純粋語聾

純粋語聾 pure sensory aphasia

古典論にいう「皮質下性感覚失語」であり、「純粋感覚失語」とも呼ばれる。1877年クスマルによって提唱された。稀な類型である。
臨床的には音声知覚の障害を主症状とする。音は聞こえるが音声としては知覚しえない状態である。結果として言語認識、復唱、書き取りが障害される。検者の口唇の動きを見たり、表情や身振りを手がかりにしたり、あるいは文脈的な手がかりを利用することにより言語認識の成績は向上する。話者がゆっくり話す場合も成績は向上する。母音に比して子音がより障害される。与えられた刺激が有意味語か無意味語かの判別は可能であり、有意味語の復唱は無意味語より良好である。母国語と外国語の区別、話し手の認識が可能な例もある。コルレらは通常の話し方の文章認識は障害されたが、感情を込めた話し方の場合は認識成績が向上した症例を報告している。他の言語機能はおかされない(発病初期には錯語の見られることもある)。定義によれば言語表出面での障害はないはずであるが、音韻性錯語や呼称障害を有する症例を純粋語聾として記載している研究者もいる。純粋語聾では環境音の認識は保たれているが、音楽の認識は多少障害される。
軽度の聴力障害、聴覚閥の不安定な変動、刺激強度の弁別障害などの非言語的聴覚機能の障害も認められ、純粋語聾は失語と聴覚知覚障害の中間に位置すると考えられる。狭義の聴覚失認との関係については、純粋語聾であって聴覚失認を伴わない症例の存在から両者は別のものと考えられる。

純粋語唖


純粋語唖

古典論では「皮質下性運動失語」と呼ばれる。類似の概念としては「純粋運動失語」、「アフェミア」「アナルトリー」「発話失行」などがあり、その異同をめぐって種々議論の多い類型である。
臨床的には、構音のみが単独で障害され、言語理解はほぼ保たれる。ウェルツらは構音障害の特徴として、①努力性で、試行錯誤を繰り返す構音運動の探索と自己修正、②プロソディ障害、③同じ音の発話をした時結果が一定しない、④発話の開始困難、をあげている。杉下らによれば、構音の誤りには一貫性がない。すなわち、同じ音を正しく構音出来る場合もあれば失敗する場合もある。また誤り方にも一貫性がなく、様々な誤り方をする。誤りの特徴として石合は、①母音より子音で誤りやすい、②子音の誤りでは置換が最も多い、③置換の中では有声子音の無声子音への置換が多い、⑤語頭の誤りが語中や語尾よりも多い、などをあげている。すなわち非流暢失語でみられる構音障害と同じ特徴が認められる。
定義によれば書字言語面では(構音障害による二次的な)音読以外の障害はないはずである。ただし、文献的には、自発書字でミススペリング、文字の脱落、助詞や送り仮名の障害、などを示す症例も純粋語唖として報告されている。純粋語唖には口・舌・顔面失行がしばしば合併するが必発ではない。半側運動麻痺もしばしば認められる。

認知症対策考える国際シンポジウム NHK

世界で認知症の人が増えるなか、国として認知症への対策を進めている各国の政策責任者など が意見を交わすシンポジウムが、都内で開かれました。 このシンポジウムは東京都医学総合研 究所が開いたもので、認知症への対策を国として進めているイギリス、フランス、 ...

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認知症対策考える国際シンポジウム - NHK

全失語 (total aphasia)


全失語 (total aphasia)

殆ど全ての言語機能が著しく障害がされている。重度のブローカ失語とウェルニッケ失語が合併した類型である。患者は2、3の語を話す(残語)のみで、重度の言語表出、言語認識の障害を示す。書字言語も失われる。しかし、全失語といっても、全ての言語機能が完全に廃絶するわけではない。ベンソンは表出面で2、3の語を組み合わせる、一つの語を抑揚を変えて用いるなどにより最小限のコミュニケーションが可能な症例を報告している。ムーアらは全失語で比較的保たれるものとして書字機能をあげ、文字の認識は音声の認識に優るとしているが、フーバーはむしろ文字認識が悪いと述べている。ペックらは自発話に比べれば復唱はよいこと、ブローカ失語と異なりイントネーションはよく保たれていることを指摘している。全失語はそのままで経過することは少なく、多くは症状の改善とともに、他の類型に移行する。特に、ブローカ失語になるものが多い。半側運動麻痺、半側体性感覚障害は殆ど必発である。半盲も存在する。

