Skip to main content

Posts

Showing posts with the label 作業療法

日常生活の改善を目指した認知行動療法について解説

統合失調症の方に対する認知行動療法の目的 近年、「精神病の認知行動療法 CBTforPsychosis(CBTp) 」の効果検証時の主要アウトカムは、症状変化におくべきではないという考え方が広がってきています。 このような背景としては、まず、統合失調症をもつ人々の抱える最大の問題が精神病体験であるとは限らないことが挙げられます。 精神病症状よりも社会的排除やスティグマ、情緒的問題、対人関係の苦痛をより強く感じている者が少なくないことを示す調査結果が複数存在します。そのため、症状の軽減は必ずしも生活の質の向上やリカバリーに十分ではないことの理解が広がってきたのです。 さらに、認知行動モデルによれば、状況をどのように解釈 ( 認知 ) するかが、その後の感情や行動 ( 結果 ) を決めます。精神病体験については、いくつかの認知行動モデルが提唱されているが、心理的苦痛をもたらすのは、精神病体験という状況をどのように解釈するかで、体験そのものではないことを主張している点では共通しています。 そこで、心理的苦痛の軽減のためには、症状自体ではなく、症状に対する認知もしくは行動に介入すべきことがモデルから導き出されます。 症状の改善は苦痛軽減の結果、二次的にもたらされる可能性のある状態であって、第一義的な目的ではありません。 例えば、幻聴の頻度や内容が変わらないとしても、それによる苦痛や、影響された行動が改善すれば、介入の目的は達成されたと考えるということです。 以上のような理由から、現在では、 CBTp を準向精神薬のように扱うのではなく、苦痛軽減と適応的行動の増加をターゲットにして、利用者本人の望む日常生活の改善を目的とした介入として位置づけるようになってきました。 CBTp の進め方 幻覚・妄想への対応に限定しない CBTp の進め方は、うつ病や不安障害への認知行動療法に倣って、以下の 7 段階に分けると考えやすいです。 ①関係構築、②問題リスト作り、③目標設定、④アセスメント、⑤事例定式化 caseformulation 、⑥ホームワーク、⑦再発予防です。   ①関係構築 CBTp における関係構築の特徴は、「柔軟な治療構造」「ノーマライジング」「不同意の同意関係」です。本...

幻覚・妄想症状に対する認知行動療法 (CBT)の定義、適応、手順について

CBT の定義 患者が抱えるさまざまな問題に対して認知・行動の両面からアプローチする認知行動療法 (CBT) は、気分障害・不安障害での治療効果を立証して精神療法の有力な一派となりました。 加えて 1990 年代以降、英国を中心に CBT を統合失調症に適応拡大する臨床研究が進められ、その結果、幻覚・妄想体験などの陽性症状に CBT が一定の有効性を示しうるというデータが報告されました。 現在では、英国医療技術評価機構 (NICE) や米国精神医学会のガイドラインで CBT の実施が推奨されるようになり、わが国の統合失調症治療ガイドラインでも CBT の項目が採用されています。 CBT の適応 幻覚・妄想状態にある患者のすべてが、 CBT の対象となりうるわけではありません。 CBT の適応の目途として、次の「 5 つの C 」というものがあります。 ・ Calmness( 落ち着き ) ・ Communication( 対話 ) ・ Curiosity( 好奇心 ) ・ Comprehension( 理解 ) ・ Cooperation( 協力 ) 特に、患者が curiosity( 好奇心=幻覚・妄想に対する CBT への興味・関心 ) を示さない場合には、 CBT の施行は禁忌となります。そうした際は、「ではそういう治療もあると頭の片隅においておいて、興味が出てきたらおっしゃってください」と伝えて引き下がるようにします。 5 つの C が満たされる場合には、幻覚・妄想症状がみられる精神障害のさまざまな治療段階において実施可能となります。 特に、以下の 4 つのポイントにおける適応が臨床上重要になります。 1 治療導入期の病識 育成幻覚・妄想状態にある患者の多くは病識がなく、治療導入に困難をきたしがちです。患者の病識育成という大きな臨床上のニーズがあり、 CBT に期待が寄せられています。   2 薬物療法 抵抗性の症状への対応薬物療法を行っても、幻覚・妄想症状が十分消退しない症例が少なくないといわれています。こうした際に治療者が薬物療法という治療ツールしかもち合わせていないと、それ以上の介入が難しくなってしまいます。また、多剤併用・大量投...

