境界域梗塞と超皮質性失語

境界域梗塞と超皮質性失語

超皮質性失語は復唱が保たれている失語群です。
超皮質性失語の発現機序は境界域梗塞に限ったわけではありませんが、境界域梗塞により各タイプの超皮質性失語が出現してくることが指摘されています。

前大脳動脈と中大脳動脈、後大脳動脈の脳動脈には脳表を介する吻合があります。
灌膨圧の低下により、これらの脳動脈の境界領域に出現してくる梗塞が境界域(分水嶺)梗塞である主幹動脈の閉塞ないしは高度の狭窄によるアテローム血栓性脳梗塞に特徴的な所見で、表層型境界領域とよばれています。

中大脳動脈と前大脳動脈との境界域梗塞は、前方部境界領域梗塞で、中大脳動脈と後大脳動脈のそれは後方部境界領域梗塞です。
前者では超皮質性運動性失語が、後者では超皮質性感覚性失語が出現することがあります。

中大脳動脈からの穿通枝とその皮質枝から髄質へと向かう髄質枝の境界域は深部型の境界領域です。深部型境界域梗塞では全失語や超皮質性混合性失語のような重症失語が出現してくることがあります。
この場合、形態学的病巣部位は皮質下に限局しているようにみえても、機能障害部位は広範囲です。
失語症が重症であることが、障害が重度であること示唆しています。主幹動脈閉塞による深部型境界域梗塞に基因する重症失語も、形態画像と機能画像の著明な解離を示す病態です。