超皮質性失語

超皮質性失語

古典論によれば、概念中枢と運動あるいは感覚言語中枢との連絡は絶たれているが運動言語中枢―感覚言語中枢間の連絡は保たれている失語であって、自発発話あるいは言語認識に比して復唱がよく保たれていることを特徴とする。
名称や存在について最も議論のある類型である。
現在は「超皮質性」という言葉の意味は無視して、「言語表出や言語認識の障害に比して復唱の障害が比較的保たれている失語類型」を「超皮質性失語」と呼ぶことが多い。

一般に、超皮質性運動失語超皮質性感覚失語超皮質性混合失語の3型に分けて論じられる。


超皮質性混合失語 (trans cortical mixed aphasia)


超皮質性混合失語 (trans cortical mixed aphasia)

超皮質性運動失語、超皮質性感覚失語が合併した類型で、殆ど全ての言語機能が廃絶し復唱のみが保たれるという特異な症状を呈する。自発発話は殆ど欠如し自分から話し始めることはない。問いかけ、命令に対しては、その内容を認識することなく殆ど衝動的に反響言語で反応する。復唱が保たれているか否かの判断基準は研究者によって異なるが、数語から成る単文が復唱可能である場合本類型と診断される場合が多い。無意味語や外国語でも復唱可能な場合がある。文法的に誤った文章を正しい文章に訂正して復唱する場合(補完)もある。書字言語の処理は殆ど失われており、書字、読字、いずれも不能である。写字が可能であった症例も報告されている。半側の運動麻痺、体性感覚障害を呈する症例が多いが必発ではない。

超皮質性感覚失語 (TCSA:trans cortical sensory aphasia)

超皮質性感覚失語 (TCSA:trans cortical sensory aphasia)

自発話は流暢であるが多くの字性錯語、語性錯語を示し、内容に乏しい。また、質問や命令をそのまま反復する反響言語を示す。系列語は良好で、補完も見られる。言語認識は強く障害されるが、具体的な物品名や簡単な命令は認識されることもある。喚語障害は重度で呼称は著しく障害される。ベンソンによれば、名称を言われてその物品を指示することにも障害があるという。復唱は認識に比して保たれている。すなわち、患者は言われたことをそのまま復唱する。未知の外国語でも復唱可能である。文の音読は保たれることもあるが、読解はきわめて不良である。自発書字も口頭言語と同じように障害されるが、書き取りは比較的保たれている。患者は自己の障害を認識出来ない病態失認を呈する。視野障害はしばしば認められる。観念運動失行、観念失行も合併しやすい。
以上から明らかなように、この類型の失語では音韻の認識と意味の認識に大きな解離が見られ、前者はほぼ保たれているが後者は著しく障害されている。井村は仮名の音読に比して漢字の読解が特に障害される症例を「語義失語」として記載したが、この類型に含まれると考えられる。ta

外国人アクセント症候群 (FAS)


外国人アクセント症候群 (FAS)

大脳半球損傷に伴い、母国語を話しているにも拘わらず、外国人が話しているような発話をする症状である。1975年、ホワイタッカーは英語を母国語とするブローカ失語例でスペイン語のような発話をする症例を報告した。以来外国語アクセント症候群として症例報告がなされている。日本語を母国語とする症例では、韓国語あるいは中国語のようなアクセントで話したと記載されている。多くの症例ではブローカ失語類似の非流暢失語症状があるが、比較的純粋に本症状のみを呈する症例、すなわち失語症状がないか軽微であって外国語のような発話をする症例が報告されている。原因としては、①呼吸法の障害、②音声器官の筋失調、③皮質性構音障害、④一種の失行、などが指摘されている。

統一多系統萎縮症評価尺度 UMSARS (unified MSA rating scale)

統一多系統萎縮症評価尺度 UMSARS (unified msa rating scale)

評価表はこちら↓
http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/sca_umsars.pdf