障害者就業・生活支援センターの定義、適応、課題と展望について

障害者就業・生活支援センターの定義 障害者就業・生活支援センターは、雇用、保健、福祉、教育などの地域の関係機関との連携のもと、利用者の身近な地域において就業面および生活面における一体的な支援を行うことを目的とする支援機関です。 同じ厚生労働省内でも障害保健福祉部が所掌する総合支援法下の就労移行支援事業、就労継続支援A型事業、同B型事業による支援機関と異なり、職業安定局と障害保健福祉部の連携事業である「障害者就業・生活支援センター事業」により平成14(2002)年より創設されましました。 障害者就業・生活支援センターの適応 障害をもつ人のための就労支援は、就職に向けた準備、求職活動、就労後の職場適応・職場生活支援、といった段階を経るのが一般的です。 一連の支援活動のなかで就業・生活支援センターは「働きたいが、何から始めればいいのかわからないので相談したい」と思っている人に対する職業訓練や職場実習のあっせんといった就労準備のごく初期の支援や、就労後に職場でのさまざまな悩みに関する相談を受けるといった職場定着のための支援を行う機能を担っています。 いずれの支援も生活面での支援と一体的に行われることが同センターの特徴です。 こうした支援ニーズは多くの人に共通のものであり、障害をもちながら就労を希望する人はみな同センターの利用が適応であると考えられます。 障害者就業・生活支援センターの課題と今後の展望 平成25(2013)年の障害者雇用促進法の改正により精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加える措置が追加され、平成30(2018)年より雇用が義務化されるにあたり、精神障害者への就労支援はますます重要となっています。 その一方、課題も明らかになりつつあります。 障害者就業・生活支援センターは身体障害、知的障害、精神障害のいずれの障害をもつ人も対象としており、精神障害をもつ人に特化した機関ではありません。 障害者就業・生活支援センターでは、十分なアセスメントと繰り返し実施されるトレーニングのあとにさらに実習などを経て就労する、という従来知的障害者に対して行ってきた支援方法を精神障害者の支援にも援用することが多いです。 このような「Train-Placeモデル(訓練のあとに実際の就労現場に入る)」による就労支援は、知的障害の障害特...

作業所とは?対象者や作業内容、利用手順などを解説します!

作業所の定義 「作業所」とは、1950年代から設置が始まった施設ですが、法律的に定められた基準はなく、よび名も、「共同作業所」「小規模作業所」「福祉作業所」「小規模授産施設」などさまざまです。 そこには、障害をもった人々の地域での生活を支える基盤が乏しいなかで、「当事者の地域での生活を支える」という熱意をもった当事者、家族、支援者(専門職に限らない)らが、試行錯誤しながら作り上げてきた歴史があります。 いわば、有志による草の根的な活動により発展し、障害をもつ人々にとって、「生活の場」「交流の場」「仕事の場」などとして着実にその機能をはたしてきたのです。 しかし、多くの施設では、資金面、人材面で運営に苦労しているという実情があります。 障害者自立支援法施行後は、地域活動支援センター、就労継続支援A型、就労継続支援B型へ移行しているところも多ですが、市町村間で施設に対しての支援内容は格差があり、それぞれの施設がさまざまなアイデアを出しながら、運営を切り盛りしています。 このように、「作業所」とは、法律や規則によって作られたものでなく、現場から生み出されたものであり、その後もさまざまな困難にぶつかりながらも、当事者の地域での暮らしを支えるために脈々とわが国の精神科分野に根づいています。 作業所の対象者 対象者には、さまざまな人が挙がります。 地域で生活しているが、自宅にひきこもりがちで、何とか外につながるきっかけを必要としている人。 退院後に、病院以外の穏やかな場所で他者と交流する場を求めている人。 就労を目指しているが、一般就労するにはまだ自信がなく、訓練を通して自信をつけたい人。 挙げればきりがないが、大切なことは、本人、家族、支援者が一緒に見学や体験入所をして、本人が「行きたい」「まずは挑戦してみたい」という意思をもつことです。 作業所の内容  作業内容 作業内容はそれぞれの施設により異なり、多岐にわたります。 例を挙げると、段ボール梱包作業、清掃業、喫茶店、ダイレクトメール封入などです。 そのため、まずは、実際にその施設に出向き、確認することが大切です。 なお、作業内容の変更を検討している施設も多々あるので、現在行っている作業内容だけでなく、将来的な内容も確認する必要があります。 作業所...

