傷害期と異化期

傷害期と異化期

侵襲の初期、傷害期には肝臓のグリコーゲンが分解されるが、これが枯渇すると筋肉の蛋白質や脂肪を分解してエネルギーを供給するようになる。この時期を異化期とよぶ。

高度な侵襲の場合、外部から糖を補っても蛋白質の分解を抑制することができない。糖は最も効率のよいエネルギー源だが、インスリン抵抗性を示す場合は糖を入れても生体は利用しにくい状態である。侵襲直後、とくに異化期の患者に高カロリー輸液を行ってもなかなか利用できないのは、こういった代謝異常があるためである。
侵襲をコントロールできなければ、いくら適切な栄養管理とリハを行っても栄養や機能の維持は困難となる。
異化期に機能訓練を行っても筋肉量が減少するばかりで逆効果となるため注意が必要である。


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