Part I : Historical Review (Part I の総点:   / 48 点)(特定できない時は)患者あるいは介護者に対する質問により、過去2 週間の平均的機能を評価する。患者の状態に最も適合する点数をつける。臨床上のサインとは独立して機能を点数化する。

1. 会話
0. = 正常
1. = 軽度に障害されるが、容易く理解可能
2. = 中等度の障害。
時々(半分以下)聞き返す必要あり
3. = 高度の障害。
何度も(半分以上)聞き返す必要あり
4. = ほとんど聞き取り不能

2. 嚥下
0. = 正常
1. = 軽度障害。むせがあっても1 週間に1 回以下
2. = 中等度障害。
食事を誤嚥し、1 週間に1 回以上むせる
3. = 高度障害。しばしば食事を誤嚥する
4. = 経鼻胃管あるいは胃瘻による栄養

3. 書字
0. = 正常
1. = 軽度障害されるが、 すべての文字が読める
2. = 中等度障害され、半分くらいの字は読めない
3. = 高度に障害され、ほとんどの字が読めない
4. = 不能

4. 食事と食器の扱い
0. = 正常
1. = やや遅いか拙劣だが、介助は不要
2. = 遅くて拙劣だが、大抵の食物は扱える。介助が少し必要。
3. = 予め食物を食べやすい状態にしてもらう必要があるが、ゆっくりなら自分で食べられる。
4. = 全介助

5. 更衣
0. = 正常
1. = やや遅いか拙劣だが、介助不要
2. = ボタンをはめる時や、袖に手を通す時に介助が必要な時もある
3. = かなりの介助が必要だが、部分的には一人で出来る
4. = 全介助

6. 衛生
0. = 正常
1. = やや遅いか拙劣だが、介助不要
2. = シャワーあるいは入浴に介助が必要、あるいは衛生ケアに非常に時間がかかる
3. = 洗顔、歯磨き、整髪、トイレ使用に介助が必要
4. = 全介助

7. 歩行
0. = 正常。
1. = 軽度障害。介助は不要。補助具は不要(関連のない疾患に対する補助具は除く)
2. = 中等度障害。介助あるいは歩行補助具が時々必要

3. = 高度障害。介助あるいは歩行補助具が頻回に必要
4. = 介助があっても歩行不能

8. 転倒(先月の回数)
0. = なし
1. = 滅多に転倒しない(1 ヶ月に1 回未満)
2. = 時々転倒(1 週間に1 回未満)
3. = 1 週間に1 回以上転倒
4. = 1 日に少なくとも1 回は転倒(歩けない場合も「4」と評価)

9. 起立性症状
0. = 起立性症状(失神、めまい、視覚障害、頸部痛。臥位になると楽になる)はなし
1.= 稀で日常生活が制限されることはない
2. = 少なくとも1 週間に1 回。時に日常生活が制限される
3. = 大抵の場合に生じるが、通常1 分以上立っていられる。日常生活の多くが制限される
4. = 立位の時には持続的に生じ、通常立位を保てるのは1 分以内。立とうとすると失神するか、しそうになる

10. 排尿機能
0. = 正常
1. = 尿意切迫あるいは頻尿だが、薬物治療不要
2. = 尿意切迫あるいは頻尿があり、薬物治療が必要
3. = 切迫性尿失禁あるいは残尿により間欠的自己導尿が必要
4. = 失禁によりカテーテル留置が必要
*排尿症状は他の原因によるものではない

11. 性機能
0. = 問題なし
1. = 健康な時期に比べて軽度の障害
2. = 健康な時期に比べて中等度の障害
3. = 健康な時期に比べて高度の障害
4. = 性的活動は不可能

12. 腸機能
0. = 以前のパターンと変わりなし
1. = 時に便秘するが薬物治療は不要
2. = しばしば便秘し、緩下剤が必要
3. = 慢性的に便秘で緩下剤か浣腸が必要
4. = 自発的な腸の動きがない


Part II: Motor Examination Scale
(Part II の総得点:   / 56 点)
四肢のうち最も重症な部分により評点する

1. 表情
0. = 正常
1. = 表情はやや乏しいが、ポーカーフェイス程度にも取れる
2. = 軽度だが明瞭な表情の減少
3. = 中等度の無表情。口が開いていることがある
4. = 仮面様顔貌。口は0.6cm 以上開いている