作業療法士が転職サイトを利用すべき理由

作業療法士が転職サイトを利用すべき理由とは 作業療法士が今よりよい職場を探すためには、転職サイトの利用をおすすめします。 今の職場ではスキルアップに限界がある、年収アップが期待できない、といった状況にあるなら早期の転職を考えましょう。 業務独占資格を必要とする職種であっても、年齢は必ず関係してきます。 年齢を重ねているほど、転職で不利になってしまうのは間違いありません。40代より20代のほうが有利なのは間違いないため、早め早めに決めることが大切なのです。 自分だけで、転職活動を行っていると、転職希望先の情報が十分に分からないことがあります。 また、給料やボーナス、福利厚生といったことは、大変重要ですが、ハローワークなどに記載されている情報だけでは、不十分と感じる事が多いと思います。 そのため、作業療法士専門の転職サイトへ登録し、しっかりと、情報を収集することが大切となります。 転職サイトに登録すると、転職エージェントの担当者が深く掘り下げて調べてくれます。 そして、希望に合った病院や施設と連絡を取り、面接までつなげてくれるのです。 そのため、忙しく転職活動が十分に行えない方にも、転職サイトへの登録をおすすめすることができます。 また、面接のポイントといった転職活動に必要な情報も適宜教えてくれるため、心強いです。 これから、おすすめ作業療法士の方におすすめしたい転職サイトを紹介していきます。 自分に合った転職サイトへ登録し、夢を実現しましょう! おすすめ転職サイト①マイナビコメディカル マイナビコメディカル 作業療法士(OT) マイナビコメディカルは、安心・定着できる求人を数多く募集しているサイトです。転職回数は本来少ないほうが好ましく、これは生涯収入に影響してくるからです。一つの職場に長く居続けたほうが、収入・賞与・退職金アップが期待できるでしょう。そうした意味でも転職で失敗しないように慎重になる必要があるわけです。掲載しているエリアは限定されていますが、該当エリアで仕事探しをする方にとっては理想でしょう。 非公開求人も掲載されているので、質のよい仕事探しが可能となります。閲覧は登録後となるので、まずは無料登録を済ませておきましょう。転職エージェントが個別に対応してくれるので、わからないことは質問し...

非律動性不随意運動(異常運動)の種類

非律動性不随意運動(異常運動)の種類 バリズム 四肢近位関節を中心に振り回されるような粗大で 激しい運動をバリズムといいます。 舞踏病(アテトーゼ) 一定の肢位を保持できずに、四肢や体幹の不規則かつ非律動的にゆっくりと動かす運動を舞踏病(アテトーゼ)といいます。 ジストニー 緩徐で持続の長い力強い、主に長軸を中心として 捻るような運動をジストニーといいます。 チック 顔しかめ、瞬き、舌だし、肩すくめ、首振り、溜息、唸り声など突発する瞬間的な身振りや習癖と 関連した運動をチックといいます。 口舌ジスキネジー 口の左右へのもぐもぐや尖らし運動、舌の前後左 右への不規則な動きや回唇のなめ回しなどを口舌ジスキネジーといいます。 ミオクローヌス 一つまたは多くの筋の短時間の不随意的な収縮運動をミオクローヌスといいます。

絶対筋力と最大筋力と筋力増加について

絶対筋力 絶対筋力は、l㎠あたり4~10kgとなります。 絶対筋力は、年齢・性別・トレーニングの有無により異なります。 絶対筋力は、筋横断面積に比例します。 最大筋力を決める要因 収縮様態は遠心性収縮>等尺性収縮>求心性収縮の順で最大筋力の強さが異なります。 最大筋力は、筋線維の数と長さ、筋の横断面積のより異なります。 関節の回転運動が、関節角度が120°付近が最大筋力が発揮されます。 通常、筋収縮は70~80%で制限されています。 筋力増加について トレーニング初期の筋力増加は、収縮していなかつた筋線維が働き出すことによるものになります。 単位断面積あたりの発揮筋力、すなわち絶対筋力は増加しますが、筋横断面積はそれほど増加しません。 さらにトレーニングを続けると、骨格筋が肥大して筋力が増加します。

