線維筋痛症(fibromyalgia:FM)

線維筋痛症(fibromyalgia:FM)

線維筋痛症(fibromyalgia:FM)は、長期間持続する全身の結合織(筋肉、靱帯、腱の疼痛と多彩な愁訴を呈する慢性疾痛のモデルともいえる病態です。

FMでは睡眠障害、慢性的な頭痛(多くは筋緊張性頭痛)、易疲労性、過敏性胃腸障害などの不定愁訴が多く、これらの心身症状は天候・温度・気圧・湿度などの環境変化、肉体負荷・労働・睡眠状態などの身体的なコンディション、社会的、対人交流上のトラブル・感情のもつれなどの精神的ストレスや性格的特性が問題になることもあり、心身症としての側面を濃厚に有している疾患です。

発症の背景には何らかの遺伝的、生理学的要因に加え、女性の内分泌的な内的環境の変化やライフサイクル上の多彩な心理社会的ストレス要因も大きく関係します。

ストレスの形成要因として、不規則な生活、過労、疲労の蓄積などにより引き起こされる肉体的疲弊状態、さらに心理的葛藤、フラストレーション、不適応状態、正当な評価が得られないための欲求不満状態や怒りなどが認められており、これらの心身の疲弊状態に筋肉の疼痛を生じさせる肉体的外傷体験などが加わって発症するプロセスが考えられています。

FMは長い経過の中で不安障害や気分障害を伴うことが多く、時に対応に苦慮することもあります。