脳卒中に対する短下肢装具

脳卒中に対する短下肢装具

脳卒中に対して最も多く処方される装具です。
金属支柱付き装具と、著しい発展を遂げているプラスチック装具があり、足継手なしと足継手付きがあります。

金属支柱付き短下肢装具は、弛緩性麻痺、中等度から重度の痙性麻痺や足部内反、外反のある例、重度の感覚障害がありプラスチック装具では対応出来ない症例に対して処方されます。 また、軽度から中等度の反張膝や膝折れ、膝屈曲拘縮を合併した症例にも適応となります。

足継手にはクレンザックやダブルクレンザックを用いて、足関節部の可動域の制限とバネを用いて底背屈の補助を行ないます。

痙縮や拘縮、内反尖足が強い症例に対してはロッドに替えて底屈方向への動きを制限する後方制動を行ないます。

また、内・外反が強い例に対しては外側・内側のT又はYストラップにより制限します。

初期の足関節不安定時は足部固定にした方がよいと言われています。

反張膝に対しては軽度(0~10°)底屈制限・後方制動を行ない、膝折れや軽度の屈曲拘縮には背屈制限・前方制動に足継手を調整し、膝のコントロールを図るようにします。

金属支柱付き短下肢装具は固定性、制動性が良く病態が変化しつつある時期に装具の持つ機能調整が行なえ、多様な対応が可能であり、装着効果も良いです。