姿勢制御機構の階層性

下位中枢の機能は上位中枢に統合され、下位中枢独自の機能は抑制されています。 静的姿勢制御 頭部・体幹を重力方向に対 して正しい位置に戻し、構えを正常位にすることを立ち直り反射といいます。 動的姿勢制御 支持基底面を移動させて姿勢を保持する反応をバランス反応、平衡反応といいます。 1つの反射による運動が次の反射運動の刺激となリー連の反射が連続して起こる連鎖反応です。 個々の反射が連続して規則的に機能します。 脊髄反射 脊髄反射には、①伸張反射、②屈曲反射、③陽性支持反応と陰性支持反応、④交叉性反射、⑤長脊髄反射があります。 低位脳幹(延髄、橋)の反射 ①緊張性頸反射(非対称性緊張性頸反射 、対称性緊張性頸反射)、②緊張性迷路反射 、③頸の立ち直り反射があります。 高位脳幹(中脳)と視床の反射 ①迷路性立ち直り反射、②頸に対する体の立ち直り反射、③体に対する体の立ち直り反射があります。 大脳皮質の反射 ①視性立ち直り反射、②踏み直り反応、③跳び直 り反応、④足踏み反応があります。

筋収縮の種類と特徴

等尺性収縮 isometric contraction 抵抗に対して筋が収縮する場合、筋の張力が増し収縮しているにもかかわらず、筋の起始・停止が一定の長さを保っている収縮のことをいいます。 実際には筋内部における収縮性部(筋線維)の短縮と両端の弾性部(腱など)の延長が起こっています。 等尺性収縮の特徴 酸素消費は少ない。 最大張力を得やすい。 関節を動かしてはならない場合でも、筋力増強訓練として使用することができる。 特別な機器を利用せずにどこでも簡単に行うことができる。 運動痛のある四肢の筋力増強に適している。 比較的短時間に急速に筋力を向上させる。 関節角度特異性がある。 大きな力をだしていなくても疲労感が強くなりやすい。 強い負荷を持続的に与えた場合、末梢血管抵抗を増大させて血圧の上昇を招く恐れがある。 運動負荷が過負荷になる傾向がある。 固有感覚障害により位置覚・運動覚力、喪失している場合には、運動を自覚することが困難となる。 等張性収縮 isotonic contraction 抵抗に対して筋が収縮し、張力がかかり、関節運動が起きる場合の収縮をいいます。 (同量の負荷抵抗に対して筋収縮を行うため、等張性収縮といいます) 実際には、筋の牽引角度・角速度・てこの原理による負荷量が変化するため一定の張力を保持することは不可能です。 等張性収縮の特徴 筋のポンプ作用の賦活により静脈血・リンパの還流を多くする。 心肺機能の働きの促進に適している。 運動感覚刺激を向上させることができる。 筋力を規則正しい速度で改善していく傾向がある。 強度が強く、時間を延長するに従って酸素消費が大きくなる。 最大張力を得にくい。 求心性収縮(短縮性収縮) concentric contraction 筋収縮時に筋の起始・停止が近づいていく、筋張力が抵抗より大きい場合にみられる相のことをいいます。 負荷量よりも筋張力が強く、筋の長さが短縮しつつ運動する。 一定の割合で筋力増強をするのに適している。 少ない負荷量で運動回数を増やすことにより筋持久力の増大が図れる。 遠心性収縮(伸張性収縮) eccentnc contraction 筋収縮時に筋の起始・停止が遠ざかる、抵抗が筋張力より大きい...

強直と拘縮と関節機能異常

強直と拘縮と関節機能異常 強直 ankylosis 関節内にある組織の病理的変化に基づいて関節面が癒着し、可能性を喪失した状態を言います。 骨性強直(完全強直)と結合織性強直(不完全強直)とがあります。 理学療法では、ほとんど治療困難なものです。 拘縮 sontracture 関節外にある軟部組織が病理的変化に基づいて短縮し、伸展性が喪失したために、可動域が制限された状態を言います。対象となる組織によって皮膚性拘縮、筋性拘縮、神経性拘縮、関節性拘縮などと呼ばれます。 感染に、またはある程度改善される余地のあるものをいいます。 関節機能異常 jaoint dysfunction(Mennellによる) 病理学的に変化がない関節で遊び、滑り、回転などの関節内運動の機能が傷害された状態を言います。 改善が可能なものを言います。

