ブローカ失語 (broca aphasia)






ブローカ失語 (broca aphasia)

発話:非流暢(発語失行あり)
復唱:不良
聴理解:比較的良好

古典論の皮質性運動失語に対応。
ブローカによって最初に報告された症例(Leborgne)がこの類型であったことからブローカ失語と呼ばれている。
主として言語表出面の障害によって特徴づけられる非流暢失語の典型である。
構音は不良であり、非常な努力のもとになされる(発語失行)。
音韻学的障害やプロソディの障害があり、文章の長さは短く、失文法が認められ、主語と述語よりなる電文体の形をとることもある。
錯語は当然字性錯語が多いが語性錯語も認められる。
語の想起は多少とも不良である。
このような障害は自発発話だけでなく復唱においても認められる。
言語表出面での障害に比して言語認識面での障害は軽度であるが、全く正常ではない。
失文法を示す症例では文法認識の障害も認められる。
書字でも障害が認められ、機能語を書き落とす誤りが多い。
読字では、動詞の活用語尾や機能語を読み落としたり読み違えたりする。
結果として文章全体の意味を取り違える。
多くの症例で片麻痺があり、しばしば半側体性感覚障害や半盲が認められる。
観念運動失行や顔面失行を伴うことも少なくない。
鬱状態を示す症例もしばしば認められる。