2. 言語
患者に標準的な文章を数回繰り返し発音してもらう
0. = 正常
1. = 軽度だが遅く、不明瞭、または発声困難。発話を繰り返してもらう必要はない
2. = 中等度に遅く、不明瞭、または発声困難。発話を時々繰り返してもらう必要がある
3. = 高度に遅く、不明瞭、または発声困難。発話をしばしば繰り返してもらう必要がある
4. = 理解不能

3. 眼球運動障害
水平にゆっくり動かす検者の指を追視させること、異なった場所にある指を側方視させること、約30O 開いた極位にある二本の指の間でサッケードを行わせることにより、眼球運動を検査する。検者は次の異常サインを評価する:(1)滑動性眼球運動の欠落、(2)45O 以上の眼位で生じる注視性眼振、(3)45O 以内の眼位で生じる注視性眼振、(4)サッケード性ハイパーメトリア。(3)の存在は、(2)の存在が前提なので、少なくとも2 つの異常なサインが存在することを示唆する。
0. = なし
1. = 1 つの眼球運動の異常なサイン
2. = 2 つの眼球運動の異常なサイン
3. = 3 つの眼球運動の異常なサイン
4. = 4 つの眼球運動の異常なサイン

4. 安静時振戦(最も重症な肢を評点する)
0. = なし
1. = 軽度でごくたまに出現
2. = 振幅は小さいが持続的。あるいは中等度の振幅で間欠的
3. = 中等度の振幅で大低の時間出現
4. = 振幅が大きく、大低の時間出現

5. 動作時振戦
進展した上肢の姿勢時振戦(A)と、指差しでの動作時振戦(B)を評価する。タスク(A)と(B)で重症なほうの振戦を最も重症な肢において評点する。
0. = なし
1. = 軽度の振戦(A)、指差しで干渉なし(B)
2. = 中等度の振幅(A)、指差しで少量の干渉(B)
3. = 著明な振幅(A)、指差しで著明な干渉(B)
4. = 重度の振幅(A)、指差し不能(B)

6. 筋トーヌス上昇(最も障害の強い肢で評点)

患者を座位にし、リラックスさせた状況で、受動的な動きを評価する。歯車様筋強剛は無視する。
0. = なし
1. = ごく軽度であるか、鏡像または他の動作により誘発した時のみ検出される
2. = 軽度~中等度
3. = 著明だが、可動域内は容易に動かせる
4. = 重症で可動域内を完全には動かせない

7. 手のすばやい変換運動
手の回内外運動を、垂直あるいは水平に、可能な限りの振幅により、片手ずつ行い、最も重症な肢により評価する。このタスクの障害は無動や小脳症状によっても生じうることに注意する。背景にある運動障害を無視して動作を評点する
0. = 正常
1. = 軽度の障害
2. = 中等度の障害
3. = 重度の障害
4. = タスクがほとんど遂行できない

8. 指タップ
速く連続して可能な限りの振幅で指をタップさせる。それぞれの手につき少なくとも15~20 秒。このタスクの障害は無動や小脳症状によっても生じうることに注意する。背景にある
運動障害を無視して動作を評点する
0. = 正常
1. = 軽度の障害
2. = 中等度の障害
3. = 重度の障害
4. = タスクがほとんど遂行できない

9. 下肢の機敏さ
座位の状態で速く連続して足全体を持ち上げ、かかとで床をたたく。振幅は約10cm、悪いほうの足で評価する。このタスクの障害は無動や小脳症状によっても生じうることに注意する。背景にある運動障害を無視して動作を評点する
0. = 正常
1. = 軽度の障害
2. = 中等度の障害
3. = 重度の障害
4. = タスクがほとんど遂行できない

10. かかと-膝-脛テスト
一方の下肢を持ち上げ、かかとを休ませているほうの下肢の膝の上に置き、前脛部から足首へとスライドさせる。足関節に達したら、下肢を再び挙上し、約40cm 持ち上げてから一連の動作を繰り返す。正確な評価のためにはそれぞれの下肢について少なくとも3 回繰り返されるべきである。悪いほうの下肢によって評点する。
0. = 正常
1. = 軽度の障害
2. = 中等度の障害
3. = 重度の障害
4. = タスクがほとんど遂行できない