高次脳機能障害と発達障害の違い

高次脳機能障害と発達障害の違い 高次脳機能障害 ・原因 後天性の脳機能障害 ・回復過程 脳の可塑性があるために症状が改善する ・遺伝 児の障害が親に似るわけではない ・対応の基本 リハビリテーション 発達障害 ・原因 生まれつきの脳機能障害 ・回復過程 発達に伴い症状が変化する ・遺伝 児の特徴が、親に似た傾向をもつことが多い ・対応の基本 ハビリテーション Jpn J Rehabil Med Vol. 53 No. 5 2016より参照

S-PA 標準言語性対連合学習検査

S-PA 標準言語性対連合学習検査 S-PAとは 日本高次脳機能障害学会より開発された、言語性記憶(言われた内容を覚えている、約束を覚えている、また自らが予定したことを行う時などに必要な言語を用いた記憶)を把握するための検査です。 特徴 時代を考慮した対語の選択と、全国レベルでデータ収集を実施されています。 また、年齢別の判定基準を導入されており、標準化が行われていることが特徴です。 構成 S-PAの構成は、有関係対語(意味関連のある単語)10対と、無関係対語(意味関連が希薄な単語)10対より構成されています。 実施方法 組み合わせ(対語)を検査者が読み上げ、被検査者に記憶してもらいます。 その後、単語対のはじめの単語を提示して、その語と対をなしていたもう一方の単語を応えてもらうものです。 S-PAは、用いる単語を時代を考慮して選出し、有関係・無関係対語試験の組み合わせを3セットを用意されています。 適応年齢 16歳~84歳 (失語症は対応すべきでない病態とされています。) 所要時間 10分となります。 保険点数 区分 D285-2 点数 280点 S-PAと三宅式記銘力検査の違い S-PAは、有関係対語試験、無関係対語試験の組み合わせが3種類(セットA・B・C)用意されており、用いる対語は時代を考慮したものとなっています。 さらに、S-PAは健常者の年齢別の平均値を示しており、検査成績の客観的な解釈が可能となっています。 また、スコアリングシートが付いており、簡便に判定できるようになっています。 三宅式記銘力検査は、1セットのみの構成となっており、複数回の使用が難しいことや、対語が現代に合っていないもの(停車場、真綿)などが含まれている点があります。 三宅式記銘力検査の詳細はこちら↓ 三宅式記銘力検査

進行性核上性麻痺 (PSP)の重症度機能評価スケール

進行性核上性麻痺 (PSP)の重症度機能評価スケール 機能評価スケールは、症状の有無や重症度の定量化、治療の効果検証などに役立ち、包括的なリハビリテーションを提供する上で重要です。 PSPの機能評価スケールには、2つの評価スケールがあります。 Unified Parkinson’s DiseaseRating Scale(UPDRS) 一つは、Unified Parkinson’s DiseaseRating Scale(UPDRS)が一般的に普及してます。 この評価スケールは、パーキンソン病をもとにデザインされているが、運動項目においてPSPにも適応されます。 検査方法や評価表はこちら↓ http://www.st-medica.com/2012/12/updrs.html Progressive Supranuclear PalsyRating Scale(PSPRS) 2つ目は、Lawrence I GolbeによってデザインされたProgressive Supranuclear PalsyRating Scale(PSPRS)があります。 精神機能、嚥下機能、眼球運動機能、四肢体幹機能等を評価します。 このPSPRSには、Lawrence l Golbe監修のもと、湯浅と濱田の両博十が翻訳した進行性核上性麻痺機能評価尺度日本語版(PSPRS-J)があります。 各項目の重症度に応じた点数が配分されていて、重症度が高いほど点数が高く、最高で100点となっています。 PSPRSの評価表はこちら↓ http://www.kamagaya-hp.jp/center/kc_mind/pdf/101101_01.pdf

遂行機能(executive function)

