人工呼吸器 自発呼吸試験実施の判断

人工呼吸器 自発呼吸試験実施の判断

(1) 前提条件
1. 原疾患が治癒または改善傾向にある。
2. 気道分泌物の除去(咳、喀出など)が可能である。

(2) 開始基準
1. 酸素化が十分である:例 PEEP 5cmH2O PaO2/FIO2 比が 150 以上。
2. 血行動態は安定している:例 HR 140/分以下、循環作動薬が使用されていない(あるいは少量のみ:例 ドパミン 5μg/kg/min)、致死的な不整脈がない。
3. 解熱している:例 体温が 38.3℃未満。
4. 意識状態は安定している:例 指示動作可能である。施設で用いている鎮静スコアで覚醒状態である
5. 電解質・酸塩基平衡に異常がない:例 重度の呼吸性/代謝性アシドーシス、カリウム値の異常がない。

自発呼吸試験の進め方
自発呼吸試験は、人工呼吸中と同じ酸素濃度の T ピース下での自発呼吸か、5cmH2O 程度の PEEP pressure support 5-7 cmH2O 程度の補助呼吸下で行う。この条件で 30 分間観察することを原則とし、決して 120 分を越えない。特に開始後 5-10分間に、頻呼吸などの呼吸負荷による変化が見られることが多いので、この間は必ずベッドサイドで患者の状態を頻繁に観察する。

(1) 用いる指標を以下に示す。T ピースの場合は、換気量モニターなどを用いて 1 換気量を測定する。以下の条件を満たすときに自発呼吸試験合格と判断する。
1. f/VT60-105。※
2. 高血圧・低血圧(収縮期圧:>180mmHg <80mmHg)、頻脈・徐脈(>140/min
<60/min20%以上の変化)の出現がない。危険な不整脈の出現がない。

(2) 患者のアセスメント
1. 意識状態の変化:不穏状態の出現、不安の悪化がない。
2. 循環不全のサイン:末梢の冷感、冷汗の出現がない。
3. 呼吸負荷のサイン:呼吸パターンの悪化、呼吸補助筋の使用、奇異呼吸の出
現がない。

f/VT:呼吸回数(/分)を 1 回換気量(L)で割った指標。呼吸回数が多いほど、1回換気量が少ないほど多くなる。浅く速い呼吸の指標であり、rapid shallow breathing index (RSBI) と呼ばれる。

自発呼吸試験合格と判断した場合
自発呼吸試験で離脱可能と判断された場合には、気管チューブの抜去の手順に進む。
もし、抜去までしばらく時間がある場合には、抜管するまで呼吸補助を再開する。尚、本稿では気管チューブ抜去の基準や手順については示さない。

自発呼吸試験不合格の場合
試験前の呼吸補助のレベルまでもどす。自発呼吸試験は 1 1 回とする。試験は午
前中に行う。

http://www.jsicm.org/pdf/jinkou_an.pdfより
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