パーキンソン病 ADL IADL指導

パーキンソン病 ADL IADL指導

Stage l・llでは、ADLの障害はほとんどみられませんが、更衣動作や箸動作に時間がかかるようになります。
大き目のボタンを選択し窮屈な衣類は避けるように指導します。
家事動作は、ビンや缶の蓋の開け閉め、皮むきや固い物を切るなど具体的に本人が困っている動作を評価して動作指導や福祉用具の導入を行います。
家事動作が困難な場合は、家族との役割分担を見直したり、ヘルパーなどの介護サービスを利用したりすることも必要となります。

StageⅢでは、薬効減弱やON-OFF現象の出現パターンを把握し、各ADLの実施時間帯を見直してみるように指導します。
できる限りADLが自立するように、実施時間の変更や動作の簡略化なども検討します。
食事動作では前腕の回内外の動きが制限されて、食物を口に運ぶ動作が困難となります。
食事前の上肢ストレッチや、上肢操作の繰り返し練習を指導し、スプーンの大きさや形状を工夫するなど自助具の導入も検討します。
更衣動作は座位で実施する方法を指導して転倒のリスク軽減を図ります。 入浴動作では、手すりの設置や福祉用具の導入が必要となります。
大掛かりな改修が必要であれば、通所リハ時に利用するなど自宅外での入浴を検討することも、安全な入浴環境確保や家族の介護負担の軽減のための選択肢の1つです。
敷居やカーペットの段差でも転倒の原因となることがあるので、テープを貼って視覚的注意喚起をはかり、すくみ足の出易い箇所には床に目印などをつけます。
洋服や利用頻度の高い物品の収納の位置、軽い布団、足元の布団をめくる時には「孫の手」を利用するなどこと細かな対策で患者、家族のストレスや介護負担が軽減できることが多くあります。

Stage lVでは、OFF時の対策、家族の介助量軽減が課題となります。生活環境の段差解消が必要となり歩行補助具や車椅子を導入します。
また、ポータブルトイレや尿器の導入、電動ベッドの背上げ機能の活用も検討します。
嚥下機能の低下も必発であるので、食前の嚥下体操、食物の形態や水分のトロミ、食べる姿勢など状態に応じた具体的方法も指導します。

Stage Vでは、全般的にADLの介助が必要となり、介助量を軽減することを考慮した指導を行います。
家族への移乗動作の指導や食事の介助方法の指導、トイレの介助量の軽減を考えたオムツの種類や離床し易い車椅子を提案します。
嚥下障害に対しては、適切な食事形態や補助栄養の情報提供を行うとともに、経管栄養や胃痩造設など侵襲的で延命に関わる処置についての情報提供を行って本人・家族の考える時間を作ることも重要です。