失語症の発話の障害について





失語症の発話の障害について


流暢か非流暢か


流暢な失語



  • スラスラ話す(プロソディ障害なし)
  • 文が長い
  • たくさん話す(発話量が多い)
  • 発語失行がない
  • 後方病変例が多い

非流暢な失語



  • トツトツと話す(プロソディ障害あり)
  • 文が短い
  • あまり話さない(発話量が少ない)
  • 発語失行がある
  • 前方病変例が多い

発話症状


喚語困難


いいたいことを必要に応じて喚起することができない


迂回反応


用途などを説明する。
例:「えんぴつ」→「字を書くもの」


音韻性錯語


語中音が他の音になる。
例:「えんぴつ」→「えんぽつ」


意味性錯語


他の語に置き換わる。
例:「えんぴつ」→「消しゴム」


新造語


語の意味が推測できない。
例:「えんぴつ」→「さねとり」
*障害のタイプにより、生じる誤り方が異なる


文の発話の障害


失文法(非流暢失語に出現)


助詞や助動詞が脱落し実質語だけ産生される
例:「明日は休みます」→「明日、休み」電文体


錯文法


助詞の使用の誤り
例:「えんぴつで字を書く」→「えんぴつが字で書く」

ジャルゴン:意味をなさない発話(流暢失語に出現)



①未分化ジャルゴン


語の区切りがはっきりしない
例:「はれでてのけんとででんとねれ・・・」


②新造語ジャルゴン


内容語の多くが新造語に成る
例:「とでめで、はるったんで、それでかごねったんですよ」   


③意味性ジャルゴン


発話が語性錯語から成る
例:「雨が、それで車から食べてるの」