11. 椅子からの立ち上がり
手を胸の前に組んで背中がまっすぐな木または金属製の椅子から立ち上がる
0. = 正常
1. = ぎこちなく、一度でうまく行かないこともある
2. = 肘掛けに腕をつかないと立てない
3. = 立とうとしても座り込んでしまい、一回以上やり直しが必要だが、介助は不要
4. = 介助なしでは立ち上がれない

12. 姿勢
0. = 正常
1. = 完全な直立ではなく、ごく軽度前屈みの姿勢。高齢者なら正常でもありえる程度
2. = 中等度の前屈姿勢で明らかに異常。一側にやや傾くこともある
3. = 重度の前屈姿勢で後彎を伴う。一側に中等度傾くこともある
4. = 極度の前屈で極めて異常な姿勢

13. 姿勢反射
両足を開いて目を開けた状態でまっすぐ立った状態から、肩を持って突然強く後方に引いた時の自発的な姿勢反射と反応を評点する
0. = 正常。
1. = 軽度の体の動揺と後方突進現象があるが、自分で立ち直れる
2. = 中等度の体の動揺と姿勢保持障害があり、支えないと倒れる
3. = 重度の体の動揺があり、極めて不安定。自然に倒れそうになる
4. = 介助なしには立位保持不能

14. 歩行
0. = 正常

1. = 軽度の障害
2. = 中等度の障害。歩行困難だが独歩可能
3. = 高度の歩行障害で介助が必要。
4. = 介助があっても歩行不能

Part III: Autonomic Examination
臥位で安静にしてから2 分後と、立位になってから2 分後に血圧と脈拍を測定する。起立性症状は浮遊感、非回転性めまい、眼のかすみ、虚弱感、疲労感、認知障害、悪心、動悸、身震い、頭痛、頸肩部痛を含む
収縮期血圧
臥位    立位(2 分後)   ○ 記録不能
拡張期血圧
臥位    立位(2 分後)   ○ 記録不能
脈拍
臥位    立位(2 分後)   ○ 記録不能
起立症状   ○ あり   ○ なし

Part IV: Global Disability Scale
1. = 完全に自立。最小限度の困難や障害はあってもすべての雑用をこなすことが出来る。基本的
に正常。困難さは気づかれない
2. = 完全な自立とは言えない。いくつかの雑用には介助が必要
3. = さらに依存。半数の雑用には介助が必要。一日の大半を雑事に費やしてしまう
4. = 非常に依存的。時々雑用を自分で出来るか、自分だけで始められる。多くには介助が必要
5. = 完全に依存的で身の回りのことが出来ない。臥床状態





修正ボルグスケール modified Borg Scale

修正ボルグスケール modified Borg Scale
修正Borgスケール
0
なにも感じない
0.5
非常に弱い
1
かなり弱い
2
弱い
3
中等度に弱い
4
やや強い
5
強い
6

7
かなり強い
8

9

10
非常に強い
最大限

6分間歩行テスト シャトルウォーキングテスト

6分間歩行テスト シャトルウォーキングテスト


6分間歩行テスト(6 minutes minutes walking test walking test:6MWT)


折り返し標識を設置した30 mの距離を6分間に可能な限り往復で歩行させる。
途中息切れのために立ち止まることや 途中息切れのために立ち止まることや 壁にもたれ 、壁にもたれ
て休むことは可能。
検者は患者と一緒に歩かない。また患者への声かけは決まった言葉で、一定の調子で行う。
歩行距離、最大呼吸困難感(修正Borg Scale)、SpO2、心拍数を測定する。
日常生活におけるQOLを反映した運動能力を測定するには6MWTの方が適していると言われている。
6MWTの手順はこちら


シャトルウォーキングテスト(shuttle walking test:SWT)


10mのコースの両端から50cmのところに置かれたコーンの間を歩く。 コーンの間を歩く。
CDから流れる電子音に合わせて歩く速さが決定され、その速さは1分毎に増加される。
ペースについていけなくなったときや、呼吸困難などの臨床症状が出現したときに中止する。
歩行距離、修正Borg Scale、SpO2、心拍数、血圧、呼吸回数を測定する。
肺機能を反映した運動能力を測定するにはSWTの方が適していると言われている。