遂行機能とは 遂行機能(executive function)とは神経心理学的な立場から形成された概念です。 目的をもった一連の活動を有効に成し遂げるため、自ら目標を設定し、計画を立て、実際の行動を効果的に行う能力のことをいいます。 一般的な遂行機能の特徴は、目標指向性、新規の問題の解決、ルーチンである反応の抑制、複数のアプローチ法、複数の課題が同時に存在すること(同時処理)、状況に応じた柔軟な解決、規則の推論、概念化や概念の形成といった機能をいいます。 日常生活と遂行機能 日常生活では、買い物や料理の手順、銀行などでの手続き、対人関係の構築や維持には必要とされる機能で、職場では遂行機能を多用しています。 遂行機能に問題があると 遂行機能が保たれていれば自立した生産的な生活ができますが、逆に遂行機能障害を認めると他の認知機能や身体機能が良好であっても自立した生活や社会的に意味のある生活を送ることは困難となります。 言語、行為、視覚認知、視空間認知、記憶といった比較的要素的な領域では、なにをどれだけできるかという指標で表されるが、遂行機能はどのように物事を行うか、あるいは物事を行うか否かで判断されます。 そのため、遂行機能障害は、計画を立てる際やルーチンではない、新たな状況や問題が生じた際に出現しやすいといわれています。 遂行機能に問題があると、変化した状況では、計画のない場当たり的な行動になってしまったり、以前にとった行動と同じ行動を続けてしまったりします。

10メートル歩行テスト (10MWT)

10メートル歩行テスト (10MWT) 10m歩行テストには、いくつかのバリエーションがあります。 ➀10mの歩行時間を計測して歩行速度を求める方法 ➁10mの歩行時間に加えて10mを歩く歩数を計測し、そこから歩幅や歩調(歩行率)を求める方法 ➂10mの歩行時間と歩数だけでなく、実際の歩行距離を測定する方法 ➀の方法の欠点 歩行速度の情報しか得られないため、より詳細に個人の歩行周期を評価するには不十分です。 ➁の方法の欠点 歩行速度の他に歩幅と歩調が求められますが、実際の歩行距離を計測していないために、個々人の歩幅に最大1幅分の誤差が生じることになります。 ➁の方法はリハビリテーションの臨床でよく使われていますが、テスト法について記載に混乱が見られているようです。 「患者の足がスタートラインを踏むか、越えた時にストップウォッチをスタートさせ、同時に歩数を数え始める。患者の足が完全にエンドラインを越え後方の足が床から離れた時に計測を終了する」と記載している文献がある一方、「患者の足がスタートラインを踏むか、越えた時にストップウォッチをスタートさせ、同時に歩数を数え始める。患者の足が完全にエンドラインを越えた時に測定を終了する」と記載している文献もあります。 「計測の終了」が、「後方の患者の足が床から離れた時」なのか「エンドラインを越えた時」なのかは、記述が統一されておらず計測者によって誤差がでてしまいます。 ➂の方法の利点 10mの歩行時間に加えて、実際の歩行距離と歩数を測定するため、歩幅と歩調の誤差が少ないのが特徴で、テストの再現性も確認されています。 これによって個人別の歩幅、歩調を正確に測定することができます。ただしこの方法では、検査者が最低3名必要であると言われています。 カットオフ値といわている値 屋内歩行 24.6秒 屋外歩行 11.6秒

肩関節疾患に使用する装具や三角筋の座位での観察ポイント

肩関節疾患に使用する装具や三角筋の座位での観察ポイント 肩関節疾患に対して、保護を目的に装具や三角巾を用いられることがありますが、装着の仕方によっては、肩関節周囲筋の筋緊張が高まり、痛みが出現してしまうことがあり、そのままにしておくと、肩関節拘縮状態に移行してしまうことがあります。 正しい姿勢で装具をきちんと装着することで、手術部位の保護や痛みの緩和、円滑な関節可動域練習の一助となります。 上肢の重みが装具や三角巾の一部に負荷がかかることを防ぐために、膝の上にクッション等を置いて上肢を載せることも良肢位の保持につながると言われています。 座位での安静肢位の観察ポイント 肩甲骨の高さが同じ 術側が健側と比べて前後にずれていない 前腕が浮いたりせず装具に収まっている 手首の位置が肘よりも低い位置になっていない 観察・指導の継続 装具を使用した状態での姿勢の調整は、慣れるまで時間がかかることもあります。鏡を見ながらでは調整しにくいこともあるため、慣れるまでは病棟での観察・指導を継続することも大切なことです。

