起立性低血圧

起立性低血圧

起立性低血圧は臥位または座位から立位直後(数分以内)に血圧が低下して失神する病態です。

圧受容器反射系の機能異常(低下)もしくは循環血液量の過度の低下に起因します。

診断基準として起立3分(5分)以内に収縮期血圧の20mmHg以上の低下(もしくは収縮期血圧90mmHg未満)、拡張期血圧の10mmHg以上の低下とされています。

起立性低血圧の原因として、①特発性自律神経障害(純粋自律神経失調、Shy-Drager症候群、Parkinson病など)、②二次性自律神経障害(加齢、自己免疫疾患、腫瘍性ニューロパチー、多発性硬化症、糖尿病、アミロイドーシス、アルコール中毒、腎不全、神経性感染症、代謝性疾患などによる)、③薬剤性および脱水症性(利尿薬、α遮断薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、硝酸薬、抗うつ薬、節遮断薬、精神神経作動薬、アルコールなど)がありますが、薬剤性および脱水に起因するものが最も多いと言われています。

通常は起立による血圧低下に伴って代償性に頻脈となりますが、神経疾患による純粋な自律神経失調では低血圧に伴う心拍数の上昇が欠如しています。