6分間歩行テスト(6MWT:6minutesminuteswalkingtestwalkingtest)の手順

6分間歩行テストの手順 


  1. テスト前2時間以内の強い運動は避け、ウォーム・アップはしない。
  2. 少なくともテスト前10分間は、椅子に座り安静にし、負荷をかけて良い状況か否かをチェックし、脈拍、血圧を測定・記録します。靴や補助具(杖など)も確認し、記録用紙に必要項目を記録する。また、この間に以下のようなオリエンテーションを行う。

    「この試験の目的は、6分間できるだけ長い距離を歩くことです。このコースを今から往復します。6分間は長いですが、頑張ってください。途中で息切れがしたり、疲労するかもしれません。必要ならペースを落としたり、立ち止まったり休んでもかまいません。壁にもたれかかって休んでもかまいませんが、できるだけ早く歩き始めてください。コーンで方向転換し往復歩行します。コーンを素早く回り、往復してください、これから私が実際にやってみるので見ていてください」(検査担当者自身が1往復し、歩き方と素早い回り方を示す)。
  3. 歩行開始直前には、ベースラインの呼吸困難と全体的な疲労感を(修正)Borgスケールで測定する。
  4. スタート直前にできるだけたくさん歩くことと、走らないことを再確認する。
  5. 検査担当者は一緒に歩いてはいけない(ATS)。ただし、私たちは対象者に転倒の可能性が有る場合には、いつでも手が届く範囲の斜め後ろについて歩く。
  6. テスト中の声掛けは時間経過のみ。ATSのステートメントでは、

    最初の1分:「うまく歩けています。残り時間はあと5分です」

    2分後:「その調子を維持してください。残り時間はあと4分です」

    3分後:「うまく歩けています。半分が終了しました」

    4分後:「その調子を維持してください。残り時間はもうあと2分です」

    5分後:「うまく歩けています。残り時間はもうあと1分です」

    残り15秒:「もうすぐ止まってくださいと言います。私がそういったらすぐに立ち止まってください。私があなたのところに行きます」

    6分後:「止まってください」

    試験中に患者が歩行を中断したり、休息が必要となったら:「もし必要なら壁にもたれかかって休むこともできます。大丈夫と感じたらいつでも歩き続けてください」
  7. 6分経過しないうちに中断する場合には、椅子に座らせ、中断した時間、中止理由を記録する。
  8. テスト終了後、歩行後の修正Borgスケールの呼吸困難と疲労レベルと総歩行距離を記録する。
  9. 私たちは、テスト終了後も脈拍数、血圧がベースラインの10%増まで戻るまで1分毎に測定する。

絶対禁忌


1ヶ月以内の不安定狭心症、心筋梗塞

相対禁忌


安定型狭心症

安静時のHR≧120回/min、収縮期血圧≧180mmHg

拡張期血圧≧100mmHg

ボルグスケールはこちら↓

Hugh-Jonesの分類


Hugh-Jonesの分類
Ⅰ度
同年齢の健康者と同様の労作ができ、歩行、階段の昇降も健康者並にできる。
Ⅱ度
同年齢の健康者と同様に歩行できるが、坂・階段の昇降は健康者並にはできない。
Ⅲ度
平地でさえ健康者並には歩けないが、自分のペースでなら1.6km(=1マイル)以上歩ける。
Ⅳ度
休みながらでなければ50m以上歩けない。
Ⅴ度
会話、着物の着脱にも息切れがする。息切れのため外出できない。

METsと運動強度の関係


METsと運動強度の関係
METs
運動強度
代表的運動・作業
2.5以下
非常に軽い
ベッド上練習(12
2.55.0
軽い
掃除・アイロンがけ24
平地歩行(35
5.07.5
普通
階段昇降(48
7.510.0
強い
自転車(38
登山(510
10.0以上
非常に強い
各種スポーツ

高次脳機能障害から奇跡の復活を果たしたミュージシャンGOMA、自身を題材とした映画に葛藤も シネマトゥデイ

首都高速での追突事故により、記憶の一部が消えたり、新しいことが覚えづらくなるという高次脳機能障害を負ったディジュリドゥ奏者のGOMA。本作では、そんなGOMAがリハビリ期間を経て徐々に復活していく過程を、ライブ映像やイラスト、アニメーションな どを組み合わせて ...