脊髄麻痺型の種類

脊髄麻痺型の種類 中心部損傷型 脊髄中心部(灰白質、白質の内側)が損傷され、下肢の運動障害に比較して上肢の障害が強く残存するタイプ。 前側部型 脊髄中心部に加えて前索、側索が損傷され、上下肢の運動、表在性の知覚障害があるが深部感覚は残存するタイプ。 後側部型 脊髄中心部に加えて後索、側索が損傷され、上下肢の運動障害、深部知覚障害があるが表在感覚は残存するタイプ。 半側型(Brown–Séquard型) 損傷側の錐体路・後索・反対側の脊髄視床路が損傷され、損傷側の表在感覚障害を認めるタイプ。 横断型 灰白質・全索路が損傷され、損傷部以下の知覚、運動障害を認めるタイプ。

下肢の関節可動域(ROM)

下肢の関節可動域(ROM) 股の関節可動域 屈曲:125° 伸展:15° 外転:45° 内転:20° 外旋:45° 内旋:45° 膝の関節可動域 屈曲:130° 伸展:0° 足の関節可動域 屈曲(底屈):45° 伸展(背屈):20° 足部の関節可動域 外がえし(外反):20° 内がえし(内反):30° 外転:10° 内転:20°   母指(趾)の関節可動域 屈曲(MTP):35° 伸展(MTP):60° 屈曲(IP):60° 伸展(IP):0° 足指の関節可動域 屈曲(MTP):35° 伸展(MTP):40° 屈曲(PIP):35° 伸展(PIP):0° 屈曲(DIP):50° 伸展(DIP):0° 上肢の関節可動域はこちら↓ http://www.st-medica.com/2016/05/rom-jousi.html https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1964/32/4/32_4_207/_pdf参照

FIMの評価・採点ポイントまとめ

FIMの評価・採点ポイントのまとめ 当サイトのFIMの記事をまとめています。 FIMの採点の一助になればと思います。 採点の基本概念 FIMの採点の基本概念 FIM運動項目 食事の採点ポイント 整容の採点ポイント 清拭の採点ポイント 更衣(上半身)の採点ポイント 更衣(下半身)採点ポイント トイレ動作の採点ポイント 排尿管理の採点ポイント 排便管理の採点ポイント 移乗ベッド・椅子・車いすの採点ポイント トイレ移乗の採点ポイント 浴槽移乗の採点ポイント 移動(歩行・車いす)の採点ポイント 階段の採点ポイント FIM認知項目 理解・表出の採点ポイント 社会的交流の採点ポイント 問題解決の採点ポイント 記憶の採点ポイント

FIM 記憶の採点ポイント

FIM 記憶の採点ポイント 概念 日常生活を行う上で必要になる内容を覚えていられるか、言語的、視覚的情報を記憶し、再生する能力を評価します。 課題の遂行能力だけでなく学習障害も含まれます。 FIMでいう記憶とは 日常生活をするために必要なこと(日課やよく会う人の認識、人からの依頼)を覚えている 過去の出来事(幼少期の記憶)などの長期記憶や記銘力テスト(数字の順唱)の結果ではありません。 急な予定の変更や直近の約束などは含まれません。 FIMの記憶の内容 1.普段の日課 訓練の場所・時間 食事の場所・時間 起床・就寝時間 など 2.よく会う人の認識 家族 担当の医師・療法士・看護師 同室患者 など 3.人からの依頼の実行 訓練終了後、療法士から検査室に行くように指示された 看護師から、直ちにレントゲン受付に行くように指示された 食事後に薬を手渡しされ、飲むように指示された 同室患者から看護師を読んでほしいと依頼された  など 記憶の採点法 普段の日課、よく会う人の認識、人からの依頼をよく覚えていることが可能かどうかで採点します。 可能  → 7点 6点(メモリーノート、タイマーなど道具が必要) 不可能  → 5~1点:覚えていられない程度(3項目の割合)で採点 失語症の場合 昨日の訓練の内容を覚えているか、見せた3つのことを示せるか、続けて3つのジェスチャーをまねできるか(3段階の無関係な命令)で評価します。 ※感覚失語のために命令が通らない場合、普段の日課とよく会う人の2項目で採点します。 FIM採点ポイントまとめはこちら↓ http://www.st-medica.com/2016/05/fim-saiten-matome.html FIMの採点の基本概念はこちら↓ http://www.st-medica.com/2016/04/fim.html