失読失書 alexia with agraphia

失読失書 alexia with agraphia

失読と失書が1つの病巣(主に左角回病巣)によって同時に生じたものをいいます。
失読失書での、読みは、音読と理解の両方が障害されます。
日本語では、仮名、漢字ともに読みが障害されます。
漢字の読みが比較的良好な症例も報告されていますが、多数例でみると仮名と漢字の読みに差がないという批判があります。
なぞり読みの効果はありません。
書字障害の程度は、失読と平行するとも言われていますが、症例によっていずれかが強く現れる場合や、回復の程度が異なる場合があります。
失書は、左右の手に現れます。 日本語では、漢字では、想起困難と錯書がみられ、仮名では、個々の文字が書けない場合と、仮名を多用するが文字選択の誤り(錯書)が明らかな場合の両者が起こります。
また、経過とともに仮名書字が可能となる傾向がみられます。
字形態の崩れは少ないといわれています。 写字能力については、今日では写字能力は保存されている点がむしろ特徴と考えられています。 患者は文字を認知した上で、自分の字体による書き下しが可能であり、正しい筆順で流暢に書き写すことができます。
失読失書は、多少なりとも呼称障害あるいは喚語困難を伴います。
また、流暢性失語を伴う場合や、流暢性失語が改善して失読失書が明らかとなる場合があります。
病巣が前方へ伸展すると失語性要因が加わりますが、縁上回方向では伝導失語、側頭葉上部方向ではウェルニッケ失語が加わる傾向があります。
そのほかに、失書に失算、手指失認、左右失認が加わって、いわゆるゲルストマン症候群を構成する場合がありますが、失読はこの症候群には含まれていません。
病巣は、左半球の角回付近と考えられ、中大脳動脈の分枝である角回動脈領域の梗塞で起こることが多いといわれています。
角回の損傷であっても失読失書が必発とは限りません。なお、側頭葉後部ないしは後下部病巣による失読失書も報告されています。

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