詳しくはこちら↓
高次脳機能障害から奇跡の復活を果たしたミュージシャンGOMA、自身を題材とした映画に葛藤も - シネマトゥデイ

開眼片足立ちテスト


開眼片足立ちテスト

両手を腰に当て、片足を持ち上げ床から離し、足は全前方・後方どちらに上げてもよいが、支持脚につけないように注意する。

記録には支持脚が右か左かを記録しておく。

説明は「目を開けたまま、この状態をできるだけ長く保ってください」に統一します。

参加者の傍らに立ち、安全性を確保して、以下の時点までの時間を計る。
①支持脚の位置がずれたとき
②腰にあてた手が離れたとき
③支持脚以外の体の一部が床に触れたとき
④最初の姿勢が崩れた時(多少のふらつきは可)

*安全のためのヒント
床やその周辺に危険がないかどうかをチェックしバランスの崩れやすい人にはすぐに手を伸ばせるような態勢をとれば、安全性にもすぐれる。

*測定の目安
要介護者では片足を保持できない事が多い。その場合の測定値はゼロであるが、訓練によって数秒から5秒以上になる事がある。

Timed Up & GoTest(タイムアップアンドゴーテスト)


TimedUp-&-GoTest(タイムアップアンドゴーテスト)

椅子に座らせた被検者に、「立ち上がり、歩行して3m先の目標物で方向転換し、再び3m歩行して椅子に座る」ように指示を与え、その所要時間を測定する。

通常は杖や装具を装着している場合は使用して測定を行います。

測定は2回行いその最小値を代表値とします。

スタート肢位はお尻を完全に椅子につけ、両手を膝の上に置いた姿勢とする。

計測者は「はい!」の掛け声を合図にスタートし、対象者にとって快適かつ安全な速さで一連の動作を行う。

言葉かけは「いつもの歩いている速さで回ってください」に統一する。

計測者は「ハイ!」と言った時点から、お尻が椅子に触れるまでの時間(少数点第1位まで)をストップウォッチにて測定する。

計測時の回り方は参加者の自由とする。行う前に計測者が見本を見せてから測定する。

*安全のためのヒント
計測者は参加者の不意の転倒に備えてサポートできるように動き、着席の際に椅子の安定のために後ろで支える。

*測定値の目安
健常者は10秒以内で、20秒以上かかる場合はADLに介助を要するとされ、20秒以内が境界値と考えられる。

ファンクショナルリーチテスト ( FRT:Functional Reach Test)

ファンクショナルリーチテスト ( FRT:Functional Reach Test)

準備
メジャー、模造紙又は付箋紙、目印用テープ

方法
① 体の横を壁に向けて、両足を左右に開いて立つ。
② 手は軽く握り拳をつくり、両腕を脇が直角になるよう前に上げる。
③ 肩の高さに挙げた拳の先端をマークし、壁から離れたほうの手をおろす。
④ 拳は同じ高さを維持したまま、足も動かさずにできるだけ前へ手を伸ばす。
  爪先立ちになってもよい。
⑤ 最大に伸びた所に印を付け、ゆっくり元に戻りもう一回測定する。
⑥ 開始の位置から最大伸びた位置までの距離を計測し、小数点第1 位を記録する。

評価
FRT測定距離15cm未満が転倒の可能性が大きくなるとされています。(境界値)
また、25cm以上の高齢者に対し、15cm未満の高齢者は転倒の危険が4倍あるとされています。




小脳性運動失調評価法 SARA日本語版

小脳性運動失調評価法 SARA日本語版


小脳性運動失調の総合的な評価法として、SARA は半定量的な評価が可能であり、重症度や治療効果の判定に有用なツールである。

評価手法も、一般的な神経学的評価手技を用いているため、同一評価者内および評価者間での評価のばらつきが少ないことが報告されている。

また、ICARSの評価項目が19項目であるのと比較するとSARA8項目と少なく、臨床的にも簡便に使用可能な評価尺度といえる。

SARA評価表はこちら↓

脊髄小脳変性症(SCD)の小脳性運動失調の障害度

脊髄小脳変性症(SCD)の小脳性運動失調の障害度

ステージ1
起立・歩行に見守りも用具もいらない。

ステージ2
見守りや、援助、歩行のための用具が必要であるが歩行は可能。

ステージ3
介助や用具があっても歩行はできないが、車椅子への移乗はできる。

ステージ4
以上も介助に依存するが、座っていられる。

ステージ5
支えがなければ、座っていられない。

ICARS(InternationalCooperativeAtaxiaRatingScale:運動失調の国際評価尺度)

