ことばの発達を促す「ことばかけ」の方法「ミラリング」「モニタリング」「パラレルトーク」「セルフトーク」「リフレクション」「エキスパンション」について言語聴覚士が解説!

赤ちゃんの動きをまねる「ミラリング」


生後2ヶ月くらいまでは、赤ちゃんは、身体を大きくすることに懸命ですが、3ヶ月、4ヶ月以降は、自分で身体を動かせるようになってきます。
目もだいぶ上手に使えるようになってきます。
赤ちゃんが手足をバタバタさせたら、大人も真似て手をパタパタさせてみたり、まねをしてあげると良いです。
おすわりができるようになったら、ベッドのさくをガタガタさせるのを一緒に真似て遊んだり、積み木をトントン打ち合わせるのを真似てみたり、いろんなことができます。
赤ちゃんは、自分と同じ動きをしてくれる大人に、興味をもち、「この次も、また真似をしてくれるかな?」と大人の様子を観察しながら、誘いをかけてきたりします。
鏡に映すように真似るという意味で「ミラリング」といいます。

赤ちゃんの出す声や音をまねる「モニタリング」


赤ちゃんはごきげんなときに、唇を使って「ブーブー」「ブーブー」と言ったり、「フニャー、ウニャー」と声を出したりします。
こういう意味のない(と大人にはみえる)声を真似して返してあげることで、赤ちゃんは「音を出すこと」「音を出すと、あっちから同じ音が返ってくること」を楽しむようになり、話をする楽しさを知るようになっていきます。
このことを、音を拾ってモニターする意味で、「モニタリング」いいます。

赤ちゃんの状態や気持ちを代わりにことばで言ってあげる「パラレルトーク」


赤ちゃんが、おやつを食べながら幸せそうな顔になったら、「おいしいね」といい、ミルクがこぼれてエプロンがびしょびしょになったら、「あら、びしょびしょになっちゃったね」などと言います。
どこかにゴチンとぶつけたら「痛くない!」ではなく「イタイ、イタイね」などと言ってあげましょう。
そういった言葉かけを行うことで、大人はボク(ワタシ)のことを「よく分かってくれているんだな」という安心感が、子どもの一生を支える宝物になります。
子ども平行していうので、「パラレルトーク」といいます。

お父さんお母さんが自分の口に出していう「セルフトーク」


お風呂に入ろうとしている時にバスタオルが見つからない。「あれ?バスタオルどこだろう?」
怪訝そうな顔をしてみているこどもに「バスタオルを探しているんだよ」
そして「あった、あった」「さあ、お風呂にはいろう!」
こんなふうに自分の行動を口に出していうことを「セルフトーク」といいます。
赤ちゃんや子どもは大人の姿をみて、だんだんに「バスタオル」や「探す」といったことばの意味を知るようになっていきます。

子どもが間違えた言葉をさり気なく直して返す「リフレクション」


子:「あ、うたぎたん!」
親:「ほんどだ、うさぎさんだね」
子:「うたぎさん、お耳、おっちいねぇ」
親:「ほんとだね、うさぎさんの耳、おおきいねぇ」
子どもが言った言葉に間違いがあってもm言い直しをさせたり、訂正するのではなく、さりげなく正しく直して返してあげるようにしましょう。
これを「リフレクション」といいます。
「そうね」「ほんとだ」で始まる文章で返しましょう。
カラスのことを「たあちゅ」っていう子がいます。
「たあちゅじゃないの、か・ら・す!いってごらん!」
なんて言われ続けたら、お話をするのを嫌いな子になってしまうかもしれません。
子どもがおぼつかない口調で一生懸命に話してくれることは、なるべく「そうだね」「ほんとだね」という受け方で答えます。
「そうだね」(あなたは、あの、黒い鳥のことを言ったのね、という気持ちで)いったん受け止めてから、正しいことば「カラスだね」とさりげなく直してあげる程度が良いでしょう。

子どもが言った言葉を少し広げて返す「エクスパンション」


子:「うわー、おおっきいブーブ」
親:「ほんどだ、大きいブーブだね。何を積んでるんだろうね。」
という具合に、話題を少しふくらませて返すことを「エクスパンション」といいます。
単語を並べて(2語文、3語文)、比較的達者にお話ができるようになると、こういった関わりが大切になってきます。

ゆっくり、はっきり、繰り返し話してあげましょう!

赤ちゃんや小さい子の耳の聞き取りの力はまだ未熟です。
ご国語を習い始めた時と同じです。
相手がゆっくり、はっきり話してくれると、よくわかります。
赤ちゃんに対しても、普通の大人に対して話すよりも、心持ちゆっくりめに、はっきりと話してあげましょう。
一番大切なことは、大人が何かを教えようという気負いを捨てて、赤ちゃんがどんな気持ちでいるのかを知ろう、まだ「ことば」にはならない色々なしぐさを読み取ろう、とあの手この手で観察することです。
赤ちゃんのことを細かく観察しているうちに、きっと、赤ちゃんと一緒にいることを楽しめるようになるでしょう。

「ことばかけ」は日頃の生活の中の自然な関わりで十分


お母さんたちに「何について話しかければいいですか?」と真剣に尋ねられることがあります。
何か特別なことをしようと思わなくても、日頃の生活の中で自然にやっていれば十分です。
日頃の生活の中で、今回、ご紹介した「ミラリング」「モニタリング」「パラレルトーク」「セルフトーク」「リフレクション」「エキスパンション」を取り入れながら、子育てを楽しみながら子どもと接していきましょう!