセスメント」→「歯科衛生診断」→「計画立案」→「実施」→「評価」の 5 つのステップのサイクルで、双方向にも作用しています。基本は、対象者の自己実現に向けて、何が問題か「アセスメント」し、アセスメントを元に「歯科衛生診断」・「計画立案」を行い、計画の元に「実施」し、実施の結果を「評価」することです。  これらは、日常的に頭のなかで素早く考え、患者に実践してきたことですが、形に表すことは出来ていませんでした。歯科衛生士の弱点とも言えます。これからの歯科衛生士には、患者の対応に理論的に思考し、問題の解決を図る方法を明確に提示し、実践し、歯科衛生士自身の業務の評価と患者の改善評価(自己実現の程度も含めて)が求められます。 そのためには、各種の理論モデル(アセスメントや歯科衛生診断、評価等にもモデルがある)を学び、応用する力を身につけることが大切となります。  目的は、歯科衛生士は単なる術者や診療補助者ではなく、この概念を基本に患者が快適な社会生活を過ごすための支援者となることが望まれます。歯科衛生ケアプロセスとは、その望みに対して歯科衛生士として出来ることを判断する(思考する)過程となります。 日衛学誌 JJSDH   Vol , 1   No . 2 ( 2007 )より参照。

口腔ケア・マッサージ 嚥下障害

口腔ケア・口腔内マッサージ 嚥下障害 [効果] 口腔内残留物や唾液による誤嚥性肺炎を予防する。 口腔内の知覚機能を高める。 口腔内を刺激し、唾液の分泌を促す。 口唇・舌・頬のストレッチング・リラクゼーション。 [適応] すべての患者 [方法] イソジン、綿棒、ガーゼ、歯ブラシ、スポンジ、オーラルバランスなどを使用する。 口唇・頬・舌をマッサージする。

唾液分泌障害

唾液分泌障害 生理的または病的な原因による唾液の分泌量の減少あるいは消失し、唾液減少症または口腔乾燥症を引き起こします。 成人の唾液分泌量は、1日1~1.5リットルといわれており、そのうち90%は耳下腺、顎舌腺から残りは舌下腺、小唾液腺から分泌されています。 唾液をつくり、分泌する唾液腺は、自律神経の影響を受けるため、緊張や不安、怒りを感じたときなどには交感神経が優位になり、唾液の分泌量は減少します。 なんらかの原因で脱水状態になったときも、体からの水分の喪失を防ぐために、唾液の分泌量は減少します。 加齢とともに唾液腺の分泌機能は衰えていくため、一般に老年者では口腔内が乾燥しやすくなり女性の場合は閉経にともないホルモンなどの関係で分泌障害が起こります。 病的な原因としては、炎症や腫瘍を含む唾液腺疾患、全身疾患による唾液腺機能障害、放射線照射による唾液腺萎縮、咀囎障害などがあげられます。 薬剤による唾液の分泌障害は、副交感神経抑制薬であるアトロピン、ロートエキスのほかに、ニコチン、コカイン、降圧剤、向精神薬、抗悪性腫瘍薬、抗ヒスタミン薬などでみられます。

唾液減少症の原因と対応

唾液減少症とは 唾液減少症とは、唾液分泌の減少した状態です。 唾液分泌の阻害、減少により口腔内の粘膜が乾燥した状態を表した病状名です。 唾液減少症の原因 唾液減少症の原因は、 加齢(老人性萎縮) 全身疾患(シェーグレン症候群,糖尿病,甲状腺機能充進症など) 医原性のもの(薬の副作用,放射線照射,経口挿管など) 心因的なもの(ストレス) 習慣性のもの(口呼吸など) などが考えられます。 唾液の分泌量は平均1.5ℓ/日であすが、唾液減少症の患者は0.5ℓ/日ぐらいに低下することもあります。 唾液の分泌が障害されると、口腔内の健康も障害され、全身疾患のリスクも高くなります。 唾液減少症が持続すると、味覚機能が低下し、咀噌中に食塊を形成しにくいことから、十分な栄養摂取ができなくなります。 また、唾液の減少によって口腔内は易感染性となるため、歯周病の進行やカンジダ菌の感染には注意が必要です。 唾液減少症への対応 慢性唾液腺炎や老人性唾液腺萎縮症が原因の唾液減少症では、唾液腺の機能が完全に失われていることはほとんどないので、レモン、梅干しなどの酸味の強い食物やガムなどで唾液腺の分泌機能を促すようにし、対症療法としてうがいと口腔清掃を行うと良いでしょう。 また、人工唾液(サリベート)や口腔内保湿ジェル(オーラスバランスなど)の使用も有効です。 放射線治療などで唾液腺の機能が失われている場合は、対症療法とともに病状に応じて唾液分泌を促す薬剤を投与し、口腔保健ケアを注意深く続け、口腔感染症の予防に努めます。

口腔乾燥症

口腔乾燥症 唾液分泌の阻害、減少により口腔内の粘膜が乾燥した状態を表した症状名です 。 原因は、全身的には脱水、糖尿病、シェーグレン症候群、薬物、情緒的因子などがあり、局所的には唾液腺の炎症・腫瘍、放射線障害、唾液腺管の通過障害などがあります。 老年者・要介護者では、唾液分泌抑制の副作用のある薬剤を服用している場合があります。 症状は口渇感、灼熱感、口腔粘膜の萎縮、歯周病の進行、う蝕多発、嚥下障害など。 処置は,原因の除去と含漱,人工唾液使用などの対症療法を行います。