ICARS (InternationalCooperativeAtaxiaRatingScale:運動失調の国際評価尺度)

【適用】
小脳出血や脊髄小脳変性症、多系統萎縮症による運動失調の評価に適用となる。

【基準値】
明確な基準値は示されていないが、すべて正常と判定されれば総計0点となる。

【解釈】
1)結果の確認
各項目の評価基準に結果があてはまるかどうかを確認する。評価後に判断に迷った際には再度評価を行い評価基準と比較する。そこで評価結果にばらつきが出た場合には、計測方法が正しければ変動の要因を考察していく。また他項目の評価結果と比較し相対的に解釈せず、それぞれの評価結果ごとの絶対評価として判断する。

2)結果の解釈
全項目の合計点を算出して判断基準とするが、明確な基準値は示されていないため、各項目の点数からどのような動作が障害されているかを明確にする必要がある。また錐体外路症状や自律神経症状、ADL評価なども加え総合的な障害を把握する。

3)結果の活用
ICARSを算出することで、運動失調の経時変化や治療法の効果判定の指標となる。運動機能面では、改善すべき運動失調を明確にすることで効果的なリハビリテーションプログラムの立案に役立ち、歩行補助具や福祉用具の選択に反映できる。そして、経時変化を辿ることによって介入方法の効果判定や予後予測のパラメータとして活用できる。これは他の運動失調の評価結果や錐体外路症状、自律神経症状、ADLなどの指標と関連付けて解釈することでよりいっそう有用な情報となる。

詳しくは、下記のPDF内に評価表が記載されています。



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握力測定 方法と判定


握力測定 方法と判定

準備:握力計

方法
① 両足を左右に自然に開き、腕を自然に下げた状態で立つ。

② 握力計は、記録表示が外側になるように握る。

③ 人差し指の第2関節がほぼ直角になるように握りの幅を調節する。

④ 握力計を身体や衣服に触れないようにして、力いっぱい握りしめる。

⑤ 実施時には、握力計を振り回さないようにする。

⑥ 左右で計4回測定し、左右の高い値の平均を記録とし、小数点第1位を四捨五入する。


基準表

男性
年齢
低い
やや低い
標準
高い
かなり高い
18 - 29
- 36
37 - 43
44 - 51
52 - 58
59 -
30 - 39
- 35
36 - 42
43 - 50
51 - 57
58 -
40 - 49
- 33
34 - 40
41 - 48
49 - 55
56 -
50 - 59
- 30
31 - 37
38 - 45
46 - 52
53 -
60 -
- 26
27 - 33
34 - 41
42 - 48
49 -

女性
年齢
低い
やや低い
標準
高い
かなり高い
18 - 29
- 20
21 - 26
27 - 33
34 - 39
40 -
30 - 39
- 19
20 - 25
26 - 32
33 - 38
39 -
40 - 49
- 18
19 - 24
25 - 31
32 - 37
38 -
50 - 59
- 16
17 - 22
23 - 29
30 - 35
36 -
60 -
- 13
14 - 19
20 - 26
27 - 32
33 -

総コレステロール (T-ch) 基準値

総コレステロール (T-ch)

基準値
150~219 ㎎/dl

コレステロールは、神経痛、筋肉などに多く存在し、細胞をつくる成分として、またホルモンやビタミンDなどの原料として 重要な役割を果たしております。コレステロールが多くなると血管の壁に蓄積されて、動脈硬化を引き起こしやすくなります。


クレアチニン(CRE) 基準値

クレアチニン(CRE)

基準値
M 0.65~1.09 
F 0.46~0.82 ㎎/dl


窒素代謝で生じる物質の一つであり、大部分は腎臓より排泄されるため、糸球体ろ過機能と密接な関係があり、腎機能障害の指標として有用です。