痙縮の病態生理

痙縮の病態生理

伸張反射は、筋の伸張がその中にある筋紡錘を同期的に興奮させることで起こります。
筋紡錘が急激に伸張されると閾値の低い一次終末が興奮し、このインパルスが伝導速度の早いⅠa求心性線維を上行し、次いで当該筋の支配するα運動ニューロンに単シナプス性に伝達され、その結果伸張された筋が反射的収縮を起こします。
痙縮において伸長反射が増強するメカニズムとして、基礎的研究も含め、以下の関与が推測されています。

①γ運動ニューロンの活動性の亢進
②筋紡錘感受性の上昇
③Ⅰa群線維終末に対するシナプス前抑制の減少
④Ⅰa群線維の変性/発芽現象
⑤α運動ニューロンへの興奮性の入力の増大
⑥α運動ニューロンへの抑制性の入力の減少

⑦シナプス後膜の感受性の上昇(α運動ニューロン自身の興奮性の変化)