行動性無視検査 日本版 (Behavioural inattention test : BIT) 概要と結果の解釈

行動性無視検査 日本版 (Behavioural inattention test : BIT) 概要と結果の解釈



BITは半側空間無視検査です。


BIT行動性無視検査日本版は、日本人高齢者に適応可能なように作製され、また、本邦の健常人ならびに脳損傷患者のデータをもとに、正常値と妥当性が確立されています。


検査内容

 通常検査

  1. 線分抹消試験
  2. 文字抹消試験
  3. 星印抹消試験
  4. 模写試験
  5. 線分二等分試験
  6. 描画試験

 行動検査

  1. 写真課題
  2. 電話課題
  3. メニュー課題
  4. 音読課題
  5. 時計課題
  6. 硬貨課題
  7. 書写課題
  8. 地図課題
  9. トランプ課題


・通常検査 最高得点141点 カットオフ 131点
・行動検査 最高得点81点 カットオフ 68点


結果の解釈

BIT通常検査合計得点が131点以下の場合には、半側空間無視があり、 ADL、訓練場面においても無視による障害が現れます。

下位検査の1つ以上でカットオフ点以下があるが、通常検査合計得点が 132点以上の時には、半側空間無視の可能性を考え、検査結果やADL、 訓練場面を注意深く観察する必要があります。
●通常検査では、カットオフ点以下の下位検査数で、重症度を表現する方法が用いられており、多数例についていえばBITの重症度とADL上でみられる無視による問題点は大体平行していると言われています。

●代償的方略によって検査成績が良い例と、反対に検査上の無視は、はっきりしているが、慣れた生活範囲への適応が可能な例もあるので、 検査成績にこだわりすぎず、ADL場面を観察する事が重要です。