口腔ケア 保湿剤の使い分けと注意点

口腔ケア 保湿剤の使い分けと注意点 セルフケアが可能であれば、リキッドタイプの保湿剤が口腔内で広がりやすく、手軽に乾燥感を除去できるので使いやすいとおもいます。 自己管理が困難な場合や嚥下機能に問題がある場合は、保湿剤の誤嚥を防ぐためにも、看護・介護者によるジェルタイプの使用が望ましいでしょう。 とくに痂皮状の汚物が付着したケースではジェルタイプの保湿剤の使用が効果的です。 皮膚では、代謝により上皮が生え変わり、剥離した上皮は「アカ」とか「フケ」と呼ばれます。 口腔内の粘膜も代謝し、剥離した上皮は、通常であれば唾液や食物とともに飲み込まれることで処理されています。 しかし、経口摂取が行われずに口を開いたままで口腔乾燥が起こると、代謝した剥離上皮は皮膜状に堆積し、無理にはがし取ろうとすると、粘膜表層をいためて出血してしまいます。 使用にあたっては手指やスポンジブラシの保湿剤を1~2cmとり、舌、舌の下の部分、口蓋、頬の粘膜、口唇の裏側の粘膜をマッサージするように塗布します。 乾燥の程度にもよりますが、この状態のまま2~3分すると、剥離上皮に保湿剤が浸透して、安全で容易に除去できるようになります。その後、通常の口腔ケアを行い、最後に必ず保湿剤をふき取ります。 閉口ができずドライマウスが進行した状態で保湿剤をそのままにしておくと表面が乾燥して硬化していきます。 乾燥・硬化した保湿剤を除去せずに、口腔ケアのたびに保湿剤を上塗りしてしまうと層がどんどん厚くなります。 そうなってしまうと、汚れの除去が困難になるだけでなく、保湿剤の腐敗、それに伴う口臭などを招くので十分な注意が必要です。

ドライマウスの対処法

ドライマウスの対処法 ○原因療法 ドライマウスは原因を見つけて、その原因を除去することが治療の基本です。例えば、服用薬剤による唾液分泌低下が考えられる場合は、副作用の少ない薬剤への変更や薬剤量の減量が必要となります。しかし、対象となる疾患の治療のためには変更できないことが多いようです。 ○薬物療法 唾液分泌改善に効果のある薬剤としてサリグレン、エポザックがあります。現在のところ、 シェーグレン症候群のみが健康保険の適応となっています。漢方薬では白虎加人参湯、麦門冬湯などが使用されます。 ○機能的ロ腔ケア 顎下腺や耳下腺などに対するマッサージや、舌体操などの機能的口腔ケアにより、唾液分泌改善が期待できます。ただし、人工呼吸管理中の場合などで、脱水傾向にある時は、唾液腺マッサージによる圧迫で唾液を排出させるよりも、生理的にじわじわと分泌されるのに任せたほうが、口腔内の潤いを保つためには有効といわれています。 ○うがいと水分補給 うがいを繰り返し行うと、口腔内の湿潤が保たれますが、イソジンガーグルのようなアルコールを含む洗口薬の使用は、アルコールの脱水作用により、口腔粘膜の水分が奪われ、乾燥を助長するので注意が必要です。水分補給は十分に行う必要がありますが、過度の水分摂取は腎臓や心臓に負担をかけてしまうので、腎機能や心機能が低下している方は、必要な水分量を主治医と相談するようにしましょう。 ○保湿剤の使用 近年、オーラルバランスジェルなど、口腔内を保湿する商品が発売されています。 慢性期の場合は、単価を考慮しプラスチベースやプロペトなどを使用することもあります。 ○その他 保湿装置(内側に水に湿らせたガーゼや人工唾液をいれておくと、中央の小さな穴から徐々 に染み出してきて、口の中が潤う) 開口や口呼吸により唾液蒸発量が過多となっている場合は、室内の湿度を上げることや、マスクの使用が有効なケースも少なくありません。睡眠中に口の乾燥がすすむ場合には、保湿装置(モイスチャートレー,モイスチャープレート)を使用するケースもあります。 難i病と在宅ケアvoL 17 No.102012.より参照。

クオリティー・オブ・ライフの向上を目指した口腔ケア

クオリティー・オブ・ライフの向上を目指した口腔ケア 人間が社会の中で自分らしく生活をしていくとき、口腔の機能(食物を食べる、呼吸をする、話をする、感情を表現するなどの働き)の維持・向上をはかる口腔ケアは欠かすことのできない基本的ケアであり、口腔ケアそれ自体が日常生活行動の質を高める、重要なリハビリテーションの一つです。

口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防

口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防 口腔ケアは死に至る急性疾患である高齢者の肺炎を効果的に予防するといわれています。 特別養護老人ホーム入所者を対象とした研究において、徹底した口腔ケアを行うことで、咽頭細菌を減少させることが可能であると示し、口腔ケアを行うことで肺炎リスクを低下させることができたとの報告があります。